戦後史上初めて、6歳未満の脳死男児が提供する臓器の移植が行われるというニュースが報じられました
日本臓器移植ネットワークによりますと、脳死と判定されたのは、低酸素脳症のため、富山大学附属病院で治療を受けていた6歳未満の男の子で、検査で脳死の疑いがあることが分かりました。
家族が臓器移植ネットワークのコーディネーターから説明を受け、脳死段階で心臓、肺、肝臓、すい臓、腎臓などを提供することを承諾しました。
これを受けて、病院では脳波を測定したり、自力で呼吸できるかを調べたりする、脳死判定を行いました。
幼い子どもの脳は回復力が強いとされているため、判定は6歳以上の4倍に当たる24時間以上の間隔を空け、2回実施されました。
その結果、男の子は14日午後2時11分、脳死と判定され、死亡が確認されました。
臓器移植ネットワークが関係機関と連絡を取り、脳死からの臓器移植の実施に向けた準備を進めています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120614/k10015831181000.html
脳死と判定されたのが14日午後2時。そして、15日には移植が行われてしまうのです。
6歳男児のご両親の心境、察するにあまりあります。
ほんの少し前まで元気だったお子さんが突然の事故で脳死。
それ自体、受け入れるだけでも大変なのに、
「次の処置」が翌日にあわただしく行われてしまう……
これはもう、人の親なら、たまらない話でしょう。
また自分の話で恐縮ですが、1年前の経験を思い出します。
火災で、妻子が一酸化炭素中毒により大変なダメージを受けました。
特に上の息子は、妻や下の息子の脳波が正常に戻ってもいっこうに回復せず、
いえ、戻らないどころか、いっときは「脳波が弱い」と医師に言われました。
脳にダメージを受けると、よけいな脳波が出て不随運動を発生させる。
これが脳性麻痺の後遺症にあらわれるわけですが、
脳波そのものが弱いとなると、生命反応に乏しいと言うことですから
それよりももっと状態は悪いわけです。
「脳波が弱い」と「脳死」は似て非なる状態ですが
でも、今回の6歳男児とかなり状態は近かったのではないか。
そう考えると、本当に今回のことは他人事とは思えません。
私の子の場合は、病院をかえて脳神経関連の薬を減薬したところ
意識を回復しました。
まあ、もともと回復する途上にあり、
たまたま減薬時と重なっただけかもしれませんが、
医師の方針で患者の状態ががらっと変わることはあり得るのではないでしょうか。
臓器移植するという医学的な手柄ばかりに目を向けるのではなく
あらゆる治療が尽されたのか、慎重に慎重を期した
検証が行われたのか、そこはきちんと見て欲しいと思います。
2012-06-15 07:51
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