やたら援助を提案する「善意」の本音は「関わりたくない」だった [生活]
実は16日から東京を離れて、ネットについても心配だったところに来ております。そこで16日から予約投稿をさせていただいておりましたが、テーマもトレンドな話はできないので、今日は自分の生活で経験した話を書かせていただきます。地味な内容です(笑)
私は数年前、火災を経験して困っているどん底の時に、ある人から提訴をされたことがあります。
普通は、訴える側に言い分や利益がなければ、わざわざお金と手間暇と時間をかけて、裁判なんてしないと考えますよね。
でも、世の中にはそれがなくても、訴える人は実際にいます。
つまり、勝訴目的でなく、自分が弁護士費用を散財しても、相手さえ困らせればいいという裁判は実際に多々あります。
というより、民事裁判なんて、賠償支払いの判決が出たとしても、5ちゃんねるの管理人みたいに払わない人もいますし、お金目的というより原告の感情の吐露のような面が大きいと思います。←そもそもそんな裁判をするような吐露自体に道理があるかすら怪しい。
受ける方はたまったものではありませんが、裁判は誰でも起こせる権利があり、いったん起こしたら、答弁書や準備書面を何度もやり取りしなければなりません。
ですから、提訴されれば弁護士を探さなければなりませんし、戦うための知恵をいろいろな人から借りようと、こちらも一応手は尽くすことになります。
なぜか金銭の援助にこだわる会長
そこで、昔、ある学術的任意団体で会長をされていた方に、一言年賀状に書き添える形でご報告しました。
その団体で私は、副会長などのポストで9年間、その会長にお仕えしたことがあるのです。
学術的任意団体と書きましたが、論文査読と入会基準のゆるい、一般の人でも入りやすい学会といったところです。
それはともかくとして、会長からはすぐに電話がかかってきて、詳細を尋ねられました。
そして、火災で大変だろうから金銭的な援助をしたいというのです。
私は、最初は熱心だなあと思いましたが、そういうお願いをした覚えはなく、そこまでしてもらう理由はないので即座にご辞退しました。
ところが、今度は、「裁判費用の援助」をしたいといい、それを断るとさらに「裁判が始まってからの交通費の面倒を見させていただきたい」との電話やメールが来たのです。
私は金銭的な話など全くしていないのに、繰り返し金銭援助させろと「要求」するのは、善意というより、援助することによって何らかのメリットでもあるのかと疑いました。
そこで、カマをかけたというほどではありませんが、少し試すような質問をしたのです。
「和解条件で、先生にご協力いただきたいことが、もし生じたらお願いできますか」
もちろん、現実には、提訴と無関係な第三者にお願いすることなどまずありえません。
ところが、そう尋ねると、それを境に会長からはピタリと連絡も、それまで頼みもしないのに毎月送ってきていた活動の記録も来なくなりました。
それまでしょっちゅうメールも来ていたのに、全くです。
どういうことか。
要するに、会長にとっては、裁判に関わりたくない、ということが何よりも大事なことだったのです。
でも、ただ逃げると自分は「いい人」でなくなってしまうので、体面のためにいくらかの金を払って自分はなにかしたという「善意の人」のポジションだけは確保したい、ということだったようです。
一応、小さな団体でも会長を務めるぐらいなので、学術的にはそれなりに名のある方です。
でも、私のことを少しでも思ってくれるのなら、頼んでもいない金銭的援助の話なんかより、まず裁判について「直接関わるのはご容赦いただきたい」と先に結論を言えばいいじゃないか、と単純な私は考えます。
が、自分からはそう言わずに、金を払うことで感謝された上に、「これだけしていただければ十分です。裁判のことではご迷惑はおかけしません」と私から言わせたかったのです。
そういう狡猾なところのある人だったことを、その時になって思い出しました。
結局自分のことしか考えていなかった
もし立場が逆だったら、私はまず、裁判で協力できることがあるのかないのか、自分は直接関わる気があるのかどうかを明らかにするし、金の援助などは本人から言われなければ、とりあえず切り離して、提案するとしてもそれとは別のこととして失礼のないように言うでしょう。
それが相手に対する礼儀というものです。
その会長は一見親切なようでいて、自分の体面しか考えていなかったわけです。
私は、会長と生涯関わらないことを決めました。
腹蔵あるくせに薄笑いを浮かべて付き合える器用さは、私にはありません。
自己愛の強い人が信用できないと思うのは、こういうことがあるからです。
みなさんなら、どうされますか。
冒頭のイメージ画像
Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash
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つい乗ってしまいそうなところ、よく処理されましたね。
ありそうなお話で参考になりました。
by HOLDON (2020-01-19 09:17)
善意の衣を着ているひとの偽善は醜いものです。
by 風太郎 (2020-01-19 09:47)
その善意を持たれる方へも
責任が波及しかねない様に思わせます。
面倒な方々ですこと、
と言った訳でではまた、
ありがとうございました。
by PopLife (2020-01-19 10:14)
要は自己満か(笑)、居るよね面倒見てやったんだから後は知らん見たいな人。こっちの都合ではなくてめぇの外聞だけ気にする人ってとどのつまり寂しい人なんでしょうねきっと。
by pn (2020-01-19 11:20)
こんにちは。
小さなプライドを保つために「相手さえ困らせればいい」みたいな訴訟?当マンション内でも住人同士で起きています。弁護士費用も大変みたい。また、小生疑い深い人間ではないですが、いっぷくさん同様に不思議に「何か変?」に気づく事あります、特に「善意」に関しては警戒しています。気を付けたいですね!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2020-01-19 12:31)
ただの会社の同僚でしかなかった人が、急接近してきて
色々食材などを買って届けてくれたり、どうしてこの人達は
私にこんなことをしてくれるのだろう?と思っていたら
某宗教団体の勧誘でした。善意の陰には何かあるなと、このこと以降素直に「善意」に向き合えなくなりました。
by marimo (2020-01-19 16:38)
交通事故の案件だけで言えば、裁判は数え切れぬほど経験しました。ですからそれ自体が難しいものだとは思いません。
反対に、何か事あるごとに『裁判を起こす』とか『出るところに出て…』みたいなことを言うひとに対して『いいよ。出ようじゃないか』というと、いきなり要求を取り下げてきて‣‣みたいになることも知っています。
その経験は、父が亡くなった後の相続問題にとても役に立ちました(^^;
by なかちゃん (2020-01-19 18:37)
こんにちは
ウマい話にはウラがあるって
よく言いますもんね。
by gardenwalker (2020-01-19 18:38)
今まで、かなり苦労されたと思います。その大変さは他人のヤマカゼでは計りしりえません。
話は変わりますが本日の夜1時にいっぷくさんのブログにアクセスするとしっつこくウィルス感染していますのメッセージが出ていたのに、たった今18:40過ぎは大丈夫でした。
いったい何が楽しくてこんなことするのでしょうね。
by ヤマカゼ (2020-01-19 18:48)
本題が外れてすみません。大変な時にまた輪をかけて大変だったのですね。
ですがいつまでも人間らしい心を強くもってください。
ヤマカゼの周りでは心が壊れて病院に行かれている身内や友人もいます。
by ヤマカゼ (2020-01-19 18:54)
善意の押し売りは時に本当に嫌悪感を抱きますね。
うちは親戚が多いので、時に困ることが多々あります。
by kou (2020-01-19 19:14)
地味どころか、胃が痛くなる案件でした…
by mau (2020-01-19 23:06)
善意の話をされると、何か「裏」があるのかなと勘ぐってしまいます
by ナベちはる (2020-01-20 00:27)
突然の善意にはやはり何か裏があるものですね(^^;
他人との距離は付かず離れずが良いとは思っていますが、相手が困っている時や助けてほしいと言ってきた場合は手を差し伸べたいとは思います。
by エンジェル (2020-01-20 15:45)
この会長のようなタイプの人物、昨年テレビで何人か取りざたされていましたね。みんな、肩書は会長でしたよ(^^♪
by レインボーゴブリン (2020-01-22 17:33)