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安藤優子キャスターに対する反発とセクハラ認識をどう見るか [マスコミ]

安藤優子キャスターに対する反発とセクハラ認識をどう見るか

安藤優子キャスターが最近槍玉に上がりますね。三田友梨佳アナとのやりとりが話題ですが、ただ頭から否定するのではなく、発言内容を是々非々で見ておいたほうがいいとおもいます。たとえば、今回問題になっている「セクハラ」についてはどうでしょうか。



きょうも、いろいろな立場からいろいろな意見が出まくって盛り上がっているのがこの話題です。

安藤優子「それはわかりますよ。そんなこと言って何になるの?」

安藤優子「親告罪だからって言って(セクハラ罪はないという言い分はおかしい)」
三田友梨佳アナ「麻生大臣はセクハラに罪はない、と言ってるのではなくて、セクハラ罪という刑法上の罪名はない、と言っている」
安藤優子「それはわかりますよ。そんなこと言って何になるの?」


何点かに分けて判断すべきことだとおもいますが、web掲示板のコメントには

1.セクハラに対する認識の低さ
2.安藤優子キャスターに対する反発
3.安倍政権や麻生大臣を守りたいという政治的意図

などを私は感じました。

セクハラ罪云々は、麻生大臣の「言葉尻を切り取った」という意見がありますね。

「セクハラ罪がない」という文脈は、セクハラに対する判断を回避した論点ソラシとして出てきたことですから、それは違うと私はおもいます。

だったら、刑法上罪にならないことは何をしてもいいのかという反問が生じます。

旧弊さを売り物にする言論人としてならともかく、公人中の公人としてセクハラに言及できない麻生大臣の態度を、私は容認できません。

安藤優子キャスターは、おかしなことをいうことがあります。

たとえば、山口達也には何の批判もしないくせに、何で今回だけ、という点ではたしかに辻褄が合いません。

その批判に対して、安藤優子は、自らの不明を恥じるべきです。

ただ、この人のプライバシーと絡めて発言を否定することには賛成しかねます。

不倫だの略奪愛だのした者がエラソーなこと抜かすな、という言い分ね。

もちろん、そんな安藤優子が嫌いだ、というのは自由です。

安藤優子も、それは甘受すべきです。

ただ、プライバシーと発言内容の価値は無関係でしょう。

そもそも私は、男と女の関係で取った取られたという発想は間違っているとおもっています。

品物じゃないんだから。

配偶者のある相手と関係したことで、民事上責任をとったり、離婚につながって先方のお子さんに迷惑をかけたりすることはあるでしょうが、それはまさに当事者が解決すべき問題です。

『東京ラブストーリー』第7巻より
『東京ラブストーリー』第7巻より

まあ、この漫画のように「それ以外はすべて誤った答え」とは思いませんよ、私は。

結婚生活が破綻していても、たとえば子どもが成人するまで夫婦でい続けるというのは、ひとつの責任のとり方だとおもいます。

ただ、男と女の結びつきは、何より「心の通じ合っ」ていることが大事だというのは至言でしょう。

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セクハラの本質は“強い者から弱い者に向けて行われている”


そして、今回の問題の本質はやはり、セクハラというものをどう認識するかだとおもいます。

下記のニュースから、興味深いコメントを引用します。

麻生大臣は「罪はない」 セクハラ男の思考回路と家庭環境
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/228968/2

セクハラについて「『こんなにうるさい世の中じゃ、女性に軽口も叩けない』などとグチる中高年がいますが、その発言には、自分が強者であるという客観性が抜け落ちています。自分より強い立場の人には、軽口を叩こうとしませんから。自分に権力があり、社会的立場を守られているということを無意識に理解しているんです」

セクハラにしろ、他のハラスメントにしろ、差別にしろ、体罰にしろ、強い者から弱い者に向けて行われている ことを見逃してはなりません。

刑法でどうだろうが、それがもう問題なのです。

ですが、ネットの意見を拝見すると、ときどき、自分の“より強い立場”を当たり前と感じ、守られていない人の立場や心境が理解できないと感じることがあります。

たとえば、俺たちはこんなに汗をかいて働いているのに、生活保護の奴らはサボっているとかね。

でも、「汗をかいて働」きたくてもそうできない種々の事情については理解しようとしない。

何より、汗をかいてはたらけるオノレの立場が、もっぱら自分の能力や心がけのたまものだと思い上がっている。(そういうほしのもとに生まれたという認識がない)

断っておきますが、私は、障碍者の要求なら何でも聞くべき、と書いたことはありません。

ただし、弱者であるがゆえの不条理、非合理、無慈悲な仕打ちについて、その心の痛みもきちんと理解した上で、どうすればいいのか判断したいとおもっています。

でもまあ、これは価値観の問題もありますから、むずかしいですね。

障碍者になっても「強者」時代の思考の「クセ」が抜けない人、弱者のくせに、より弱者の身になって考えられない人っていますから。

私は、ハラスメントに対して鈍感な発言は、他者の心の痛みを理解できない、人として恥ずかしいものだと思っています。

職場のハラスメント なぜ起こり、どう対処すべきか (中公新書)
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ナベちはる

>強い者から弱い者に向けて行われている
力を見せつけるために行われているような、暴力なるものを思わせられます。(もしかしたら、暴力そのものかもしれませんが…)
by ナベちはる (2018-05-14 00:10) 

うつ夫

>>セクハラ罪はない

法に触れるからやらないのは当たり前。
触れなくても気をつけるのが人格者。
by うつ夫 (2018-05-14 00:38) 

suzuran

「女性に軽口も叩けない」という発言そのものが
相手を舐めている、下に見ていると無自覚に
発言している感性の低い自分を表現している
ことに気付けない愚劣な人間だということです。

親の立場、配偶者の立場で考えることのできない
共感性の薄い人ですから、親子の間も夫婦の間も
隙間風の吹いているお寒いご家庭なことでしょう。

それが故に女性の体に気軽に触れたり、下卑た
性的な話題でも平気で持ち出せるのですね。
消えてもらいたい人種だと思っています。
by suzuran (2018-05-14 01:25) 

末尾ルコ(アルベール)

安藤優子キャスターに対する反発とセクハラ認識をどう見るか・・・安藤優子氏は164cmあるんですね(笑)。この人のデータとか見たことなかったので、そちらの方にまず気を取られてしまいました。しかも配偶者が一文字変えると「堤真一」になります(笑)。
セクハラに対しては、わたしはもちろん「絶対許せない」という立場です。ただ日本ではバランスの取れた議論になかなかならないのが残念ですね。この状況は変えていかねばなりません。
麻生太郎大臣については、この件も含めて現代感覚から大きくズレた認識の持ち主であることは間違いなく、しかもどうしてこうしょっちゅう言わずもがなのことを言うのだろうと不思議なのですが、まあ政権のタガが完全に緩んでいるという象徴とも言えます。
それと安倍政権の「女性が輝く」云々も、まさしく嘘八百で、女性に対する認識は自民党の男性議員のほとんどは間違いなく「昔ながらの日本のオヤジ」感覚であり、しかも「自分たちはエリート」というパワハラ意識もありますから、一般女性の感情など分かるわけありません。
野田聖子などはある程度女性の立場に立った発言をしておりますが、自民党の女性議員の多くもおそらく一般女性を見下しており、世の中でどれだけ多くの女性たちがセクハラ・パワハラで苦しんでいるか理解できないでしょうね。
さらに問題は、野党、左側の人たちの「追及」があまりに酷くって、とってつけたように「me too」のボードをもって、ハリウッドのパクり(笑)でドヤ顔で行進したりのパフォーマンスも酷いですけれど、最大の問題は「自分たちの側の人間」のセクハラ、それに類する所業に関してはすべて見て見ぬふりというのが一番許し難いですね。そうした人たちが日本では「セクハラ追及の一番手」を自任しているのだから、セクハラ問題に対する国民意識が歪まざるを得ない状況だと思います。
安藤優子については、夕方の報道番組をやっていた頃はよく観てたのですが、ワイドショーに移ってからはまったく観ておらず、この前書かせていただいたように、山口達也の件で構えていたように「反省の気持ちが伝わってきた」と言ったのには呆れましたが、あの番組は普段はまったく観てないので今回の件も知りませんでした。わたしは基本的には、どのような分野でも実力さえあれば、プライバシーで何らかの問題があったとしてもほとんど気にしません。実力がないのに人気や知名度だけ膨張している人たちに対してはいつも、(さっさと消えろ!)と思っておりますが(笑)。

>強い者から弱い者に向けて行われている ことを見逃してはなりません。

まったくおっしゃる通りです。
わたし自身は、女性に対してはもちろん、年下の男性に対しても、常に(絶対相手に不快にならないよう)細心の注意を払いながら言葉を選んでいます。「軽口くらい」なんて言ってる人たちはとてつもなく甘えた人間であり、許し難いですね。カフェやショップなどで女性スタッフに対して軽口叩いている連中を観る度に、内心背後から思いっきり殴りたい気分なのです。もちろん殴りはしませんが(笑)。

この問題についてもお話を始めるとキリがなくなるのですが(笑)、とにかくわたしは「力(権力)があるという勝手な思い込みの下に、他人の人生を毒する人間たち」が大嫌いでして、セクハラ・パワハラ問題も含めて、もっと具体的な行動を起こしていこうと考えています。地方なんかもう、「昔のまんま」の状態が続いておりますから。

それにしても、現在クレイジー映画や『釣りバカ日誌』を愉しめているのは完璧にいっぷく様のおかげです。本当に感謝、感謝しかありません。思えば「映画ファン」というものは鑑賞する作品を選ぶ際にどうしても、過去に賞を獲った作品や映画批評家に評価の高い作品、ランキング入りした作品の中から優先的に候補を考える習慣がありまして、わたしも10代の頃からそうした一人でした。そうなると、『釣りバカ日誌』などはなかなか鑑賞優先順位に入ってこないのですね。もちろん批評家に評判がいい作品、賞を獲得した作品などには尊敬すべき内容のものが多いのは事実であるし、鑑賞しておもしろい確率も高いのですが、『釣りバカ日誌』や社長シリーズなどを観てつくづく感じるのは、「分かりやすさ」の凄さです。「分かりやすく、しかもクオリティが高い」ということですね。例えばわたしの母などでも、鈴木清純の『ツィゴネルワイゼン』なんかだとまったく理解不能ですが、社長シリーズや『釣りバカ日誌』はケラケラ笑いながら愉しんでおります。このあたりの凄さですよね。
今夜も長くなってきましたので、こうしたお話もまた後日に続けさせていただきます。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-05-14 02:20) 

pn

そもそもハラスメントって嫌がらせって意味ですよね?車で例えるなら幅寄せや煽りみたいなもんなんだからきちっと法律作っちまえば良いと思うんですけど困る人がいるんでしょうねぇ(^_^;)
by pn (2018-05-14 06:16) 

チャー

麻生さんの あのコメントには呆れました!
今は何でも?セクハラ という言葉で処理され、守られる言葉になっている節もあります
と、言うのも 女子アナの先駆けの彼女は 今ならセクハラに値すことで痛い目にあっているので おかしな発言になるのでしょうか? ですが アナウンサーです 冷静に賢く!
by チャー (2018-05-14 06:53) 

johncomeback

20年前、電機メーカーで管理職への昇進の辞令を
貰った直後にセクハラの講習を受講させられました。
民間企業は財務省よりマシだと思われます。
by johncomeback (2018-05-14 07:18) 

タンタン

ハラスメントについては社内での講習も受講した事がありますけど、受ける側の感じ方によって違うので困り物やと思っています。
しかしですね、日々の作業を進める中で、反感を買っても立場上自分の考えを押し通す事が多々あります。仮にこれをパワハラと捉えられたら、社員の顔色ばっかり窺わなければならず、作業指示すらままならない状況になってしまいますよ。
ですのである程度は、その時々で上から目線になるのは仕方ないと思うんですけどね。

by タンタン (2018-05-14 08:04) 

Rinko

まずは相手の身になって考えてみる想像力が大切なのかと思います。
でも無意識に自分を「強い立場」に置いちゃう人達って、そんな想像力さえ働かないのかもしれませんね・・・。
by Rinko (2018-05-14 08:10) 

ミケシマ

最初に就職したところではセクハラする上司、何人かいましたね
触られたこともあるし、卑猥なことを言われたこともあります
心の傷になる程ではなかったけど 激しい憎しみを感じました
今思えば泣き寝入りしなきゃよかったなとも思います
でも若い時ってなかなか言えないんですよね 上司だし…

父の3回忌のとき 坊主と本家のジジィの近くに座らされ
ずっと酌をさせられました すごく嫌だった
母と叔母は離れたところに座り 後から母に「喜んで酒注いでたね」
みたいなこと言われました
職場でのセクハラより このときのことの方がショックでした
むかしの人達って もしかしたら男性もだけど女性も
「男が、立場の弱い女性を物のように扱う」ということをよしとしているのかもしれません
無意識にそういう意識があるのかも。
セクハラするオッサンたちって罪の意識とか絶対にないから。
by ミケシマ (2018-05-14 11:33) 

makkun

↓ 全く同感です。
>公人中の公人としてセクハラに言及できない
>麻生大臣>の態度を、私は容認できません。

「セクハラ」と言う言葉・文字が出て来た時点で
真剣に考えなくてはならなかった訳ですので
各人「自分の言動を胸に手を当てて考えるべき」です。


by makkun (2018-05-14 11:52) 

犬眉母

「障碍者のお子さんはあなたを選んで生まれてきた」って
一見善意ですが障がい者ハラスメントですね。
by 犬眉母 (2018-05-15 00:31) 

あとまと

わたしも、生臭坊主に無言でヒジテツをくわされ
ナンデスカ?というと、クソ坊主がうなってきたので
戸惑ってると、どっかのおばさんがゼゲンの女将のように
「しゃくをしなさいと言うとるよ」と言ってきて
むかついて逃げたことがありました。
相手が聖職者だったりすると、ショックも大きい。
薬師さんをまつっている寺はだいたい男尊女卑思想なので
そうなるらしいんですが、それだけじゃありませんよね。
ちなみにその坊主、坊主になる前は学校の先生をしていたそうです。

by あとまと (2018-05-15 10:08) 

海市

私も20代前半の時に、直属の上司からセクハラを受けたことがあります。お尻を触られたり、後ろから制服のベストの中に手を入れられたり…。先輩に相談しても、「あの人は有名なのよ。上手くかわしなさい」と言われるだけでした。
年齢を重ねれば、そういったことも可能ですが、若い子にはなかなか難しいのではないかと思います。
一人一人がセクハラ・パワハラについて、もう少し真剣に考えてくれればいいのにな…と思います。
by 海市 (2018-05-15 11:49) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。

>山尾の不倫は許す反日

まあ、こういうコメントは来ると思いましたが……。
「山尾の不倫」の話は今回していません。

あれは不倫(一応疑惑)の後の振る舞いに問題があることと、
そもそもその後選挙で当選していますから、
「山尾の不倫」を許したのは、ほかでもない有権者ではないかと思いますが。

by いっぷく (2018-05-15 14:48) 

犬眉母


一応本人が否定しているのと国会議員ですから
議論する前提が全く違うのでは?
「右」の方は、ナントカのひとつ覚えのように「反日」で
いい加減飽きます。
まあ「左」の方もパフォーマンスばかりで・・・
日本はどうなるのでしょうか。
by 犬眉母 (2018-05-16 04:42) 

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