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知的障害の連れ子をキーパーソンにして家庭がひとつになった話 [障害者]

知的障害の連れ子をキーパーソンにして家庭がひとつになった話

あなたが再婚(結婚)するとして、相手の子に知的な障害があったらどうしますか。今日も、連れ子の2歳児を殺してしまったニュースがありましたが、6月1日にFacebookに投稿された、NHK番組の動画ダイジェスト『NHK 1.5チャンネル』の“神様の弟子と暮らす”をシェアします。



この動画の方は、2013年に第48回NHK障害福祉賞・最優秀賞をとった方です。

50歳目前で再婚した三上洋子さん。

再婚相手には4人の子ども。



そのうちの1人が、知的障害のある麻衣さん。

夫・慎二さんは当初、三上洋子さんに麻衣さんのことを話せずにいたそうです。

「小さい時から一緒にいて、大変さをわかっていますんで……。それをお願いしますというのに勇気がいりますよね」(夫)

洋子さんは、麻衣さんの存在を知り、同居し、世話をしていくことを決意。

自分の2人の娘と、合わせて6人の母になりました。

環境の変化で不安定だった麻衣さんに、最初は何度も引っかかれたそうです。

家事やほかの子どもたちの世話などもあり、雑事に追われると苛立って、「なんでトイレに行かないの?なんでできないの?」と、涙ながらお尻を叩いたこともあったとか。

そして、仏壇で麻衣さんの母親に謝罪。

しかし、覚悟して取り組んだケアが、次第に三上洋子さん自身を変えていきました。

押さえつけていた歯磨きは、「きれいになるよ」「かわいいよ」と声をかけると、素直に笑いながら口を開けるようになったとか。

今では、「うー」という一言でも、麻衣さんの気持ちを理解できるようになったそうです。

こういうことは教科書に書いていないので、自分の経験で身につけていくことなんです。

麻衣さんを中心に、大家族はまとまっていきました。

コメント


コメントをいくつか引用します。

>この女性、、偉いよ。。

>無理無くディサービス使いながら健やかに暮らしていきましょ。

>私にはできない。血の繋がった子だけでも大変なのに。素晴らしい方。

>自分の苦労なんてゴミみたいなもんだな。

>亡くなられたお母さんが喜んでますね。悲観の多い世の中ですが、幸せな気持ちにさせてもらいました 尊い事ですね

>本当に、真似できない素晴らしいお母さんです??最初から分かっている事なのに、ふみきられた??なかなか出来る事ではありません。ご主人様も、心から感謝されていると思います。殺人や事故が多発している昨今、心温まる画像でした。ありがとうございました。

などが主なコメントです。

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本人不在ではどんなに熱心でも受け入れられない


思うに、お互い連れ子ありの再婚だからできた、というよりやらなければならなかった、という気がします。

つまり、知的な障害のある相手の子どもだからこそ、新しい家庭のキーパーソンにしたのでしょう。

この子とうまくやっていけることで、新しい家庭がまとまる、という感じですね。

あと、三上洋子さんは、自分が試されるときだと思ったんでしょうね。

というのも、知的な障害のある人は、素朴というか、わかりやすく陰険ではないのです。

それで、相手の機嫌や狙いもわかって、それに対して直截な反応をするのです。

いくら熱心にお世話をしているようでも、自分の都合や感情が先立ち、相手不在だと、決して言うことを聞かずに、ひっかいたり拒絶したりするのです。

それに対して、自分が見透かされたと素直に認めずに、「なぜ言うことを聞かないんだ」と我を通すと、結局その身勝手な怒りは虐待に向くのです。

これ、知的な障害の人に限らないでしょう。

実は子育て全般、そういうものですよね。

勉強になりました。

知的障害のある子を育てた母の障害観――ICF による質的分析から
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知的障害・発達障害のある人への合理的配慮

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  • 出版社/メーカー: かもがわ出版
  • 発売日: 2015/02/25
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コメント 13

犬眉母

嘘や誤魔かしは通らないんですね。
その人が本物かどうかが問われますね。
by 犬眉母 (2019-06-08 02:46) 

pn

介護はされる側に立ってって事ですね、確かに対人関係全てに当てはまる。
by pn (2019-06-08 06:23) 

末尾ルコ(アルベール)

知的障害の連れ子をキーパーソンにして家庭がひとつになった話・・・素晴らしいお話です。とりわけ現在のわたしの心には深く沁み込んできます。「現状」をどう捉え、そこからどのように「いい方向」を志すか・・・その大きなヒントを与えていただけた。そのような気持ちになりました。

>雑事に追われると苛立って

このような状態は、できるだけ避けようとは心しておりますが、何日かに一度くらいはどうしてもあります。もちろんわたしが母に手を上げたりすることは絶対にありえませんが、(こうしてほしいのに)と思っていることをやってくれないと、(なんで?)とつい声が荒くなってしまいます。そして直後に、(あんな言い方しなければよかった)と後悔してしまうのです。しかし、これではいけません。もっと人間として強くなれねばと、特に最近は痛感しております。

>覚悟して取り組んだケアが、次第に三上洋子さん自身を変えていきました

本当に素晴らしい。「苦労」というものが人間を磨くことはよく言われてきましたが、とりわけ、「愛情を伴った苦労」というものは苦労する人間にとっても幸福な時間なのかもしれませんね。もちろん書くこと、言うことは簡単で、そうそう簡単に「幸福」なんていう言葉を使ってはいけないのでしょうが、それほどまでに愛情を注ぐことのできる対象が人生の中に存在してくれるということでもありますからね。

>相手の機嫌や狙いもわかって

すごいことですよね。相手の社会的地位や、もちろん収入など一切関係ない。「人間そのもの」を見ることができるのですからね。

・・・

>かなり丁寧に行った上で退院しています。

これはもう、高知赤十字病院も現在のA病院も実にお粗末です。両病院ともにしっかりとした説明がまったくありません。その時々やっている治療や投薬の内容も、こちらから尋ねない限り説明はしないですね。この辺りはどうなのでしょう、高知という地方都市だからというのもあるかもしれないと、嫌なことですが想像してしまいます。現実的なお話、わたしの母もそうなのですが、高知には医学的なことをいろいろ説明しても理解できない患者が多いです。医療側に、(説明しても、どうせ分からないから)という侮りがまったくないとは言えない気がします。

>患者ご本人の利益になりませんから

確かにその通りですね。何度か書かせていただいておりますように、正直なところ、不全骨折と診断された段階で大きく動転してしまいましたので乱暴な文章になっておりました。今夜の記事辺りからは少しずつ変わっていくと思います。まあ書くことで少しでも内心の葛藤を和らげるということもありました。

ちょっと余談(何の余談だったのかよく分からなくなりましたが 笑)ですが、わたしは以前アロマテラピー講座を受けていたのですが、そこの講師がどんどん怪しげな方向へ進み出して呆れてしまったことがあります。例えば、「ユダヤ数秘術カバラ講座」を始めたりとか。もちろんこれは宗教史的にはとても興味深いのですが、(なんで今の日本で、しかもアロマ講師がこれを教えられるんだ)と鼻白んだものです。  RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-06-08 07:01) 

もーもー

母性本能です
昔から  生まれ育って備わって来てた
母性本能が  奮い立たせてくれる
それが  今の子達には 備わって来てない
普通の子でも 育て上げられない
自分が一番になってしまっているのです
そんな  社会に  してしまっているのが人間です
人間の本能が 壊れたのです
by もーもー (2019-06-08 08:32) 

starwars2015

相手(夫)だけでなく、相手の子どもも愛するっていう博い愛だからできるんでしょうね。
こういう愛の形もあるんですね。これが母性というものなんでしょうか。

自分の子どもがほしいといって、24才年上の女性と別れた男もいましたが。
by starwars2015 (2019-06-08 12:06) 

Nobuzo

良いお話をありがとうございます。
by Nobuzo (2019-06-08 13:26) 

ヤマカゼ

やはり子供育てるなは並々ならぬ苦労があるのですね。立派な方です。
by ヤマカゼ (2019-06-08 14:38) 

なかちゃん

仰る通り、それが子育て全般なのだと思います。
自分の想いは誰しもあると思いますが、それを子どもに押しつけてはならないと思います。
ボクは自分で、『お前(ボクのこと)は親の期待にの通りに育つ努力をしたのか?』と問いかけることにして、押しつけたい気持ちを抑えることが出来ました(^^;

by なかちゃん (2019-06-08 20:41) 

エンジェル

とても素敵なお話ですね(*^-^)
やはり基本は夫婦がお互いに愛し合っていれば相手の事を思いやり、その肉親であれば同じように愛せるのではないでしょうか?愛する連れ合いの家族であれば愛情を持って接する事が出来るように思います。それは障害者だけでなく年老いた両親がいる相手でも同じ事ではないでしょうか?
by エンジェル (2019-06-08 22:08) 

kou

知り合いに障害を持ったお子さんがいる方が数人おりますが、離婚をされたた方が多いです。
でも、この記事で癒やされました。
by kou (2019-06-08 22:24) 

ナベちはる

相手の連れ子も自分の子供同様に接すること、それだけでも大変だと思うのですが…凄い方ですね。
by ナベちはる (2019-06-09 01:16) 

扶侶夢

>スーパーの駐車場なら、勢いよくピョンと降りる。ちゃっかりしているなぁと思わず私も笑ってしまう。
苦笑い出来る生活なら“受け入れる愛情”に溢れていますね。
「あら、ずるいわねぇ」「チャッカリしてるわねぇ」…っていう事は考えて生きている訳だから知的レベルで障害なんかじゃ無いじゃない。微笑みや苦笑い、笑顔の伝える本当の意味をより敏感に障害のある相手は感じ取っていると思います。
by 扶侶夢 (2019-06-09 02:21) 

そらへい

自分も成長して行かれたんでしょうね。
by そらへい (2019-06-09 22:55) 

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