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南総里見八犬伝(滝沢馬琴原作、本山一城作画、Jコミックテラス) [生活]

南総里見八犬伝(滝沢馬琴原作、本山一城作画、Jコミックテラス)

南総里見八犬伝(滝沢馬琴原作、本山一城作画、Jコミックテラス)は、犬塚信乃と浜路を中心に八犬士の活躍を描く物語の漫画化です。テレビでは、1973年にNHKで坂本九さんをナビゲーターに、辻村ジュサブローさんの人形劇として放送されました。


『南総里見八犬伝』は、滝沢馬琴さん原作、本山一城さん作画の漫画として、Jコミックテラスから発行されています。



作品情報によると、1985年に旺文社で発行された名作シリーズ中の一冊だそうです。

八犬士と浜路の活躍


『南総里見八犬伝』は、タイトル通り、今の千葉県南東部にあたる、南房総地方の安房国武将である里見家の話です。

血で血を洗う戦国時代、南総安房の国、滝田城に玉梓(たまずさ)という美女がいました。

が、実は国を支配したがっている妖女でした。

風雲児、里見義実は、民衆を集めて玉梓を倒し、城主となりました。

しかし、戦いは続きます。

隣国の攻めで、本丸が破られるのも時間の問題というとき、飼い犬の八房(やつふさ)が、自分も闘いに参加させろと興奮しています。

里見義実は、たわむれのつもりで八房に、「もしお前がこの里見家のピンチを救ってくれたら、褒美として伏姫(ふせひめ)をお前の嫁にやる」と言いますが、それを真に受けた八房は張り切り、敵将の首を取ってきます。

そこで、里見家の危機は遠ざかりましたが、伏姫と八房が行方不明に。

八房は、霊峰富山にて、伏姫と暮らしていました。

伏姫は行者から、「そなたたちの心が、人とけものの境を超えて結びついたとき、宿命を破る八犬士が生まれる」といわれます。

そこで、伏姫は何ヶ月も祈り続けますが、八房は見つけたお城の家来に撃たれ、伏姫も間違って撃たれてしまいます。

その瞬間に伏姫が投げた、8つの数珠の玉には仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の文字がありました。

それらの玉を持つ、関八州に生まれた八剣士。

8人の剣士の出会いと団結、そして妖女玉梓を倒すまでの物語が始まります。

本書に登場する八犬士は、「孝」の玉を持つ犬塚信乃を中心に、「仁」の犬江大八、「義」の犬川額蔵、「礼」の犬村角太郎、「智」の犬坂毛野、「忠」の犬山道節、「信」の犬飼現八、「悌」の犬田小文吾です。

要するに八剣士とは、忠犬とお姫様の子という設定なのですね。

だから「八犬伝」というタイトルなわけです。

そして、犬塚信乃を慕う女性に浜路。

その他、玉梓、里見義実、伏姫、八房などが登場します。

『明代中国の伝奇歴史小説』⇒『水滸伝』⇒『南総里見八犬伝』


『南総里見八犬伝』の原案は、『水滸伝』という、明代の中国で書かれた、「中国四大奇書」と呼ばれる伝奇歴史小説です。

1973年4月クールに、中村敦夫を主演にして日本テレビ25周年記念番組として、ドラマ『水滸伝』が放送されました。


そして先日はこのブログで、「中国四大奇書」のうちのひとつの『西遊記』をご紹介しました。


『水滸伝』は、12世紀初めに、36人が梁山泊の近辺で反乱を起こした史実をもとに、108人の義賊による壮大な物語に創作されたと言われています。

『水滸伝』のストーリーは、中国の北宋末期、汚職官吏や不正に対して、それぞれいわれなき理由で世間からはじき出された108人の義賊たちが、梁山泊と呼ばれる要塞に集結。

悪徳官吏を打倒し、国を救うことを目指すようになる話です。

その義賊にあたる設定が、『南総里見八犬伝』の8人の剣士です。

NHKの人気番組として人形劇化


『水滸伝』が放送されたクールより半年前、すなわち1973年4月には、『新八犬伝』を放送しています。


こちらは、『南総里見八犬伝』に、やはり滝沢馬琴の『椿説弓張月』をアレンジした作品です。

辻村寿三郎さんの人形と、坂本九さんのナレーションが懐かしいですね。

年齢としては、50代後半ぐらいかな。ご存知なのは。

「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」という文字が浮き出る8つの玉をそれぞれ持つ八犬士が、悪代官・悪党・怨霊らとたたかい活躍するストーリーは、『南総里見八犬伝』そのままで、108の玉が飛び出す『水滸伝』の影響を受けていると思われます。

ですから、同作のヒットが、『水滸伝』に対する関心を高め、同年秋クールの日本テレビ開局25周年ドラマの企画にもつながったのではないかと思います。

残念ながら、この人形劇の当時のビデオは残っていないそうです。

1983年には、鎌田敏夫さん原作『新・里見八犬伝』という映画も上映されました


本書は2023年7月16日現在、マンガ図書館Zで無料で閲覧できます。


AmazonでもKindle書籍としてリリースされています。

南総里見八犬伝 - 本山一城
南総里見八犬伝 - 本山一城
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赤面症

マンガ図書館Zも有料サービスが増えてきました
こちらはまだ無料みたいですね
by 赤面症 (2023-07-16 01:09) 

コーヒーカップ

この人形見覚えがあります
家族が観てたのかな
オカルトとか人形のデザインが嫌でした。
by コーヒーカップ (2023-07-16 01:50) 

よしあき・ギャラリー

里見八犬伝と言えば、今はまず、朝ドラ、らんまん、を思い出します。
by よしあき・ギャラリー (2023-07-16 06:16) 

お散歩爺

懐かしい名前が幾つもあって楽しめました。
伏姫が投げた8つの数珠の玉、爺も2つの玉を投げてみようかな(-_-;)。
by お散歩爺 (2023-07-16 08:29) 

pn

見てたわー人形劇、三国志(こんな字だっけ?)とどっちが先だったっけ?九ちゃんの主題歌、仁、義のところが好きだった。
by pn (2023-07-16 09:26) 

十円木馬

「ひょっこりひょうたん島」は幼過ぎてあまり記憶にないのですが、1973年に放映されたこの「南総里見八犬伝」は家族全員で夢中になって見ていました。
by 十円木馬 (2023-07-16 09:34) 

drumusuko

里見八犬伝、朝ドラの寿恵チャンが大ファンでしたね~^^


by drumusuko (2023-07-16 10:38) 

Take-Zee

こんにちは!
夏目雅子さんの西遊記は見ましたね~!

by Take-Zee (2023-07-16 12:24) 

tai-yama

日テレの西遊記も元はTBSのドリフとピンクレディーの
西遊記が流行ったからと・・・・水滸伝の言われなきで
反乱したのはほんの一部な気も。自爆が多い印象。
by tai-yama (2023-07-16 19:39) 

Rifle

南総里見八犬伝、拙者も白黒TVで見てました。
幼かった為か、内容は殆ど覚えてませんけど。(^^ゞ
by Rifle (2023-07-16 21:41) 

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