芸能人のバッドニュースが、またしても「暴力団」という文字がらみで報じられた。ひとつは一昨日のブラザー・コーンの逮捕。日頃からヤクザ用語を使いたがるコーンが、暴力団員の名前を使い元マネージャーを脅したという事件だ。もうひとつは今週の「アサヒ芸能」(6月21日号)に書かれた、間寛平と暴力団の関係である。
ブラザー・コーンの場合は、直接ヤクザが事件に登場しているわけではない。しかし、ヤクザの名前を出して虎の威を借るブラザー・コーンの人間性と、名前を出したことによるコーンとヤクザとの付き合いが疑われる事件ではある。
間寛平の記事は、「間寛平と山口組『消せなかった関係』」というタイトルだ。
内容を簡単に書くと、今回の脅迫事件と似たような事件を間寛平は以前にも起こしている。間寛平は売れないときにヤクザの世話になりながら、それを恩と思わない態度が相手に脅迫という行き過ぎた態度をとらせたのではないか。そして同誌は、背景に吉本興業の若手芸人に対する待遇の悪さがあることを示唆している(要するに食えないから生きていくためにヤクザと接点をもってしまうということ)。
ただ、若手のお笑い芸人が食えないというのは、何も吉本だけではない。関東だって同じことである。いや、芸能界自体がそういう仕組みではないのか。だから、吉本興業の待遇に還元するだけでは本質に迫ったとはいえない。
では間寛平のトラブルはどうして起こったのか。
泉谷しげるが、河本準一問題で興味深い発言をしている。
「恐らくどっかに「もらえるモンはもらっとけ!」的な発想があったんだろうな。芸能人なんて(オレらミュージシャンなんかも含め)、もともとそういうセコい生き物だからさ。
売れたいし、儲けたいけど、仕事はいつなくなるかわからねえ。そんな状況で大事なのは自分にカネを出してくれるスポンサーだからな。で、それはいくつあってもかまわない、というか多ければ多いほどいい。もしかしたら河本にとっては生活保護もスポンサーの1つ‥‥みてえな感覚だったのかもしれねえな。「メチャメチャ甘い考え」じゃなく、「できるだけ甘く生きていたい」のが芸能人なんでね。」(「アサヒ芸能」6月14日号)
つまり、芸能人(界)の「スポンサー物乞い」という体質こそが、生活保護の自分本位な利用、暴力団だろうが使えるなら利用、という無原則な了見につながっているのではないか。
その意味では、河本準一も、ブラザー・コーンも、間寛平も、みな出所は同じ問題ではないのだろうか。
21世紀のヤクザ基礎知識
- 作者: 週刊アサヒ芸能編集部
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2001/07
- メディア: 単行本
2012-06-14 04:42
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