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デヴィ夫人、古希を過ぎての活躍“三連発”をどう見るか [芸能]

デヴィ夫人が、このところたてつづけに芸能マスコミ話題を提供しています。そのたびにネット掲示板では、賛否両論が衝突する熱いスレッドがいくつもたちましたが、まさにデヴィ夫人の注文通りかもしれません。『東京スポーツ』(2014年2月15日付)を読んでいたらそう感じさせる記事がありました。

記事は、「74歳でお騒がせ3連発のデヴィ夫人、実は企画意図分かって貢献している」というタイトル。

東京スポーツ・デヴィ夫人.png

「3連発」というのは、ひとつは、番組で(実は仕込みの)一般人出演者を平手打ちして警察に被害届を出されただけでなく、その収録の様子をペラペラ口外した西川史子を「亀顔の女」とブログで罵った件。

>>デヴィ夫人平手打ち事件で思い出した制作会社の“センセーショナリズム”

ふたつめは、自らが発行しているメルマガで応援している候補への投票を促し、警視庁から公職選挙法違反の疑いで警告を受けると、「知らなかった。外国人ですから(国籍はインドネシア)」と嘯いた件。

3つ目は、淡路恵子さんの告別式で、お棺に入っていた高価な着物を「高いものだから」と引っ張り出そうとして遺族に止められたと報じられ、さすがにそれは捏造だろうと多くの人が思っているのに、わざわざ「あれは形見分けをしてくれという意味だった」と弁明して、それが事実だと自分からばらしてしまった件。

最初のトラブルは、テレビ局や制作会社側におおもとの責任があるし、被害届を出した女性も功名心満々のクレーマーに見えたし、西川史子を罵倒したあたりは「よくやった」という声もありました。

が、さすがに3つめあたりになると、不謹慎だという意見も出ていました。

日本は、死者に鞭打たない、葬式はおごそかなものという絶対的な決めつけ文化がありますから、ネトウヨやひきこもりたちも、しょせんそういう枠組みから自由ではなかったようです。

いずれにしても、こうしたトラブルを起こすたびに、芸能マスコミはネタにし、ネット掲示板は「燃料投下」状態になるわけです。

これらのふるまいを非常識とののしるのは簡単ですが、ただのならず者なら、とっくに芸能界からも消えているはずです。

そう思っていたら、冒頭に書いた『東京スポーツ』(2014年2月15日付)でこんな記事が出ました。
多少の騒動などへっちゃらな貴婦人に、あるテレビ関係者はこう苦笑する。
「実はデヴィ夫人、ギャラが結構高くて、テレビ番組への出演料も1本100万円は下らないと言われてます。だからこそ、高所恐怖症なのに昨年、バラエティー番組でバンジージャンプに挑戦。体を張ってでも、番組を盛り上げようとしているんです」
ここで注目したいのは2点。

数々のトラブルもやっぱりタレント活動のうちということ。もうひとつは、テレビ局が高額ギャラのタレントをリストラしているさなかに、まだ「1本100万円は下らない」トップクラスのタレントとして頑張っているということです。74歳でバンジージャンプはすごい

もちろん、金額は事務所に裏を取ったわけではないですから、本当にそうであるかどうかはわかりません。ただ少なくとも、業界では高額ギャラのタレントと見られているということでしょう。

要するに、掲示板でああだのこうだのとエラソーに書き込んでいるネット民は、1本100万円とれる彼女のニュースバリューに貢献しているわけです。

そこんとこ、わかっているのでしょうか、ネット民。

かつてのスキャンダル雑誌『噂の眞相』でも、デヴィ夫人は気に入らないことはすぐ訴訟すると批判していましたが、逆にデヴィ夫人が訴えられていることもたくさんあります。

デヴィ夫人のトラブルは、どこまでが地で、どこまでが仕事なのかはわかりません。

もっとも、虚実ないまぜだからこそ価値もあるのでしょう。

ひとついえることは、関わった当事者としては辛いかもしれませんが、第三者が芸能ニュースとしてみると、どこかクスっと笑えるところがあるのです。

そのエンタメ性が、常識を外れているように見えるふるまいに芸能ニュースとしての価値をもたせているのではないかと私は見ています。

たとえば、週刊文春の編集長だった花田紀凱氏を名誉毀損で告訴した時は、花田氏にこう言ったと花田氏の本(『花田式噂の収集術』)に書かれています。

「あなたもクサイ飯を食べてきたらいいのです」

下品が嫌いという国王第三夫人が“クサイ飯”って……(笑)

今回の3連発にしても、西川史子を「亀顔の女」と、誰もが思っていても口にしなかった(笑)ことをブログに書くし、お棺から着物を引っ張りだそうとした件は、林家ペーがビートたけしの父親のお棺を開けて写真を撮ろうとしたという話以来の「お棺ネタ」で、芸人の中には「オレがやりたかった」とデヴィ夫人を畏れながらも嫉妬している人がいるかもしれません。

……と、笑いモードで書いている私を、軽蔑される方もおられるでしょう。

そんなあなたは、社会人としては健全です。

しかし、芸能人や作家にはなれないかもしれませんよ。

脚本家・鎌田敏夫氏は、作家は事の善悪の論評は世間に任せておき、現実に埋没してしまわない強靭な精神力が必要と言っています。

演じる側の芸能人の基本的なマインドにも、それは求められるんじゃないでしょうか。

もちろん、現代のベートーベンとされた佐村河内守氏のような、障害年金不正受給は許せません。

でも、彼女のような“国王第三夫人の下品さ”というエンタメ性は、どこまでを諒とすべきかは私にもわかりません。

いずれにしても、紋切り型の善悪とか倫理だけではない奥の深いものだろうということです。

追記、この件で、中尾ミエが着物騒動を否定した。報道を信じたお前は「可愛そうだ」というコメントがありました。私の回答はこうです。

その言葉ブーメランになっていますよ。

そういう場合、真実はどうあれ否定するのが大人の常識ある対応です。
中尾ミエが否定したから「なかった」という真実が認定されるわけではありません。
中尾ミエのような古参が否定したら、芸能界はあってもないことになるのです。
否定できる客観的な根拠はどこにもありません。
私が書いたのは、信じる、信じないではなく、そのような報道があった。普通はあっても否定して当たり前なのにデヴィ夫人はわざわざそれを認めた、という点にフォーカスして書いているのです。
芸能人の話は虚実ないまぜなので、真実なんてわかりません。
そんな世界の出来事に、部外者があったかなかったかなんてわかるわけないでしょう?

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