石原裕次郎、戦後を代表する映画スターも弔い上げの33回忌に [懐かし映画・ドラマ]
石原裕次郎さん(いしはらゆうじろう、1934年12月28日~1987年7月17日)の33回忌です。弔い上げということで、石原プロモーションの今後についても一部では取り沙汰されています。石原裕次郎ファンからすれば、また別の評価はあると思いますが、私の好きな作品はやはり『青春とはなんだ』です。(画像はGoogle検索画面より)
三船敏郎、高倉健、そして石原裕次郎など、戦後を代表する映画スターには共通のエピソードがあります。
それは、エキストラなど末端の演者に対してもきちんと挨拶をして腰が低い、ということです。
とくに石原裕次郎は、必ずたって挨拶をして握手をしたといいます。
それは、スターを美化する作られた伝説かもしれませんが、かりに真実だとしても、三船敏郎や高倉健と、石原裕次郎の場合、少し意味が違うのかな、という気がしました。
もちろん、あくまで憶測ですが、三船敏郎や高倉健は、それぞれ東宝、東映のニューフェース出身で、生粋の映画人。そういう教育も受けていることから、生真面目さや、社会人としてのたしなみ、見識からそうさせるのかなという気がします。
一方の石原裕次郎は、同じ目線で付き合う同志であることが至極当然であるという、青春映画そのままのメンタリティーだったのではないかと思います。
石原プロお得意の炊き出しなどは、まさにそのあらわれだったのでしょう。
青春とはなんだ
『青春とはなんだ』(1965年、日活)は、石原慎太郎原作、石原裕次郎主演の青春学園ストーリーです。
同じ年に、東宝が夏木陽介を主演にテレビドラマを作っていますが、作品としては、ハイソで明るく楽しい東宝と、荒削りなバイタリティを感じる日活の違いが出ているように思いました。
アメリカ帰りの野々村健介(石原裕次郎)は、田舎の高校に英語教師として赴任。
背中にある斜めに切られ傷跡を見た駅員(上田吉二郎)はびっくりします。
高校では、外に出て「青空教室」を開いて恋愛談義に花を咲かせ、ガリ勉優等生(太田博之、西尾三枝子)がそれをボイコットしても処罰しない型破り教師です。
ラグビー部の部長になって、いわゆる落ちこぼれや不良を鍛えますが、練習の監督だけでなく、他校とのイザコザで退学になった不良グループのリーダーの名誉を回復したり、野球部との対立を暴力を使わず我慢することを説いたり、家庭の事情で学校に行けない女子生徒へのカンパ運動を行ったりと活躍。
高校には明るさが見えてきた、という話です。
そして、ラストシーンでは同僚女教師(十朱幸代)から思いを打ち明けられるというハッピーエンドでした。
同作は、夏目漱石の『坊っちゃん』のリメイクという見方もあるのですが、『坊っちゃん』は、松山の閉鎖的な文化や人間関係とのあつれきを描いており、温泉と天ぷらそばとヤマアラシ以外は敵で、40円の俸給でも最後は退職。
東京に帰って25円の俸給で、理科大まで出たのに専門とは言えない「街鉄(今の都営地下鉄)の技手」になってきよと暮らします。
一方、『青春とはなんだ』は、地元の土建会社と教頭の癒着にも踏みこんで解決しており、何よりも生徒が味方で、前近代的な地方に赴任して、学校内外を改革していく正義の味方として描かれています。
この頃の石原裕次郎は、タッパがあって脚も長くて、昔の教育現場でしかも日活なのに、意外にも体罰シーンが一切なく、非常に清々しい映画です。
弟
何で俺がこんなものを、こんな所で見させられて、泣かなきゃいけないのか
— ニッカンエンタメ・プレミアム (@nikkan_entame) 2018年12月26日
https://t.co/UNeVP9uEeT#石原慎太郎 #石原裕次郎 #弟 #テレビ朝日 #渡哲也
『弟』(2004年11月17日~21日の5夜連続、テレビ朝日)は、やはり石原慎太郎原作の、石原裕次郎の生涯を描いたノンフィクション小説をテレビドラマ化したものです。
子供のいない裕次郎(三浦友和)が、病気の見舞いに来た慎太郎の次男の良純(木村昇)に「うちの子になれ」といったのですが、あっさり断られて寂しそうにしているシーンが印象的でした。
三浦友和の演技が、石原裕次郎の特徴をよくつかんでいて泣かせるのです。
三浦友和がデビューした頃は、失礼ながら大根というより木偶の坊といった感じの役者でしたが、ああ、こんなに巧くなったんだ、さすが紫綬褒章を受章するまでになっただけのことはあるな、と感心してしまいました。
ケガや病気に苦しんだ一生
一方、石原裕次郎は「ケガや病気に苦しんだ一生」(Wikiより)でしたが、ケガはともかくとして病気の方は、
もともと肝臓が悪かった
チェーンスモーカーであった
酒豪であった
といった因子があり、舌がんや肝臓がんなどは、因果関係を疑われるものです。
肺結核も経験していたそうですが、私の経験では、肺結核罹患後は、受動煙、副流煙なども受け付けなくなりました。
石原裕次郎さんは罹患後も生涯喫煙者だったようですが、太く短く生きることはご自身の中にもしかしたら覚悟があったのかもしれませんね。
石原裕次郎作品、印象に残るものはなんですか。
青春とはなんだ [VHS]
弟 (幻冬舎文庫)
石原裕次郎シアター DVDコレクション 63号 『青春とはなんだ』 [分冊百科]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2019/11/28
- メディア: 雑誌
太陽にほえろ!で病後一瞬だけ?復帰した時、若い女の子の取り調べだったかなー、タバコ吸っちゃうんだよ。で、アドリブなのか分からないけど「本当は吸っちゃいけないんだ」みたいな事言うんだけど確かそれがボスとしてのラストシーンだったはず。おぼろげの記憶なので何とも言えませんが印象深すぎるシーンになりました。
by pn (2019-07-16 23:35)
やはり、太陽にほえろ!でしょうか。
by 犬眉母 (2019-07-17 00:25)
20代の私でも名前を聞いたことがあるほどのスーパースター、もう33回忌なんですね…
by ナベちはる (2019-07-17 00:27)
石渡哲也さんも腰が低い方だと聞いてました。やはり偉大な方々は違いますね。
by ヤマカゼ (2019-07-17 06:03)
小樽市の裕次郎記念館に行ったことがあります。
でも年月が過ぎて流石に閉館しましたね。
三船敏郎や高倉健に石原裕次郎など良い役者が居ましたね。
by 旅爺さん (2019-07-17 06:46)
もう33回忌になるんですね。
腰の低い方だったとは知りませんでした。イメージが変わってきました。
by Rinko (2019-07-17 08:07)
こんにちは!
裕次郎さんも亡くなって33年ですか?
早いな・・
by Take-Zee (2019-07-17 14:56)
裕次郎さんの「青春とはなんだ」があったのですね、ドラマ夏木陽介さんのものしか知りませんでした。
「弟」は、テレビドラマで、長瀬智也さんと徳重聡さんが演じていた記憶があります。
あのドラマ、もう一度みてみたいです。
by わたし (2019-07-17 16:58)
格好良かったですね。
by ヨッシーパパ (2019-07-17 18:45)