SSブログ

小池清の『アップダウンクイズ』は高度経済成長時代のクイズ番組 [懐かし映画・ドラマ]

201904280128.png

小池清さん(1931年8月10日~2012年4月28日)の命日です。毎日放送のアナウンサーだった小池清さんといえば、1960~70年代のクイズ番組のパイオニア『アップダウンクイズ』の司会者としておなじみです。『アップダウンクイズ』を中心にクイズ番組を思い出してみます。



アップダウンクイズとは


アップダウンクイズ(1963年10月6日~1985年10月6日、毎日放送)とは、毎週日曜日19:00~19:30に放送されていた、昭和のクイズ番組です。

ツイッターを検索すると、今もアップダウンクイズ関連のツイートがぞろぞろ出てきます。

視聴者の記憶に残る番組だったんですね。

解答者6名が、ゴンドラの解答席に乗り、早押しクイズに挑戦。

クイズに正解するとゴンドラが1段ずつ上昇し、10問正解するとハワイ旅行と賞金が贈られました。

10問正解
https://blog.goo.ne.jp/shiburou2000/e/4123f104510a798b6a86d473c4002007 より

正解すると1段ずつあがるのですが、誤答するとゴンドラが一気に0に戻りました。

信用は積み上げるのは大変だけれど、失うのはあっけない、という世の荒波の厳しさを象徴しているルールでした。



シンプルなルールなので、子どもにもわかりやすいのがよかったですね。

昨今のクイズ番組のように、ボーナスクイズなどはないので、ずっーと劣勢だった人が、最後の1分で逆転なんていうどんでん返しは絶対にありません。

コツコツと正解を積み上げた人だけがゴールに近づけるという、高度経済成長時代らしいオーソドックスなコンセプトです。

さらにのべれば、昨今の芸能人参加のクイズ番組には、出場者の学歴が大卒の場合いちいち出身大学が名前の下に表示され続けるものがあります。

学歴を弄りたいのか、説得力をもたせたいのかわかりませんが、いずれにしても学歴という権威に依存のそしりは免れません。

アップダウンクイズはそのような“バックグラウンド”の披露もなく、正解したかどうかだけが問われる「実力」本位の構成でした。

司会は、毎日放送アナウンサー(当時)の小池清。

小池清
https://twitter.com/hashtag/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%BA より

クイズの出題者は、やはり局アナの佐々木美絵でした。

佐々木美絵
http://takeshiquiz.jugem.jp/?eid=115 より

子供の頃、吉永小百合に似てるなあと思いました。

でも正直なところ、吉永小百合よりも佐々木美絵の方が子ども心にはときめきましたけどね。

ネットチェンジ番組


それがいいことかどうかは別として、日本のマスコミは、全国紙を発行する新聞社とテレビ局が、相互に連携したり系列化したりしています。

たとえば、朝日新聞とテレビ朝日は資本の関係があり、テレビ朝日系(ANN)には大阪の朝日放送(ABC)が参加しています。

それが、1975年3月までは、大阪の特殊事情から、朝日新聞社と関わりの深いANNに毎日放送(MBS)が、毎日新聞と関わりの深いJNNに朝日放送(ABC)が参加。

同年4月に、その「ねじれ」が解消されました。

そのため、東京の『アップダウンクイズ』は、1975年3月までは10チャンネル(当時のNET⇒テレビ朝日)で放送されていたのですが、1975年以降は6チャンネル(当時のTBS)になりました。

この「ねじれ解消」によって、番組によっては放送する時間帯や競合番組がかわってしまい、それまで安定した数字をとっていた人気番組が、急に視聴率を落として終了する事態もありました。

たとえば、夢路いとし・喜味こいしが司会をする『グリコがっちり買いまショウ』というそれまで12年も放送されていた毎日放送の人気番組がありました。

グリコがっちり買いまショウ
https://blogs.yahoo.co.jp/yhmatyami2/24029074.html より

NET(⇒テレビ朝日)のネット時代は、やはりNETの人気番組『大正テレビ寄席』の後の枠で放送されており、『大正テレビ寄席』の視聴者が引き続きテレビを付けてくれて、“お流れ”で『グリコがっちり買いまショウ』も見てくれるという、居心地のいい枠だったのです。

ところが、「ねじれ解消」によって、『グリコがっちり買いまショウ』はTBSにうつったときは、何と『大正テレビ寄席』と同じ時間帯に放送されることになりました。

その結果、『グリコがっちり買いまショウ』は移行後は『大正テレビ寄席』に惨敗。

あっという間に打ち切りとなってしまったのです。

政党の離合集散で、それまで無風選挙区だったベテラン議員が、急に強い相手とぶつかって落選するようなものです。

ただ、今にして思うと、テレビ界は新陳代謝のために、「ねじれ解消」時にわざと古い番組同士を競合させ淘汰したのかもしれません。

その意味で、1975年というのは、TV番組史上番組編成上エポックメイキングな年だったと思います。

しかし、『アップダウンクイズ』は、10⇒6と、たんなる放送チャンネルの変更で同じ時間に引き続き放送されたので、ほぼ同じ視聴率を維持したまま、以後も番組が続行して長寿番組になりました。

運が良かったのか、局が大事にしてくれたのかわかりませんが、今も多くの人がアップダウンクイズを覚えているのは、長寿番組だったことも大きな理由だと思います。

スポンサーリンク↓

昭和のクイズ番組は総じてシンプルだった


だいぶ前ですが、Gooが、「思い出に残る懐かしのクイズ番組ランキング 1位から10位」というランキングを「gooリサーチ」のモニターアンケートで集計しています。


その結果は、

  1. なるほど!ザ・ワールド
  2. クイズダービー
  3. アメリカ横断ウルトラクイズ
  4. クイズ100人に聞きました
  5. たけし・逸見の平成教育委員会
  6. マジカル頭脳パワー!!
  7. 連想ゲーム
  8. 世界まるごとHOWマッチ!!
  9. クイズタイムショック(司会が田宮二郎⇒山口崇)
  10. クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!

連想ゲームとクイズタイムショック以外は、古いものでも1980年代以降のショーアップされた番組ばかりです。

個人的には、アップダウンクイズのような、もっとシンプルなルールの番組のほうが、楽しめたように思います。

私が思い出した、昭和のクイズ番組ベスト10です。

  1. アップダウンクイズ
  2. クイズタイムショック
  3. パネルクイズアタック25
  4. クイズグランプリ
  5. ダイビングクイズ
  6. ベルトクイズQ&Q
  7. がっちり買いまショウ
  8. 目方でドーン!
  9. クイズダービー
  10. うそつきクイズ


さて、この中で、みなさんはいくつぐらいご存知ですか。

昭和バラエティ番組の時代
昭和バラエティ番組の時代

昭和のTVバラエティ

昭和のTVバラエティ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 1989/12
  • メディア: 大型本


nice!(205)  コメント(12) 
共通テーマ:テレビ

nice! 205

コメント 12

末尾ルコ(アルベール)

小池清の『アップダウンクイズ』は高度経済成長時代のクイズ番組・・・この番組は観ていたのですが、そんなにいつもという感じではなかったので、気が向いた時に・・・というところだったのだと思います。確かにこのようなオーソドックスなクイズ番組、今だからこそまた観たくなりますね。今のクイズ番組はいろんな意味で、「五月蠅過ぎる」のです。演出も五月蠅いし、画面も極めて五月蠅い。おっしゃるように、出演者の学歴や経歴を強調するのにも辟易です。解答者がクイズのみで勝負する、番組もクイズのみで勝負する・・・そんなクイズ番組ならまた観たいですね。
ただ、司会者のお名前などはまったく記憶にありませんでした。こうしてお写真を拝見させていただけば、(ああ、こんな人だったなあ)と朧げに思い出します。このようなタイプの司会者も、今となっては逆に新鮮ですね。
印象に残っているクイズ番組といえば、どうしても大橋巨泉物が頭に浮かびます。『クイズダービー』や『世界まるごとハウマッチ』ですね。あと、『世界不思議発見』も観ていたのですが、ずっと前からまったく観ておりません。これはまだ続いていますよね。それもびっくりしてしまいます。これら番組のはらたいらや黒柳徹子らに対しては、(いくらなんでも、当たり過ぎだろ)と疑惑の眼では見ておりました。
『アップダウンクイズ』の様々なエピソードについては初めて知りました。大人気番組ならではのエピソードであり、こうしたオーソドックスなクイズ番組が大人気だった時代をも感じさせていただけます。


差額ベッド代はかからない部屋です。この点は助かっておりますが、食費が案外かかりますね。「一食460円」で、かなり残してますから、けっこうきついです。
どんな部屋がいいかは人によって違うと思いますが、母の場合は個室で長期間いるのはあまりよくないようです。まだ椅子へ座れまなせんので、横になった状態で本を読む習慣もないし、テレビへの関心もさほど無いようですし、看護士さん相手に軽口叩いたりするくらいしかやることないのですよね。大部屋なら母に対する用事以外でも看護士さんのデイルがありますので、気が紛れる機会は多いと思います。

要介護認定は2~3か月掛かると聞かされております。「すぐに出ない」もの手多いですよね。今回のコルセット代も保険で大部分が返って来るとはいえ、それも2~3か月後と聞かされております。今この瞬間の「6万円弱」がすごぶる痛いのに(笑)。転院もしたし、5~6月は本当に財政が火の車になりそうですので、抜本的改革をと、いつも言っておりますが(笑)、「この度こそは」ということで行くつもりでございます。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-04-28 04:37) 

kou

アップダウンクイズは覚えていますが、司会者や内容はすっかり記憶が消えています。
あまり好きな番組ではなかったのかな・・・。
by kou (2019-04-28 07:39) 

pn

こうみると今でもときめく佐々木美絵(^^♪
番組見てた記憶はあるけどこの娘居たっけ?
by pn (2019-04-28 09:14) 

kohtyan

女性アナウンサーは、吉永小百合にそっくりですね。
この番組はリニューアルすれば、今でも通用するのでは
ないでしょうか。
by kohtyan (2019-04-28 11:22) 

犬眉母

信用は積み上げるのは大変だけれど、失うのはあっけない

そんな深い教訓があったのですか。
うそつきクイズって、すごいタイトルですね。
by 犬眉母 (2019-04-28 14:50) 

Take-Zee

こんにちは!
そう言えばこんな番組もありましたね~!
すっかり忘れていましたがとても懐かしいです。

by Take-Zee (2019-04-28 16:45) 

ヨッシーパパ

そんな番組がありましたね。
ただ、そんなに、熱中してみていなかった様で、可愛らしいアシスタントや、ルールまで覚えていませんでした。
by ヨッシーパパ (2019-04-28 18:17) 

ヤマカゼ

ありましたね。局アナさん、自分が見ても吉永小百合さんに似てると思います。
by ヤマカゼ (2019-04-28 19:28) 

ナベちはる

>信用は積み上げるのは大変だけれど、失うのはあっけない
今でも通じることですね。
クイズ番組とはいえ、考えさせられます。
by ナベちはる (2019-04-29 01:08) 

そらへい

「アップダウンクイズ」も「がっちり買いましょう」も
よく見ていましたね。
私の中では、司会者が少しごっちゃになっていました。
by そらへい (2019-04-29 20:42) 

這い上がるママ

『アップダウンクイズ』毎週見てました。
by 這い上がるママ (2019-04-29 23:35) 

newton

アップダウンクイズ、懐かしいですね。当時は“夢のハワイ”でしたね。今は身近になりましたが・・・。

by newton (2019-04-30 12:49) 

Facebook コメント

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます