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気まぐれ天使、あなたのヒロインは大原麗子?酒井和歌子? [懐かし映画・ドラマ]

気まぐれ天使、あなたのヒロインは大原麗子?酒井和歌子?

気まぐれ天使(1976年10月6日~1977年10月19日、ユニオン映画/NTV)というドラマが始まったのが、42年前の10月6日です。石立鉄男と大原麗子の恋愛コメディで始まりましたが、いつの間にかヒロインは酒井和歌子を巡るオフィスラブコメに変わりました。(画像は断りのない限り劇中から)





日活系CSのチャンネルNECOでは、石立鉄男主演のユニオン映画製作ホームコメディドラマ7作を放送する枠(日曜8:00)を用意して、順繰りに放送しています。

気まぐれ天使
チャンネルnecoより

そのひとつが、6作目の『気まぐれ天使』といいます。

ヒロインは、マニアたちにとってシリーズ屈指の名作との誉れ高い、シリーズ4作目の『雑居時代』にも出演した大原麗子です。

大原麗子
Google検索画面より

ところが、大原麗子はわずか3ヶ月で降板し、途中から全くタイプの違う酒井和歌子が登場。

酒井和歌子
Google検索画面より

ドラマも、男女のツンデレ恋物語が、いつしか爽やかオフィスラブコメに変わってしまいました。

その経緯については、大原麗子が何か不快な思いをしてドラマを降板したのではないか、という見方をする人もいます。

しかし、それはたぶん深読みであろというのが、マニア中のマニアであることを隠さない(笑)私の見解です。

大原麗子・炎のように』という書籍によると、実弟の大原政光氏の話として、渡瀬恒彦との結婚3年目の1975年に大原麗子はギランバレー症候群を発症しており、それ以後、連続ドラマはワンクール(3ヶ月)限度での出演に絞っていた、というのは当時も言われていたことでした。

ところが、1977年秋クールの新番組で、『気まぐれ本格派』は視聴率第3位(17%)という好スタートをきり、ドラマがワンクールより長くなることが必至となったため、石立鉄男の相手役にはミュージカル劇団・東京キッドブラザースの坪田直子を第4回から出演させ、

坪田直子
Google検索画面より

さらに「予定通り」大原麗子が第13話で降板すると、その穴を埋めるビッグネームとして、第16話から酒井和歌子を登場させたのだとおもいます。

大原麗子の女優生命も、そして命そのものも脅かしたギランバレー症候群は、その頃から大原麗子を苦しめていたんですね。

ネタバレごめんのあらすじ


加茂忍(石立鉄男)は、童話作家になる夢を抱いて投稿を続けますが、それだけでは食えず、大学の後輩である榎本一光(森田健作)が副部長をつとめる下着会社宣伝部ではたらいています。

その同僚には、森田健作も密かに狙っている女子社員・大隅妙子(大原麗子)がいますが、実は石立鉄男とは森田健作にも内緒で婚約中。

石立鉄男と大原麗子

しかし、両親がいなくて経済的に困った経験のある妙子(大原麗子)の意向で、2人で300万円を貯められなければ結婚しないという約束があります。

そんなときに、忍(石立鉄男)が行き倒れを助けたことがきっかけで、老女・伊集院綾乃(悠木千帆→樹木希林)と知り合いますが、手癖が悪く、ホラ吹きのとんだトラブルメーカー。

悠木千帆

しかし、子供の頃、「人生忍の一字」と父親(田中浩)に教え込まれた忍(石立鉄男)は、なんと自分の下宿で面倒を見ることに。

そのうち、綾乃(悠木千帆→樹木希林)の孫という若い娘の渚(坪田直子)までやってきて、忍(石立鉄男)は散財しっぱなし。

その上、渚(坪田直子)が忍(石立鉄男)になつくので、忍(石立鉄男)と妙子(大原麗子)の間には溝ができてしまい、妙子(大原麗子)は婚約を解消してフランスへ旅立ってしまいます。

ここまでが、ワンクール(第13話)のあらすじ。

第16話からは、業績不振という理由で部長(穂積隆信)が九州支店に異動となり、後任として南條友江(酒井和歌子)が登場します。

酒井和歌子

バイクで出社して、バリバリはたらくキャリアウーマンで、忍(石立鉄男)のつけたあだ名が“巴御前”。

南條友江(酒井和歌子)になってからは、主人公の忍(石立鉄男)とは、大原麗子時代のようなウェットな男女のやりとりは一切なく、オフィスドラマに宗旨変えしてしてしまいました。

南條友江(酒井和歌子)は、恋人(秋野暢子)がいるはずの榎本一光(森田健作)と結ばれ、忍(石立鉄男)は渚(坪田直子)と結ばれることを示唆して物語は終わります。

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あっさりとした明るさの酒井和歌子


以前も書きましたが、私は大原麗子が個人事務所になってから、数年間、年賀状のやり取りをしていたことがあり、いろいろ妄想しながら(笑)いつか大原麗子の本を書きたいと思っていたので、普通のファンより少し踏み込んだ大原麗子シンパかもしれません。

ただ、そんな私も、『気まぐれ天使』の大原麗子は、『雑居時代』の頃とは違い、坪田直子の若さに対する嫉妬が行き過ぎてちょっとリアリティを感じてしまったので、途中降板でよかったのではないかとおもっています。

そういう湿った色恋を感じさせない酒井和歌子の女性部長になってからの方が、ドラマもカラッと明るくなりました。

思えば、若大将シリーズも、嫉妬心の強い激情型のスミちゃん(星由里子)に比べて、酒井和歌子のセッちゃんになってからは、爽やかな気持ちで見ることができました。

番組製作者も、若大将シリーズのような転換に期待したのかもしれません。

大原麗子のような、男心をくすぐってくすぐって、そして懐に飛び込んでいく「タメ」もいいですが、きれいだけれどどこか愛嬌のある酒井和歌子のケレン味のない明るさも、女優として必要なキャラクターだとおもいます。

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末尾ルコ(アルベール)

気まぐれ天使、あなたのヒロインは大原麗子?酒井和歌子?・・・これは極めて重要かつ難易度の高いお問い掛けですね。う~む(笑)、ここは、女優として見るのなら大原麗子、一緒に炬燵へ入りたいのは酒井和歌子としておきましょう。なんか酒井和歌子に対してかなり失礼な理由のような気もしますけれど(笑)。
わたしがティーンの自分は、「日本を代表する2代美人女優」としてすぐに、松坂慶子と大原麗子が挙がっておりました。格的には映画賞を総なめにしつつあった松坂慶子が上かなあと思っておりましたが、いずれにしても「美女、豪速球の直球ど真ん中」というイメージでした、この二人は。ただ、「大原麗子のかわいらしさ」は最近気づきましたですね。もちろんわたしがティーンの頃は大原麗子、既に「大人の美女の象徴」という感じでしたから、なかなか「可愛い」とは感じませんでしたが、今観ると可愛いんです。わたしも大人になったもんだ・・・と感慨に浸らなくもないですが(笑)。
酒井和歌子は名前は知っておりましたが、「何を観た」という記憶はまったくないのです。強く記憶に残っているのは、家においてあった週刊誌か何かのグラビアに酒井和歌子が載ってまして、子ども心にもそこはかとなく色気を感じたのです。「清純派」として活躍していたということですが、「清純派」ならではの色気ってありますよね。だから「清純派なんてもう古い」なんて言っている向きは、それが無くなることで一つの魅惑的な「色気」まで無くなるのが分かってないんですよね。社会の中には多様な色気があるべきだというのがわたしの考えですから。酒井和歌子は中年以降も、とても色気があると思います。

わたしが山本富士子をしっかり認識したのも、せいぜいこの10年くらいの間です。子どもの頃は名前も知りませんでした。もちろん山本陽子の方はお馴染みでした。若尾文子や市川雷蔵など、今では大好きな俳優たちも、知ったのは30歳超えてからです。藤純子はもちろん『3時のあなた』の司会者としてしか知りませんでした。まあ当時の藤純子は女優引退状態でもありましたからね。だからいつも書かせていただいておりますように、日本映画の世界まだまだ未知の部分がで、とてもじゃないけれど、130歳くらいまで生きても網羅できるものではなく(外国映画も多く観てますし 笑)、3000歳くらいまで生きたいものですが、いくら大風呂敷のわたしでもそこまではなかなか言えません(笑)。
以前は、「山本富士子」あるいは「淡島千景」という名前を見たり聞いたりしただけで、(ふる~い・・・)という印象しか持てませんでした。ある程度以上の年齢にならないと分からないことって多いですよね。だから昨今の20代、30代前半くらいの「識者」的人たちが分かったような口を聞いている姿はかなり滑稽に見えるし、(10年後には考え、変わるぞ)と思うことしばしばです。その点はプロレスなども同じことだと思います。「今が最高!」なんていう考えは、無知と傲慢の賜物ですよね。
俳優の「序列」については、日本独特の変遷を辿ってきている感があります。米国やフランスなど、日本と同様の映画大国ですが、テレビの攻勢にあいながらも、今に至るまで常に俳優の序列は映画の方がテレビドラマより上であり続けています。米国は最近でこそドラマのクオリティが上がって映画系の俳優たちも企画によっては出演するようになっておりますが、だいたい20年くらい前までは、「テレビドラマへ出たら俳優(のクオリティ)として終わり」と認識するのが普通だったようです。その点、日本はテレビの影響力が国の隅々まで圧倒的だったのと同時に、映画産業の衰えもかなり極端だったという二つの要素が絡み合っていたのではないかと。
実は最近、「日本映画とテレビの関係」を学術的に分析した本を読んだのですが、「日本映画凋落時の最大要因」は必ずしもテレビの隆盛だけではなく、「映画作品数のあまりの乱発」ではないかという意見がありました。それと、これは映画界に限らないのですが、「映画界を守る」という長期的視野に立って方策が取れなかったというのもあるのではないかと。もちろんその分おもしろいドラマが生まれ、映画だけでは目立たなかった俳優たちにスポットが当たるなどのメリットはあったのですが。まあ上手に共存するのが一番だと思いますね。現在は邦画に客足がかなり戻ってきているとは言っても、その中心はアニメですから、俳優の出番(声優としての出演は別として)がありません(笑)。いずれにしても、今後も考え続けたい、興味深いテーマです。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-10-05 02:54) 

ヤマカゼ

大原麗子、きれいですね。若い画像久々にみました。
by ヤマカゼ (2018-10-05 06:56) 

なかちゃん

今は大原麗子のあの雰囲気はあまり好きな方ではないです。
酒井和歌子の方がいいかな(^^;
でも、昔はそんなでもなかったんですけどね。
寅さんのマドンナもやってたし・・・

by なかちゃん (2018-10-05 08:26) 

Take-Zee

こんにちは!
20代の若い時は酒井和歌子ちゃん、
30代には大原麗子さん・・
いずれもお姉さんですが魅力的な方たちです。

by Take-Zee (2018-10-05 08:57) 

pn

大原麗子も捨てがたいけど酒井和歌子も好みな故どちらか選べません(笑)
by pn (2018-10-05 09:43) 

Rinko

どちらも歳を取ってもかわいらしい・美しい顔立ちですね^^
by Rinko (2018-10-05 13:08) 

kou

やはり自分の場合は酒井和歌子ですね!
by kou (2018-10-05 17:59) 

ヨッシーパパ

二人とも好きでしたが、とりわけ大原麗子さんの若い頃がなんと言っても好きでした。
by ヨッシーパパ (2018-10-05 19:24) 

ナベちはる

タイプが違う2人だと、好みがハッキリと2分割しそうです…
by ナベちはる (2018-10-06 01:36) 

beny

 かつてのスターは、華がありますね。

by beny (2018-10-06 21:22) 

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