小林完吾さん(1932年4月27日~)の誕生日です。おめでとうございます。日本テレビのキャッチフレーズだった「おもしろまじめに」の「まじめ」アナウンサーとして一躍脚光。ダウン症愛児早逝、がんばらない介護、脳卒中からの生還などの講演で今も現役です。
小林完吾さんといえば、「あ、さて~」ではじまる独特の低音がモノマネもされた元日本テレビのアナウンサーです。
Youtubeの動画で確認すると、確かに「あ、さて~」もありますが、「こんばんは~」と言っている時もあります。
徳光和夫さんと、『おもしろまじめ放送局』という自局のキャンペーンキャラクターとして起用され、「おもしろ」の方が徳光和夫さん、「まじめ」の方が小林完吾さんでした。
「まじめ」の方は、決してテレビでのキャラクターではなく、地で行っているのかもしれません。
今の横浜国大附属小学校時代は、いじめられっ子で登校拒否経験あり。
湘南高校(←神奈川県立では一番の名門校)に入ったものの、授業についていけず中退。
その後、米軍キャンプで糊口をしのぎながら不良をやっていたが、考え直して昼間は“堅気”に戻って夜は同校の定時制に復学。
國學院大學に入学も、今度は自殺未遂をおこす。
教育実習中、生徒や先生たちに対して、一触即発になったので教師には向いていないと悟る。
大卒時は28歳になってしまったので就職に困ったが、鹿児島県のラジオ南日本にアナウンサーとして採用される。
日本テレビはスカウトで中途採用。
先輩、後輩アナが、名前が売れると次々フリーになる中、定年まで勤め上げ、「フリーと呼ぶな、定年退職だ」と、退職しても愛社精神を発揮。
講演では「先生」と呼ばれることを拒否して名前で呼んでもらった。……
なぜ、登校拒否や自殺未遂に至ったのか、新卒の就職すらできない人が、どうしてマスコミに就職できたのか。
謎めいていることもありますが、まあたぶん、「まじめ」であるがゆえに、社会的に一定の評価は受けても、処世術のほうが得意ではなかったということでしょうか。
私は小林完吾さんのように優秀でも真面目でもありませんが、何となくわかる生き方です。
ダウン症の子どもを告白
小林完吾さんは、息子さんがダウン症で105日の短い生涯だったことを公表。
いまでは、奥山佳恵さん、松野明美さん、龍円愛梨さん、アレックス・ラミレスさんなど、お子さんがダウン症であることを明らかにしています。
それは、小林完吾さんが“先駆者”として道を作ってくれたことが大きいと思いますし、小林完吾さんの場合には、お子さんが亡くなっているので、その悲しさも反響を呼びました。
飲酒などで気晴らしをしながら「がんばらない介護」
母親介護についても、話題になりました。
「がんばらない介護生活を考える会」賛同者として、同会の公式サイトに、「がんばらない介護とは、すべてを自分でやらなければと自分を追い込まぬように関わること」として、メッセージを寄せています。
下手をすると「がんばらない介護」というと手抜きをする、放って置く、施設に預けてしまう、と誤って受け取られがちですが、自分を変に追い込まず、例えば息抜きのためショートステイの世話になったり、入浴サービス・デイケアなどをうまく利用し、すべてを自分でやらなければと自分を追い込まぬように関わる事だと思っています。
しかし、介護はなまやさしいことではなく、ストレスが溜まると、夫人は「深夜の晩酌をしながらたまったものを発散していた」といいますし、お酒や脂っこいものが好きな小林完吾さんもそれが原因か、脳卒中になってしまいました。
平成8年に脳出血、平成13年に脳梗塞を経験し、左麻痺の後遺症を抱えているそうです。
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教育や福祉問題に関する講演活動に
小林完吾さんは、不登校、不良、自殺未遂、教育現場での不穏な経験、ダウン症愛児の早逝、母親の介護、脳卒中による後遺症などの経験が、教育や福祉問題に関する講演活動をするきっかけになりました。
私は、障碍者の療育・社会復帰という小林完吾さんにはない経験をしていますが、流石におよびません。
これだけいろいろ経験されているのは壮絶ですね。
でも繰り返しになりますが、小林完吾さんの人生、何となくわかる生き方です。
優しさをありがとう (広済堂文庫―ヒューマン・セレクト)
不良というのは意外ですが、真面目すぎて無器用だから、
社会で言うところの、不良になってしまうのかもしれませんね。
by 犬眉母 (2019-04-27 02:10)
小林完吾のおもしろまじめ、ダウン症愛児早逝、がんばらない介護・・・櫻井よしことのコンビで『今日の出来事』をやっていた頃が印象的でした。当時はよもや櫻井よしこが「保守派のアイドル」になろうとは知る由もなかったですが。ただ、櫻井よしこのオピニオンに対する賛否は別として、あの話し方は実に分かりやすく、その点は結構好きなのです。小林完吾とのコンビはいかにも「大人」という感じで好きでした。今やテレビのニュース番組はどれもこれもワイドショーとさほど変わらなくなってしまいましたから。お二人のコンビは懐かしいです。
アナウンサーになる前の小林完吾については何も知りませんでした。まあ非行化するのはいろんな理由がありますから、一概に断罪はできませんよね。わたしも高校時代は周囲から見れば、「とんでもない不良」だったはずですが、自分の中では「意味のある非行化」であって、「だらしないだけの非行化」とは当時から一線を画しているつもりでした。それにしてもアナウンサー以前の小林完吾のプロフィールは、石原裕次郎主演で映画にできそうです。
それしてもなかなかに過酷な人生を送ってられるのですね。このような方が今でも減益として頑張ってらっしゃる姿を見せてくれるというのは多くの人たちに、大いに勇気を与えてくれますね。お子さんのダウン症の公表や「がんばらない介護」への賛同など、先駆者としての役割も大きいのだということがよく分かりました。
・・・
>総論賛成各論反対という範疇での批判
ローザ・ルクセンブルクの場合も自らが権力を掴むことなく非業の死を遂げたことで今でもロマンティシズムのヴェールに包まれているという面はあるでしょうね。仮に生き延びて共産党のトップとしての権力を長く握れば、ひどくイメージダウンした結果となった可能性大です。「スパルタクス団」というネーミングもよかったと思います。わたしもカッコいいと思いますもの(笑)。混乱のドイツ革命の渦中で無謀な蜂起を企てて非業の死を遂げてしまった。だからいまだに「民衆のために死んだ人」というイメージが残存しているのではないかと。チェ・ゲバラは権力を掌握したのですが、それを自ら放棄し、敢えてアフリカやボリビアの革命戦争に身を投じて非業の死を遂げたロマンティシズムですよね。さらにゲバラは写真映りがやたらとカッコいいという。しかしゲバラは極めて頑強な共産主義者だったという意見もあります。だから死後のイメージって、本当に分からないものですね。日本で言えば坂本龍馬についても、「実際は何もしてない」という論者もおりますし、人口に膾炙している有名な写真は確かにカッコいいですが、他の写真ではけっこうショボい見かけのものもあります。「イメージの一人歩き→膨張」という現象はあらゆる分野で見られるし、要注意ですね。
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>タクシー代だけで10万円かかりました。
それは大変でしたね!今夜の記事でも介護タクシーの価格について書いておりますが、本当に自転車なら10分もかからない距離で6000円近く取られてしまいました。月末から現金がどんどん出て行ってますので、この額でもきついです。
by 末尾ルコ(アルベール) (2019-04-27 03:15)
徳光よか好きだったなー、徳さん笑っても目が笑ってないんだよね。
小林さんのたまに見る笑顔は良い笑顔だった記憶があります。
by pn (2019-04-27 06:16)
がんばらない介護とはいいですね、長い長い終わりの見えない道のりのマラソン見たいなものですね。
by ヤマカゼ (2019-04-27 07:00)
真面目な口調と、落ち着いた低音の響きしか覚えていないのですが・・・
学生時代の不登校、不良、自殺未遂、教育現場での経験、成人してからもダウン症愛児の早逝、母親の介護、脳卒中による後遺症などの経験をされていたとは。
私の知らない小林完吾さんは、一般人数人分の経験をなさっている方なのですね。
母親の介護、脳卒中による後遺症などの経験等、自分と重なる部分もあり、本書も手にしてみたくなりました。
がんばらない介護…は、頭ではわかってはいるものの、実際にはつい頑張ってしまう。それが当人へも伝わって、お互い苦しい方向性へと向かってしまう。
この辺りからも、是非考えてみたいものに思います。
by hana2019 (2019-04-27 10:47)
こんにちは!
NTVのガチンコのニュース・アナでしたね。
もう87歳にもなられたんですね。
by Take-Zee (2019-04-27 14:30)
波瀾万丈な歴史ですね。
by ヨッシーパパ (2019-04-27 18:15)
こんばんは。
やさしげで、真面目そうな方だと思っていました。こんなに大変な経験をなさったとは、知りませんでした。
ご自分の生きてきた道や、ご自分のお考えを公表することにより、世間の人々に影響を与えた方なのですね。
by coco030705 (2019-04-27 20:26)
真面目で優しそうな方だと思いましたが、周りが絶句しかねない経験をされたのですね…
by ナベちはる (2019-04-28 00:40)