なべやかんといえば、思い出すのは1991年の明治大学・替え玉受験事件。2月28日の『フライデースクープ/そこまで言うか!』(ニッポン放送)で、本人が事件の真相を語ったと先日話題になりました。今週号の『週刊大衆』(3月24日号)には、「テリーからの手紙」という連載で、テリー伊藤が言及しています。
なべやかん、明治大学替え玉受験というのは、明治大学で20人の替え玉受験が発覚。野球部元監督ら3人が逮捕された刑事事件です。
替え玉、要するに別の人間が身代わりで試験を受けるというもので、なべおさみ(明治大学OB)の息子であるなべやかんも、明治大学商学部2部に願書を提出していました。
合格通知は来たものの、不正が発覚して合格取り消し。当然ですよね。
連載は、話題の一人を対象に、テリー伊藤がその人に手紙を書く体裁、つまりテリー伊藤のその人に対する感想や提案などをもとに記事を作っています
『週刊大衆』の連載は、なべやかんの「替え玉受験」に着目。
「佐村河内守氏とそのゴーストライター」「『ips細胞で世界初の心筋移植手術をした』とウソの発表をした医学博士」「“ゴッドハンド”の考古学研究家」らと“替え玉軍団”を結成して、「騙されないようにしましょう」と訴えながら地方巡業しろと提案されています。
あんまりおもしろくないですね、テリー伊藤は。そのうち、そこに割烹着の人も入ったりして……。
それはともかく、替え玉受験については「なべやかん本人の弁」でこうまとめられています。
小学校から成城学園に通っていて、ほとんどの生徒が成城大学に進学できるのに、デキが悪くて留年したうえ、ほかの大学への受験も失敗し、浪人した。そのとき、父が「推薦枠で入れてもらえそうだ」と願書を用意。ただ「写真は貼るなよ、封もするなよ」と指示された。
しばらくすると、試験も受けてないのに合格通知が届く。入学式直前、大学から呼び出しがあり、会議室みたいな部屋で、お偉いさん10人を前に椅子に座らされ、他人の写真が貼ってある受験票を出された。このとき初めて、「違う人が受けたのか」と気がついたが、「こんな時期もあったんですよね」とゴマかす。
だが、「どこで試験を受けたの?」と尋ねられ、別の場所を答えてしまう。その後、父親の会見をテレビで見て、自分が成績が悪かったために父を巻き込んでしまったと、申し訳ない気持ちしかなかった。
替え玉受験は、受験票や、解答用紙の偽造ですから、有印私文書偽造・行使などにあたります。
なべおさみ親子のやったことは、刑事事件に問われてもしかたのないことです。
犯罪行為ということです。
ただ、私はこの事件を知った時、もし自分にそんな話が来たら……、ということも考えました。
きっと、「オレは試験で正々堂々と合格するよ」なんてタンカは切れなかったと思います。
あなたは、タンカが切れると確信もって言えますか。
付属校なのに上の大学に進めず、2年浪人。その上にその年もどこの受験も失敗していたのです。親から「推薦枠の話がある」と言われたらのってしまうのではないでしょうか。
だいたい、そこで浪人したら、卒業も延びるわけですから、親にも迷惑がかかります。
なべおさみも明大出身。そういうコネもあるんだろうと子供だったら思って頼るのではないかと思います。
しょせん、大学なんて「スポーツ推薦」だの「一芸入試」だの一応ルールを作ってはいますが、入り方が複線化して、「試験でまじめに入る」人にとって愉快ではないし客観的でもない怪しげな仕組みです。
受験生の側が「入った者勝ち」と考えることを責められるほどの公正さを担保しているのか、といいたくなります。
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なんで由利徹さんやめたの?
ただ、問題はその後です。大学を諦めたなべおさみの息子は、由利徹の付き人になったはずなのに、ビートたけしが受け入れるとなった途端、そちらに移ったことです。
この社会では、そう簡単に師匠を変更はできないでしょう。
自分が勝手に師匠と思い込んでいる「メンター」なら別ですが、付き人というのは明らかに由利徹のお弟子さんなわけです。
当時、由利徹が楽屋のようなところでインタビューを受けていて、憮然とした感じで「たけしんとこがいいって言ってるものししゃねな」とコメントしていたのを覚えています。
詳しい事情は知りませんが、第三者から見れば、替え玉事件から何も反省していないように見えます。
つまり、自分にとって都合が良ければ平気でオキテを破るというやり方が、私にはどうしても共鳴できないのです。
なべおさみの指示があったかどうかまではわかりませんし、なべやかんとしてタレント活動をしているのは、たけし軍団に入ったからこそかもしれません。
ただ、私が、もし個人的にこの人と付き合う機会があっても、信頼関係の構築に厳しい私は、「こいつ、大丈夫かな、何かあったら平気で寝返りそうだな」なんて心配してしまいます。
そう思いませんか?
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