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東京サミット(第12回)

東京サミット 1986,5,4

この日から6日まで、東京で第12回の先進国(西側)主要国会議が開かれた。いわゆる東京サミットである。

東京での開催は79年以来となる。

中曽根康弘首相は、「経済宣言」において、通貨安定のためにサミット参加7カ国の蔵相会議(G7)を設置することを決めた。

「協調の進展をはかるとの目的には次のことが明示的に含まれるべきであることを述べる。即ち、インフレなき経済成長の推進、雇用と生産的な投資のための市場志向型誘因の強化、国際貿易・投資制度の開放、そして為替レートの安定性の向上をはかることである。

多角的な監視を、特にSDRを構成する通貨を有する諸国の間で、強化していく上で、IMF(国際通貨基金)と協力するとの1982年のヴェルサイユ・サミットにおける約束をあらためて確認する。そのような監視を実施していく上で、また、IMF専務理事と協力していく上で、これら諸国の経済見通しの吟味は、例えば、GNP成長率、インフレ率、金利、失業率、財政赤字比率、経常収支及び貿易収支、通貨供給量の伸び、外貨準備、為替レートの指標を勘案しつつ行うよう要請する。

蔵相及び中央銀行総裁が多角的な監視を実施する際に、当初意図した進路から相当な乖離が生じるときは、常に適切な是正措置につき了解に達するよう最善の努力を行うことを慫慂する。また、有用であれば為替市場に介入するとの1983年ウイリアムズバーグ・サミットにおける約束を再認識しつつ、是正努力は、何よりも基礎となる政策要因に焦点をあてるよう勧告する。

首相は、

 5ヵ国蔵相に対し、国際通貨制度及び関連する経済政策措置の運用ないし改善につき討議し、対処する際は、必ずカナダ及びイタリアをその会合に含めるよう要請する。
 蔵相に対して、次回の経済サミット会合において、進捗状況を報告するよう慫慂する。

 協調をはかる上でこのような改善は、10ヵ国蔵相会議における同様の諸努力とともに行われるべきである。

 先進国によるこれらの政策の遂行は、それが世界経済を強化し、より低い金利のための条件を創出し、開発途上国に対する資金の流れを増加させる可能性を生み出し、技術移転を促進し、さらに先進国の市場へのアクセスを改善する限り、開発途上国にとって有益であろう。同時に、開発途上国、特に債務国は、国内貯蓄を活用し、逃避資本の還流を奨励し、海外からの投資のための環境を改善し、さらにより開放的な貿易政策を促進するための措置と併せて、効果的な構造調整政策をみることにより、世界経済においてより充実した役割を果たしうる。この関連で、我々は、一次産品輸出への依存度の高い開発途上国が直面している困難な状況に特に留意しつつ、引き続きこれら諸国の産品の加工度向上及び経済の多様化のための努力を支援するとともに、我々自身の貿易及び国内政策を策定するにあたり、これら諸国の輸出の必要性を考慮することに合意する。」(外務省サイトより)

しかし、こうした「通貨の安定」とは「ドルの安定」のことで、「通貨の国際化」をレーガンに約束したために、この頃はわずか半年で50%も上がる深刻な「円高」状況に中小業者は悩まされていた。
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せつこ

覚えております、確か1ドル79円まで円高になった記憶が有ります。
弱腰外交でいつもアメリカの圧力に屈している政治です。
国内の産業を思う政治、日本の通貨を守る政治をしてもらいたい。
これだけ長い不況は、舵取る政治が悪いからでしょう!
by せつこ (2011-01-04 21:55) 

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