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原発事故、集団疎開訴訟で悲惨な現状が明らかに [社会]

東日本大震災直後に起きた福島第1原発事故から1年3カ月。今月16日には関西電力大飯原発3、4号機の再稼働が決定した。橋下徹市長が、民主党政権と対決しても反対すると息巻いていたが、損得勘定で反対は損と結論が出たらしく、結局それは引っ込めてしまった。

福島原発の問題が決着していないのに、再稼働という理屈はないだろう。

「日刊ゲンダイ」(6月20日付)では、福島集団疎開裁判主任弁護士の柳原敏夫氏に話を聞いている。「決着していない」ひとつとして、放射能被曝による健康被害を懸念した郡山市の小中学生14人と保護者たちが、福島地裁郡山支部に、集団疎開を求め仮処分を申請。現在も仙台高裁で抗告審が続いている集団疎開訴訟がある。
「法律では一般人の被曝限度は、年間1ミリシーベルトまでと決まっています。原告の小中学生14人が通う7つの学校の空間線量の積算値は、昨年3月11日以来1年間で12~13ミリシーベルトと推計されます。この訴訟では、市に対し緊急的に安全な地点に教育の場所を移動させることを求めている。しかし、1審では年間100キローベルトを主たる基準にしてそれ以下なら避難させる必要はないと判断。驚きを隠せません」 被曝の問題は進行中だ。すでに甲状腺に異常が出てきている。北海道深川市立病院内科・医学博士の松崎道華氏の意見書では、「平均年齢が10歳の福島県の子どもの35%に嚢胞が発見された」という。 「嚢胞」とは分泌液のたまった袋で、甲状腺の内側に、炎症あるいは細胞の性質の変化が起きていると考える必要があるというのだ。

甲状腺の嚢胞の臨床的な意味は、医療従事者でない私にはわからない。

が、いずれにしても福島調査の嚢胞保有率は過去のどの調査よりも高率であったというのは、今回の事故との因果関係を疑わざるを得ないだろう。

何より問題なのは、「県の医師らは安心して大丈夫だと主張し、セカンドオピニオンを受けたいという希望者に、受けさせないよう医師らに通達を出している」という。

私の父が福島出身で、今も親類が相馬や伊達に在住しているので、この点は自分で確認できるかもしれないが、もし事実なら全くゆゆしき問題だ。こういうケースのセカンドオピニオンは、ドクターショッピングとは違うのだから、当然受ける権利はあるのではないのか。

柳原敏夫氏は、福島はチェルノブイリより7倍の人口密度があるから、98万人以上が亡くなったチェルノブイリより深刻になる恐れがあると懸念しているが、これはもう、許し難く耐えがたい「前向きコホート研究」である。

理系識者の中には、「騒ぎすぎ」という論評を行って政府や東電を手助けした者もいる。そうした人物の言動についても、きちんと批判を行う必要がある。

ちがいますか、大槻義彦さん。

福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書

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タグ:原発事故
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