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『江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図』(橋本雅幸、旬報社) [社会]

江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図

元日付の記事で書いたように、今年、本格的に取り組みたいと思っている家系図作り。さっそくはじめていますが、手引書として読んでいるのが『江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図』(橋本雅幸、旬報社)です。家系図とは何なのか、どうやって作られるのかを知ることができます。

江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図 / 橋本雅幸 【本】 - HMV&BOOKS online 1号店
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『江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図』は、表紙に「いちばんやさしい家系図の本」とあるように、戸籍とはなにかといった基本的なことから、戸籍の読み方、たどれなくなった場合の調べ方、家系図の書き方までわかりやすくまとめられています。

まずは戸籍で遡ろう


家系図をつくるためには、まず戸籍を取り寄せて先祖の情報を集めます。

自分の戸籍に始まって、父母、さらにその父母の戸籍と順繰りにさかのぼっていくのです。

私の場合、曽祖父の祖父、つまり5代前までたどったところで、役所の担当部署から「これ以上古いものは残っていない」と言われました。

曽祖父の祖父が生まれたのは文化8年、1811年ですから、約200年前までさかのぼったことになります。

戸籍は保管期間がすぎると廃棄されてしまうのと、そもそも現在のような戸籍制度ができたのが明治時代ですから、おそらくこれより前のものは探しても出てこないでしょう。

では戸籍がなければ、先祖のことは調べようがないのでしょうか。

ここからが、本書の真骨頂と言っていいでしょう。

でも戸籍がなくても先祖は探せる


本書では、家系図をつくるにあたり、戸籍から先祖をたどれないときの情報収集についても、さまざまな手法が紹介されています。

たとえば、先祖が旧陸軍や旧海軍に所属していた場合は軍歴証明書、土地を持っていた場合は法務局が保管している旧土地台帳、武士だった場合は藩に仕えている人間の名前を記した「分限帳」を調べるなどです。

国立国会図書館には、全国の郷土史が数多く集められているので、そこから情報を集めることもできるとしています。

戸籍が途切れると、もう手がなさそうですが、あの手この手で先祖を探す方法はあるものです。

私の場合、生年月日や婚姻関係などの情報は5代前まで、名前だけなら7代前までたどれましたが、4代前は武士だったらしいので、「分限帳」からまた探ってみたら新しいことがわかるかもしれません。

戸籍とは読みにくいものである


先祖の戸籍を取寄せたら、今度はその内容を読み取らなければなりません。

日本語で書かれているのだからそんなのは簡単だと思われるかもしれませんが、これがなかなか大変な作業なのです。

なぜかというと、昔の戸籍は毛筆の手書き、しかも「一」が「壱」や「壹」などの大字で書かれているうえに、ところどころかすれていたり消えていたりして、判読に大変時間がかかります。

本書にはこうした難読文字を読み解くために、大字のほかにも戸籍でよく見かける異体字、変体仮名の一覧が巻末付録として収録されています。

ネットで調べることもできますが、やはり紙に書かれたものは紙で見比べたほうがわかりやすいので、この付録は大変役立ちました。

家系図と系譜の2段構えで記録


さて、戸籍の内容がわかったら、いよいよ家系図作りですが、これについても本書は、家系図の書き方から用紙の選び方、その保存方法までを丁寧に解説しています。

ここで参考にしたのが、系譜の書き方です。

戸籍を調べていくと、本籍地や家督を相続した日、従前戸籍など、いろいろな情報が得られます。

しかし、そのすべてを家系図に盛り込むと、人物についての書き込みが増えて家系図がわかりにくくなってしまいます。

家系図には最低限の情報だけを書き、それ以外の情報は系譜として別紙にまとめておくとよいと言うのです。

系譜には先祖ひとりひとりについて、その生没年や出生地、死亡地、本籍地や婚姻関係などの詳しい情報を書き込んでいきます。

戸籍のダイジェスト版としてまとめるようなイメージで作成するといいそうです。

たしかに、先祖についていろいろなことがわかる中で、これを全部家系図に入れることはできないが、せっかく知り得た情報をなんらかのかたちで残しておきたいと思っていたところでした。

家系図と系譜の2段構えで情報を整理しておけば、先祖の関係性と詳細についていつでも確認することができます。

まとめ


ということで、本書は家系図作りをすすめるにあたって、つまずきそうなところをサポートしてくれる一冊といえるでしょう。

繰り返しますが、戸籍は保管期間を過ぎると廃棄されてしまいます。

家系図づくりに興味があるなら、戸籍の取り寄せだけでも早めに済ませておかれることをおすすめします。

江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図 - 橋本 雅幸
江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図 - 橋本 雅幸

江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図

江戸時代の先祖と出会う自分でつくれる200年家系図

  • 作者: 橋本 雅幸
  • 出版社/メーカー: 旬報社
  • 発売日: 2015/02/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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