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“悪者”には何を書いても良いのか? [マスコミ]

大衆の「いじめ心」を刺激する報道?

2003年10月30日、東京高裁(大内俊身裁判長)は、野村沙知代が、週刊誌『週刊女性』でデヴィ夫人に「魔女どころか毒婦以下」などの発言をされて名誉を傷つけられたとして、1100万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、110万円の支払いを命じた一審判決(日記の9月2日分)を支持。デヴィ夫人の控訴を棄却した。

「発言を載せた記事は社会通念の範囲内とはいえず、一審判決は妥当」(大内裁判長)というもの。

ひと頃のサッチーバッシングは酷かった。たしかに脱税は犯罪。法に触れたものに対して応分の責任が求められるのは当然のことだ。

だが、連日スポーツ紙やワイドショーが、これでもか、これでもかと叩きまくった様は、異常としかいい
ようがなかった。はたしてそこまでする必要があったのか。

サッチーVSミッチーのバトルがメディアを賑わせていた99年、通信傍受法(盗聴法)、国旗国歌法、改正住民基本台帳法などが次々成立してしまったことをメディア関係者や国民はどう考えるのだろうか。

金正日の料理番だったという藤本健二の本によると、我が国の「将軍様報道」は、あることないこと書かれ、かなりいい加減らしい。

これは、我が国のメディアの志と、大衆のメンタリティを考える上で、かなり示唆に富んだ報告である。

断るまでもないが、北朝鮮の核開発、拉致問題や偽札その他の様々な疑惑について批判や追求は徹底して行うべきだ。

しかし、だからといって悪意や茶化しのデタラメを書いても許される、というものではない。

それは「正義感」を隠れ蓑にした、卑劣で歪んだセンセーショナリズムや覗き趣味でしかない。

要は、いったん叩かれる側に回った者については、嘘だろうがネタだろうが何を書いたっていいんだ、という思い上がった発想がそこにはあるのではないか。

冒頭の野村沙知代然り、ひと頃の故・三浦和義もそのターゲットだった。三浦さんなどは、本屋で所定のレジで金を払わなかっただけの「万引き報道」がスポーツ紙を賑わせた。たかが「万引き」がそんなに興奮することか?

昨今、学校現場ではまたぞろ「いじめ」の問題が報じられているが、「野村沙知代」や「三浦和義」を求める大衆の心理やその社会的背景を問わない限り、根本的な解決は望めない。
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jack

マスコミ=一般常識 と言う図式は 今の若者世代には無いので大丈夫では?
最近の若者は 団塊の世代よりずっと聡明のような気がする
よって、今のマスコミ報道は マスコミ人によるのマスコミのための報道でしかない。
by jack (2011-03-08 09:25) 

rtfk

我々の世代から後はマスコミの報道には
疑問を持って望む傾向があると思いますが
親の世代は・・・
by rtfk (2011-03-08 14:47) 

ナツパパ

マスコミは、アウトサイドからの情報を信じやすいですね。
ほとんど天真爛漫、といえるくらいに無邪気なときがありますねえ。
by ナツパパ (2011-03-09 07:50) 

いっぷく

>jack (2011-03-08 09:25) さん。
そうですね。インターネットが普及してから
だいぶかわりましたね。
by いっぷく (2011-03-09 18:14) 

いっぷく

>rtfk (2011-03-08 14:47)さん
そうですね。
テレビに出てるから言ってることも正しいとか
本を書いてるから偉いとか
そういうことはあるかもしれませんね。
親の世代というと、高度成長期からバブル崩壊ぐらいまで
の間ちょうど社会では現役で働き盛りだったので
メディアを懐疑するとか、そういう余裕もなく
働いて、日本を支えてきたのかもしれませんね
by いっぷく (2011-03-09 18:18) 

いっぷく

>ナツパパ (2011-03-09 07:50) さん
そうですね。読み物として
面白い方がいいことはいいんですけど
真偽が違っているとか、扇情的なものとか
そういうのは困りますね
by いっぷく (2011-03-09 18:23) 

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