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プロレス記事の2013年、曙の戴冠でホッとしました [スポーツ]

プロレス記事も今年はずいぶん書きました。このブログ「戦後史の激動」では2013年だけで9記事書いています。2010年6月~2012年の2年半で7記事だったので、今年は今までの4倍ぐらいのペースで書いているわけです。実は13年前から生観戦をしていないのですが、それでも関連書籍が出ると読んでしまいたくなるのは「プロレス者」のサガなのでしょうか。

記事の多くは、昭和時代のプロレス、文字通り昭和プロレスといわれる「古き良きプロレス」の頃の裏話や、当時活躍したレスラー、プロレス関係者のインタビュー書籍のレビューです。

>>内側から見たノアの崩壊、脱馬場とは何だったのか
>>新日本プロレス12人の怪人、に書かれなかった裏話
>>「金権編集長」はブラックジャーナリズムか
>>『元・新日本プロレス』、片山明の「快挙」はどう伝えるべきだったか
>>『子殺し~猪木と新日本プロレスの10年戦争』で改めて問うアントニオ猪木
>>吉田豪の喋る!!道場破り、宮戸優光の話はこう胸に落ちた!
>>山田隆さん、なめだるま親方、そして中崎タツヤ氏の関係
>>『実録 プロレス裁判』の示した風評を覆す真実
>>百田力、力道山の命日にプロレスデビューが話題に

プロレスというのは韜晦趣味の世界。プロレスマスコミににジャーナリズムは存在しません。

熱心なファンですらほとんど真実を知ることはなく、こうした書籍が出るたびに、読者が「あれはそういうことだったのか」と驚くことが出ています。

その端緒となったのが、2001年に、ミスター高橋が新日本プロレスのレフェリー当時に経験したプロレス界の実態を暴露する『流血の魔術 最強の演技 すべてのプロレスはショーである』(講談社)でした。

内容は、プロレスは勝敗や試合の流れをあらかじめ決めているということと、それをめぐる当時のレスラーのエピソードが綴られていました。

それ以来、現在のプロレス興行は多くが零細化して小さな小屋で少ない観客のもとに行う超マイナーな世界になってしまいましたが、一方でわれもわれもと暴露者が続き、プロレス本の市場に関してはひと頃大変活況を呈していました。

それらについて、いろいろ論考することも面白かったのですが、このブログ「戦後史の激動」は、プロレスプログを標榜しているわけではないので、いずれの記事についても、マニア的な話より、一般社会にも通じるような結論を意識した書き方をしてきました。

それらの書籍を通して考えたことは、「テレビは平成になってからつまらなくなった」といわれていることと、「プロレスは平成になってからつまらなくなった」ことが、本質的には重なるのではないかということです。

技の量と過激さをエスカレートすることで、レスラーに負担がかかり、観客の要求に応じられなくなってしまう「技のインフレ」が、こんにちのプロレスが廃れた理由の一つと言われます。

短いクールで週間視聴率までも求められ、余裕のない制作現場になってしまった現在のテレビ界にも通じるものがあります。

ミスター高橋の上梓は、宮戸優光が指摘するように、しょせんレスラーではない者が語っている不十分さもありますが、「技のインフレ」に待ったをかけるきっかけにはなったと思います。

総合格闘技でサッパリだった元横綱の曙が、全日本プロレスでチャンピオンになりました。

それは、「強さ」を求める世界とは別の概念でプロレスが成立している、という認識がファンの間に定着してきたからだと思います。

プロレスは、おちつくところにおちついたのではないでしょうか。

私は、13年前に全日本プロレスが分裂、というよりノア勢が集団離脱して以来、プロレスの生観戦を一切やめていたのですが、今の全日本プロレスについては、期待する気持ちを抱きつつあります。

今のオーナーはずいぶん悪く言われましたが、そんなに悪い人かなあ。私には、企業人として武藤敬司のほうがよほど無責任で自分勝手に見えるのですが……(笑)

まあ、そういう話は「マニア的な話」になるから今日はこのへんにしておきましょう。

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  • 出版社/メーカー: 宝島社
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