戦後史の正体が大いに注目されています。孫崎享氏が上梓した戦後史の本質を語る書籍です。
日本の戦後史を語る場合、日本がアメリカの従属状態にある。ゆえに政治的、経済的圧力があるということを前提に考察しなければ、戦後史の本質が見えてこないとするのが、この「戦後史の正体」の論点です。
孫崎享氏の肩書きは、元外務省・国際情報局長。諜報部門のトップである孫崎享が、タブーを破って日米関係と戦後70年の真実について語ったものです
「戦後史の正体」の目次をご紹介しておきます。
「はじめに」の後
序章 なぜ「高校生でも読める」戦後史の本を書くのか
第1章 「終戦」から占領へ
第2章 冷戦の始まり
第3章 講和条約と日米安保条約
第4章 保守合同と安保改定
第5章 自民党と経済成長の時代
第6章 冷戦終結と米国の変容
第7章 9・11とイラク戦争後の世界
あとがき
アマゾンのレビューでも様々な評価があります。
ある人は、戦後史の正体を、陰謀論、謀略史観だという説を否定。事実に基づく合理的な論拠を持って述べていることを強調しています。
陰謀説と簡単にいうが、問題なのは、書かれている事実によって利益を得たアメリカがあるという事実だ、と述べている人もいます。朝日新聞の書評などが必死に火消しをすることを「事実だからだろう」と冷静に見ています。陰謀説というのは、むしろそう言っている人がトンデモというのは常識です。
すでに漠然とはいわれていましたが、ロッキード事件や郵政民営化、TPPなど、日本の戦後史上語り落とせない大事件は、すべてアメリカが絡んでいることを「戦後史の正体」から教わったとする感想もあります。
「戦後史の正体」が売れたのは、孫崎享氏の肩書きによるものではなく内容によるものだ、とズバリ指摘しているものもあります。朝日新聞の評者は何一つ論拠を示していないことも指摘しています。
反体制のように見られている朝日新聞の本性まで見抜かれているわけです。
その一方で、「自主=善人、従属=悪者」として、アメリカに従属してきた悪い面だけを述べた一面的な「正体」だと述べているレビューもあります。
では自主独立路線が良かったかどうかはわからないが、アメリカ従属による戦後史をきちんと検証する必要はある、とする見解もあります。
「戦後史の正体」は、まったく興味の尽きない書籍ということがわかります。
2012-09-01 12:00
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
共通テーマ:学問
コメント 0