企業の雇用体系が大きな変化をしつつあります。トヨタの社長が、終身雇用制の維持はむずかしいと宣言。大企業でも副業を認めるところが出始めました。若い人は就職よりも起業と考える人も増えているようですが、ではその構造を下支えしていた学歴の意義や意味はどうなるのでしょうか。
例によって、ネットのインフルエンサーである、イケハヤさんとマナブさんの動画で比べてみます。
学歴は不要……イケハヤ大学
大学は必要ない、そこでかかる学費で起業でもしろ、という話をしています。
そのイケハヤさんは、県立戸塚高等学校から早稲田大学政治経済学部を卒業しています。
イケハヤさんによると、高校は自分が入る頃は偏差値55だったと自著で述べています。(
なぜ僕は「炎上」を恐れないのか)
常識的に考えれば、少なくとも当時、早慶、なかんずく私立最難関の政治経済学部は、ちょっとむずかしいかもしれません。
ご本人も自著で、一念発起して受験勉強して受かったと述べています。
なぜそこまでして「私立最難関」に入りたかったのか。
自著にはこう書かれています。
人とコミュニケーションが取れなかった少年時代は、ゲームの達人になって「先生」として一目置かれるようにした。
中学時代は父親からパソコンを買ってもらい、サイトをたくさん作って多くのアクセスを得て自信をつけた。
だから大学も、人から敬われる一流大学に入りたかったというのです。
いい大学を出ていることが立派だという、世間の価値観に逆らわずのっかればいい。
同じことを言ったとしても、高卒や三流大卒より説得力が増す、と述べています。
そして、自分の自信、心の拠り所にもなると述べているのです。
ブログで炎上を繰り返してこられたのも、「俺は早稲田の政経を出ているんだ」という自信と説得力からだ、と述べているわけです。
それが、どうして最近の動画では宗旨変えしたのか。
世の中がかわったといいます。
当時はスマホもSNSもなく、そとのひとと出会うことが難しかったから自分で学べなかった。
つまり学校に行くしかなかった。
しかし、今は大学のメリットは代替可能。
アップルもGoogleもネットフリックスも大卒を求めていない。
つまり、時代は大卒にアドバンテージを与えなくなったので、有利な立場とはいえなくなった、受験勉強をして4年間学費と時間をかけるほどの価値がなくなってしまったというのです。
ただ、それは建前で、もしかしたら、早稲田の政経と言ってもあくまで「私立最難関」であって、旧帝大にはかなわないというコンプレックスが、一気に「学歴不要」の価値観まで振り切ってしまったのかもしれません。
あとは、イケハヤさんお得意の、逆張りで炎上狙い(笑)
案の定、ツイッターで叩かれまくってます。
自分はもう大学を出たからそんなことが言えるんだろうという、という意見もずいぶんありますね。
でも、大学を実際に出たからこそ、「大学はそれほどもんじゃないよ」ということも言えるんですけどね。
大学は借金してでも行くべき……マナブログ
一方、多くのネット有名人に注目されている、ネット界最大のトレンド、マナブさんは、『大学に行く意味は「人生の保険」』といい、借金してでも行くことを勧めていますが、ただしFラン(偏差値最下層)大学よりももうちょっといいところを狙え、という動画とツイートを投稿しています。
内容は、結論が、
1.保険として大学に行くべき
2.遊び目的ではなく、在学中に「稼ぐ」など目標をする⇒稼げたら就職しなくていい(起業したらいい)
マナブさん自身が大学に行ってよかったなという点は、
1.新卒カードが使える(大学のブランドが信頼を獲得する)
2.考える時間を持てる(世界旅、企業インターン、留学、サークル、飲み会など経験することで先の人生について考える時間をもてる)
3.選択肢が広がる(応募条件大卒以上に対応できる、大卒と高卒にフィルターがかかり、高卒コミュニティでは大卒の情報が入りづらい)
「無駄」呼ばわりされているモラトリアムの4年間を過ごすことで、そうした企業のフィルターを突破できる、といいます。
また、マナブさんは、よくいわれる「やりたいことあるのなら大学へ行け。やりたいことがないから行かなくていい」という“人生経験豊富そうな大人”のもっともらしいご託宣には、「そりゃないだろう」と大反発しています。
普通、18歳ぐらいで、やりたいことがあるかどうかわからないし、大学に入って探しても見つからなかったし、今でさえ見つかったわけではない。
やりたいことがあれば直球で動く
わかんないから、大学に行くかどうかも迷っている若者に対して、「やりたいこと探せ」とかいい加減なこというな、というわけです。
このへんは、後に書きますが、私の人生経験からみても全くそのとおりだと思います。
マナブさんの話はオーソドックスで、逆張りや炎上がないので、たぶんこのへんが常識的な意見なのだろうと思います。
ちなみに、マナブさんは法政大学で、途中休学して留学しているそうです。
なんだかんだいって、ネットの有名人て、多くは大学、しかもFランではない有名な大学をでてますよね。
学力だけでなく、好奇心と実践力があるんでしょうね。
「よし、有名大学とやらに行って自分の目で確かめてこよう」みたいな感じなんでしょう。
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私の意見
結論から述べると、一概に言えないけれど、何もすることなかったら、頭から否定せず大学は入っておいたらいいのではないか、という感じです。
その人の人生観、学歴観は、その親から刷り込まれたり、「ほしのもと」によってそう思わされたりしているところがあるので、いったんそれを払拭して、人生経験を積む中で自覚的に「自分の人生観・学歴観」ができるまでには相当時間がかかるのです。
マナブさんが言うように、ずっと見つからないかもしれない。
女性は、結婚してから気づくこともあるでしょうね。
そこから大学に入り直したいといっても、事情が許さないこともあるでしょうから、入れるものなら18歳で入っておいたほうがいいということです。
たとえば私は、いったん大学を卒業してから数年後に、学士入学で別の大学に編入学しています。
学士入学というのは、既得単位を認定してもらって、別の大学や学部に途中の学年から入学することです。
でもすぐに胸を患い挫折。
すると、30歳過ぎてから、今度は大学院にチャレンジなど、かなり人生回り道しました。
それは、育った家庭環境が学歴主義だったため、それを払拭した「自分の人生設計」を構築するのに相当苦労し、長い時間や経験を要したからです。
一方妻は、定時制高校⇒通信制高校を卒業後、10年経って大学に入りました。
妻は逆に、教育にあまり熱心ではない育ちで進学が実現できず、コンプレックスを抱えていたので、私が進学を勧めたのです。
毒親とは、過干渉、もしくはネグレクトといわれますが、私達夫婦はその両方のケースで育てられたのでしょう。
それはともかく、大事なことは、自分自身で考えることだと思います。
そのために、イケハヤさんやマナブさんの動画も含め、いろいろな人の生き方、考え方に触れてみるのがいいでしょうね。
あなたはイケハヤ派ですか、マナブ派ですか。
上のイメージ画像
Photo by Aj Alao on Unsplash
学歴フィルター(小学館新書)
大学はおろか高校も行ってない身としては、行けるなら行っておいた方が良いと思うよ。やりたい事とか目指す職業なんてそう簡単に見つからないもんで(^_^;)
by pn (2019-08-02 21:33)
大学、行けるなら行った方が良いかなとは思います。
「できる」ことが多くなれば、今は"使わない"にしても後々で選択肢として他に活かせそうですし…
by ナベちはる (2019-08-03 00:48)
大学に行かなくてもかまわない未来、将来もあるけれど、大学に行かないと開けないドアの付いた未来もあるということはあると思います。
by 足立sunny (2019-08-03 06:50)
おはようございます!
お殿様に仕える日本人の伝統的な仕組み。
それがあって、今日の発展と個人の安定が
ありましたが、この変化について行けるのかな?
by Take-Zee (2019-08-03 07:05)
自分の場合、妻も含めて大卒ではありますが当時何も考えていなかったので最終的には失敗した感じですかね。
反面、息子はやりたい仕事があって進学しましたが、その夢かなわず最終的に地元に戻ってきました。
夢を叶えてやりたかったのと、安堵感が入り交じってますが、大卒で公務員となった息子に何故かホッとしています・・・。
by kou (2019-08-03 07:19)
社会に出ても資格が必要となると、勉強はついて回ってきますね。両者の根底にはやはりやる気がもととなっているのでは。
by ヤマカゼ (2019-08-03 07:23)
終身雇用制では無くなるんですね。
働く者は一層スキルを高める努力をしなければなりませんね。
そのためには大学に入ることも必要でしょうね。
by 斗夢 (2019-08-03 10:06)
私は以前は大学は絶対行く方が得だと思っていました。でも姪っ子が専門学校を出て美容師になり、今楽しそうに働いているのを見て考えが変わりました。やりたい事がはっきりしているなら大学に行かなくてもいいのかなと・・・
ただ、高校卒業時点でやりたい事が分からないのならやはり大学に行った方が良いと思います。今の日本はまだ学歴社会だと思うので。
by エンジェル (2019-08-03 22:58)
敢えてどちらかと言えば…マナブ派になるでしょうか。最近進学高校の事務にパートで勤めていますが、大学に対する考え方もずいぶん変わって来たなと思います。と言うよりも教育の現場自体が本当に変わったなと感じます。
by 扶侶夢 (2019-08-03 23:49)
進路とか考え方にもよるので、
イケハヤさんとマナブさんも、
ひとつの考え方なんでしょうね。
by 犬眉母 (2019-08-05 21:54)