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出生前診断、軽い気持ちで受けるとぶつかる“命の選別”の罪悪

出生前診断、軽い気持ちで受けるとぶつかる“命の選別”の罪悪

出生前診断についての投稿を、FecebookのNHKハートネットが、今月に入って行っています。どういう内容かというと、「何も見つからなければ、安心できる」と出生前検査したところ、染色体異常が発覚。中絶するかどうかに悩んだ末に中絶した人もいるので、中絶後のケアが大事という話です。

う~ん。

結論から書くと、正直、しっくりこない話でした。








昨今話題になっていますが、みなさんは、どう考えられていますか、

出生前診断。

染色体異常児の誕生を、事前に阻止できて万々歳じゃないか、と障碍者嫌いの方々は思われますか。

実は、そんな単純なものではない、というのが私がこれから書くことです。

しっくりこない3つの問題


FecebookのNHKハートネット投稿については、どうして「しっくりこない」かというと、3つの問題があるからです。

出生前診断の使い方


そもそも出生前検査に限らず、検査というのは、何かを見つけるためのものです。しかも、それは100%の確度ではないのです。

ですから、検査結果で生むかどうかの結論を出す、などといういいかげんな人生設計の人が検査するのは大変危険だと思います。

冒頭の動画にあるように、中絶そのもので悩むでしょう。

それ以外には、たとえば、出生前診断の誤診で「想定外」のお子さんが生まれたとしましょう。

障害児として生まれても、人間らしい心があれば子に愛情は注げるのです。

でも、そうであればあるほど、いったんはその子を始末しようとした自分を許せなくなるときもあるでしょう。

後々自分を追い込んでいくような検査を、深い考えもなしに手を出すな、ということです。

中絶という選択の問題


動画で言うケアも結構ですが、その前に検査結果で中絶という選択自体おかしいんじゃないか、と思います。

といっても、別に私は、特定の宗教を信仰していないので、中絶そのものを否定という議論をしたいのではありません。

そうではなくて、妊娠⇒出産という営みは障害児を授かる確率がゼロではない、という大前提と向き合わずに勝手に子供を作って、気に入らなかったらおろせばいいやという了見を容認することができないのです。

出生前診断とは、「赤ちゃんの状態を知ることで、妊婦さんや赤ちゃんの体を守り、それぞれの状況にあった準備をしていくため」の検査です。

決して、中絶をするための検査ではないのです。

私は、ここに中絶をする人の根本的な認識の誤りがあると思います。

生まれてくる赤ちゃんは五体満足が当たり前、障害があったら失敗、という考えは誤りです。

出生前診断でわかる障害などごく一部に過ぎない


出生前診断でわかる障害などごく一部に過ぎないのに、それで生むべきかどうかを結論付ける小賢しい判断が果たしてどれだけ有効なのか、という疑問です。

たとえば、発達障害は出生前診断ではわかりません。

障害がなく生まれても、免疫の出来上がっていない乳幼児のときに、後遺症の残る病気やケガをするかもしれません。

交通事故や、火災や、プールや海の溺水事故にあって中途障害になるかもしれません。

あなたの大事なお子さんやお孫さんが、今元気でも、明日障碍者になる確率はゼロではないということです。

私もそうでした。

8年前のある日、いつものように普通に朝が始まり、昼になり、夕方になり、夜になりかけた時、取り返しのつかない数分の火災で、家も、家族の健康も、将来の生活設計も、それまで積み重ねてきた何もかもを私は失ってしまいました。

成人のあなただって、明日脳卒中になって、障害者手帳をいただくかもしれませんよ。

障碍がなく生まれても早逝する人もいれば、(ダウン症や重度脳性麻痺含む)障碍があっても、私がこれまでこのブログでご紹介してきたように、自己実現して、人生をいきいきと全うされる人もいるのです。

私は、この経験と見聞から、人間の小賢しい判断など、未来には何の意味もないということがわかりました。

人生なんて、なるようにしかならない。

さすれば、生きとし生けるものは、生きることだけ考えていればいいのだという結論に至りました。

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まとめ


繰り返しますが、中絶という行為自体を叱り飛ばすものではありません。

そうではなくて、出生前診断の診断が出てから中絶かどうかを決めるのが違うと思う、という話です。

妊娠出産はそもそも、母体も胎児も命がけであり、かつ障害のある赤ちゃんを生む可能性のある営みなんだ、ということを子作りの前にしっかりと認識しておいてほしい、ということです。

冒頭のイメージ画像
Free-PhotosによるPixabayからの画像

選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子
選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子

出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来 (朝日新書)

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コメント 13

ナベちはる

出生前診断、「酷なことを診断されたときに対応できるか」までは考えずに受ける人が多いのですね…

「まさか自分は該当しないだろう」と思っているところもあるかもしれませんね。
by ナベちはる (2019-07-18 00:50) 

pn

障碍があるかもって分かって中絶しちゃう人は子供は自分の老後の財布的な考えしか無い人なんじゃないかなー?
あるかもって時点で金かかる結婚できないそうなると自分の老後が不安、んじゃ作り直そうみたいな。
子供はプラモとかじゃないんだよ、あんたらの為に生きてるんじゃないと言いたい。
by pn (2019-07-18 06:19) 

Rinko

三女を妊娠中の頃、ちょうど出始めていたと記憶しています。30代後半での妊娠だったので、やってみようか・・・と一瞬考えましたが、結果を見てどうする?という思いで結局やりませんでした。どんな子でも我が子です。
by Rinko (2019-07-18 08:05) 

足立sunny

ダウン症の原因が染色体異常と特定されてその確率がこれこれと公表されている今ですと、ダウン症に限定するわけではないですが健常な子供が生まれ難い医学的判断が下される場合、「出生前診断で中絶」という選択肢を誰もとがめられないのでは、と思う次第で。
これを選択するかしないかは個人の問題で、出生前診断での中絶によって断たれた命は、そういう命だと思うしかないのでは。
by 足立sunny (2019-07-18 09:42) 

斗夢

こどもが生まれるということ。
親戚に産科医がいました、今は天国。
彼が云っていました。
こどもを生むということは病気ではない。自然のこと。
なにか問題があれば死産や早産がある。
医学の進歩で何が何でも産ませようとはしていないか。
by 斗夢 (2019-07-18 10:22) 

Take-Zee

こんにちは!
こういうのは、難しい問題です。

by Take-Zee (2019-07-18 12:19) 

サボテン

 いっぷくさんの意見に大賛成です。
 人間には、「知らなくていいもの」や「知るべきではないもの」があると思っています。科学技術が進むと、科学者には知りうるものはすべてつまびらかにしないと気が済まないという欲求が出て来るように見えます。「知ってどうする」を問わず、やみくものに知ろうとする姿勢は、やがて遺伝子診断で自分の命日を明らかにされて、初めて後悔する事になるのでしょう。
 子供は授かりもの(所有物)ではなく、神様からの「預かりもの」と考えれば、なすべき事に全力を尽くし、大切に扱うしかありません。子育ての工夫は親の生きがいとなり、そこに楽しみも生まれ、やがては老後の安心につながっていくと信じています。
 私の勤務校の生徒を見ていても、感動や笑い、勇気など、どんな生徒からも得るものがあります。障碍を抱えた子であれば、さらにそれはひとしおかと思われます。何事につけても、未来を楽しみに待つという姿勢が、一番だと感じます。
by サボテン (2019-07-18 16:55) 

なかちゃん

ボクたちの頃(長男33歳~三男28歳)にはあったのでしようか?分かりませんが、お腹の子の性別さえも『絶対に聞かないでほしい。医者がしゃべろうとしたら耳を塞いできてくれ…』とカミさんに言ってたほどなので、きっと検査も受けなかったんじゃないかな?
ただ、選択肢がなかっただけなので自信を持って言うことは出来ませんが(^^;

by なかちゃん (2019-07-18 18:04) 

ヨッシーパパ

出生前診断もまだ始まって数年ですから、いろいろと議論が出るのが当然でしょう。
様々な方の立場もあるでしょうから、まだまだ議論をして、倫理的に高めていくことが出来る様になると、良い斗思います。
by ヨッシーパパ (2019-07-18 18:23) 

skeptics

一般論ですが、大事なのは「選別」ではなく「サポート」だと思います。
しょうがい者の関係者の方が、そう声を上げないのが不思議です。
by skeptics (2019-07-18 19:26) 

さうざんバー

遅くなりましたが…。
統計的に障碍者は0.2%必ず産まれます。出生前診断で異常がなくとも、障碍者は産まれます。
出生前診断の本来の目的をもう一度見直すことが大切では無いかと思っています。
日本は中絶大国です。中絶が悪いことだと断罪するつもりはありませんが、中絶をしなくても良い環境になれば良いなといつも思っています。

by さうざんバー (2019-07-18 22:03) 

coco030705

ほんとうにしっくりこない問題ですね。
ある有名な生物学者の人が、人の胎児をしらべたとき、どこからが人間なのか、どこまでが人間じゃないのかはわからないとおっしゃっていました。なぜなら、一度受精すると胎児は連続して育っていくのだから、区切ることはできないそうです。宿った命を消してしまうことは止めてほしいですね。
by coco030705 (2019-07-18 22:22) 

SGW

遺伝カウンセラーによるカウンセリングでメリット、デメリットについて十分な説明を受けて、納得して同意してから検査を実施すること。遺伝性疾患の家族歴がある場合は、慎重に行われていますが、そうでない場合は安易に行っているケースも少なくないようです。
by SGW (2019-07-19 12:31) 

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