SSブログ

暴露はなんのために行うのか [芸能]

暴露。うわべの穏便さを好む日本人には、あまりいいイメージのない言葉です。しかし、ときには倫理や法律と衝突しても「暴く」ことに、社会的な公益性がある場合もあります。もとより、ジャーナリズムというのは本来、暴くということです。しかし、その使い方によっては、たんなる自己満足になりかねません。

今日の芸能ニュース。みのもんたが「次男はコネ入社」とインタビューや手記で述べたことについて、日本テレビが「正規の手続き」と否定したことが報じられています。

しかし、こんな否定ぐらいばかばかしいものはありません。

選考の際に「情実」があり、その上で「正規の手続き」があったと見れば、全く否定になっていないからです。

その、みのもんた。先の記者会見では、事件を起こした次男を何度も「バカヤロー」と罵りました。

が、では父親としてどう更正させるか、という話が一言もありませんでした。

自分の怒りと、「私は一部の子供に甘い芸能人と違って父親として厳しくしていますよ」というポーズを前提とした物言いだったと言わざるを得ません。

要するに、子どもよりも自分の体面を優先した会見でした。

「自分優先」と「暴露」。ケースは全く違いますが、ちょうど今頃、こんな事件がありました。

離婚しても親は親なのに


2000年11月30日付「日刊スポーツ」では、二谷友里恵さんが、『週刊現代』の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の講談社などに600万円の損害賠償を求めた訴えについて、東京高裁が一審の判決を支持する控訴審判決を下したことを報じています。

問題になった記事は、98年5月30日号の「“性悪女”グランプリ大発表」と題したもの。

二谷友里恵さんを、「本物のお嬢様とは似て非なる品性」などと評したことが名誉を毀損したとして二谷友里恵さんが東京地裁に提訴。

2000年5月12日に、同地裁が講談社に40万円の支払いを命じる判決を言い渡していました。

二谷友里恵さんの逆襲はこれだけではなく、2001年5月、『楯』なる手記を文藝春秋社から出版しています。

それまで離婚について一切、沈黙を守ってきた二谷友里恵さんが、離婚の真相やバッシング報道への反論をまとめて綴ったものでした。

本のコンセプトは「郷ひろみ『ダディ』(幻冬舎)から3年 私はなぜ沈黙を破るのか」というもの。

2人の娘が、二谷友里恵さんに「黙っていないでただしてほしい」という趣旨の意思表示をしたことがきっかけとされています。

ただ、それが事実であったとしても、この元夫婦の「暴露」仕合は、少なくとも子供の手前、批判的な声がありました。

たとえば当時の「夕刊フジ」では、離婚相談を3000件以上手がけてきた東京家族ラボ主宰の池内ひろ美さんがこうコメントしています。

「真実を語ることが娘にとって、必ずしも正しいとは思わない。娘の父親はウソつきで、女にだらしない…といったことが書かれていて、まずいですよ」

同紙によれば、二谷友里恵さんは『ダディ』出版によって、「『気の強い妻に翻弄された破綻』『般若の顔で「逆玉よ」連呼』などとバッシング報道にさらされてきた。これに一切の沈黙を通したことで、《戦って負けた時のストレスよりもこの不戦敗のストレスは比較にならない》とも告白している」としています。

つまり、言われっぱなしで「負ける」ほうが、言い返すことによる批判よりも苦痛だ、ということらしいのですが、それについても池内ひろ美さんのコメントは手厳しかった。

「3年前に黙ると決めたときは立派だ、と思ったのに…。(郷ひろみの手前勝手な言い分など)かかわらない勇気を持ち続けてほしかった。不戦敗といいますが、勝ち負けを競うのは離婚のときで、今はもうどちらも再婚しているんですから」

2000年9月30日付けの「日刊ゲンダイ」では、二谷友里恵さんと電撃入籍した平田修さんによる、「彼女との結婚に至るまでの経緯」の告白を紹介しています。

それによると、平田修さんは二谷友里恵さんに対して、「母子3人(郷ひろみとの間の2人の子供)が快適に暮らせる家」「子供の十分な教育費と財産分与」などの「子供のこと、学校のこと、両親のことなど、彼女がいった条件を僕は『全部呑む』」と言って結婚したそうです。

平田修さんの決意自体は大変立派ですが、意地悪な見方をすれば、子供の本当の親でもない人にそこまで甘えてしまう二谷友里恵さんの「シングルマザーの決意」には疑問を抱かれかねません。

なぜなら、少なくない離婚女性は、文句も言わず、場合によっては再婚も我慢して物心両面とも女手一つで子育てをしています。

それは、元夫が不誠実なだけでなく、離婚によって子供を片親にしてしまった母親としての自分に対する自戒、自己批判の意を示すという面もあるのではないでしょうか。

二谷友里恵さんは、相手を非難する暴露ばかりで、そうした自己批判を一切表明しませんでした。

その後、郷ひろみは、子供への面会権を妨害されたとして訴訟を起こしていますが、肝心の子どもたちが「会いたくない」という意志を示したために、訴訟を取り下げています。

郷ひろみは自業自得かもしれませんが、ただ、子供にとってはどんな親でも親は親です。

子供をそのような頑なな気持ちにさせたのは、果たして本人の意志なのか、二谷友里恵さんの憎悪に影響されたものなのか、そのへんはわかりません。

もとより、他所の家の事情に第三者が詮索するものではありませんが、だからこそ元夫婦の“勝ち負け”を競った暴露合戦は、公益性を感じない自己満足の「暴き」にしか見えませんでした。

解禁!大暴露!芸能界裏スキャンダル (コアムックシリーズ)

解禁!大暴露!芸能界裏スキャンダル (コアムックシリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: コアマガジン
  • 発売日: 2013/05/27
  • メディア: 単行本


nice!(340) 
共通テーマ:学問

nice! 340

Facebook コメント

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます