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周富徳、周富輝兄弟は芸能マスコミが作り消した「達人」? [芸能]

周富徳、周富輝兄弟を覚えていますか。現役の料理人としてタレント活動をしていましたが、12年前の今頃、ある不祥事が原因で“タレント生命”を事実上たたれ、あっという間にメディアからフェードアウトしてしまいました。今日はそのことを思い出します。

中華料理
つい半月ほど前、川越達也シェフが、店で出すミネラルウォーター(800円)の価格設定を「当たり前」と発言してネットでは騒動になり、結局謝罪しました。

いろいろ意見はあるでしょうが、いくらマスコミに少しは名前が出た人だからといって、政治家でも、本職のタレントでもない“一介の”シェフの話題がそれほどおおごとになるのは、ネット時代は誰でも好むと好まざるとにかかわらず、全国的な話題にされる可能性があるということでしょう。

ネットを含め、メディアは一夜にして有名人を作り、また一夜にしてその人を華やかな舞台から引きずりおろす勢力になるということです。

2001年7月3日、横浜地裁(松野勉裁判官)が、法人税約4700万円を脱税した法人税法違反罪の裁判で、周富輝氏に懲役1年、執行猶予3年、罰金1000万円(求刑懲役1年、罰金1500万円)、経営している中華料理店「生香園」に罰金1000万円(求刑罰金1500万円)を言い渡しました。

「脱税方法は巧妙で悪質。被告は自社ビル建設や家族のために脱税したと述べているが、味の追究や経営努力で実現すべきで、脱税は許されない」(松野勉裁判官)

弁解の余地なしだったこともあり、周富輝氏は報道陣に「控訴はしない。これからは一生懸命、料理の腕を磨き、お世話になった方々に恩返ししたい」とコメント。

以来、“料理人タレント”としてはフェードアウトしました。

たとえば、wikiの「料理の鉄人」のページでも、周富輝氏は出演者として名前だけが紹介され、タレント時代の活躍は一切書かれていません。

私は以前、横浜関内・馬車道にある会社(支社)に勤務しており、生香園はよく利用していました。

絶品というほどではありませんでしたが、何よりメニューがたくさんあり、値段も手ごろだったので、会社の歓送迎会やプロジェクトの打ち上げ、講演会や研修会後の懇親会などでずいぶん利用した記憶があります。

兄の周富徳氏も、やはり脱税容疑でマスコミを賑わせたことがあります。

2000年3月に、社長を務める「富徳」など2社が東京国税局から6000万円を追徴課税されました。

周富徳氏や周富輝氏がタレントとしていくら稼いでいたか知りませんが、周富輝氏は有罪となり、罰金やテレビ出演のギャラだけでなく、自店の広告塔として活躍できなくなったことを考えると、税金のごまかしは全く見合わない行為だったように思います。(見合えばやってもいいというわけではありませんが……)

もちろん、脱税は犯罪であり、とうてい容認できることではありませんからかばう気は毛頭ありません。

他の仕事もそうですが、「タレント」という商売に金銭の不祥事はご法度です。

ただ、マスコミの対応もおかしかった。

「料理の鉄人」でブレイクした周富徳氏と、周富輝氏を勝手にスターに仕立て上げ、彼らを舞い上がらせて自分たちも稼いでおきながら、事件後は手のひらを返したように「チャーハン実演で地方をドサ回り」などと書き立てました。

脱税をしていたことがわからなかったにしても、“身体検査”もせず、ちょっと出たがりの人を安易にスターにした責任はないのでしょうか。

そもそも、脱税したからといって、料理人としての評価まで変わるのはおかしいでしょう。

失礼ながら、脱税事件がなくてもこの兄弟はいずれ飽きられたと思います。芸能マスコミは、勝手にスターを作り、勝手に使い捨てるところだからです。

ただ、芸能界は何でもアリのところがありますから、出がらしのお茶を再利用するように、本人にその気があれば、いじられ役としてまだ使い道があるかもしれません。

が、出て来ないということは本人にもその気はないのでしょう。

そもそも、料理人に限らず、その道の真の達人は、そんな臨時タレントのようなオファーにはハナからのらないのではないかと思います。

うまい料理を求めるなら、グルメ番組やマスコミの知名度を鵜呑みにせず、自分の足と舌で見つけるしかありません。

まあ、これは「名医」にもいえることかもしれませんが。

料理の鉄人大全

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: フジテレビ出版
  • 発売日: 2000/02
  • メディア: 単行本


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