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国家機密法廃案 [戦後史]

「新防衛力整備計画」 1985,9,18

閣議によって、この日新たな「防衛力整備計画」が決定した。内容は、日本が1000カイリシーレーンの海・空域の防衛を分担する、洋上・水際撃破能力の向上を目指す、などである。

これによって向こう5カ年で18兆円もの経費がかかることになったが、それはGNP1%枠をわずかだが突破するものだった。そこで野党はその軍事大国化を反対した。戦後史上、これも重要な出来事である。

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「スパイ防止法案」廃案 12,20

去る84年8月、自由民主党の安全保障調査会法令整備委員会は「国家秘密に係るスパイ行為の防止に関する法律案=スパイ防止法案」(試案)を発表した。

この法案は、かねてから自由民主党が検討を続けていた治安立法だった。これも戦後史上、重要な出来事である。

「スパイ行為を禁止することにより、我が国の安全に資することを目的」というものだったが、「スパイ」の定義はプロスパイだけでなく一般市民・報道関係機関も含むものであり、むしろ法案では後者の取り締まりが目的だった。

また「防衛上秘匿すること」を開披する場合には「死刑または無期懲役」になるとされたが、これは限りなく拡大解釈適用の恐れがあった。すなわち、言論封殺の手段になり得る法案だった。

6月の第102通常国会に上程され、審理なしの記名投票という異常事態で継続審議に。しかし、日本社会党、公明党、日本共産党の各政党、日本弁護士連合会、日本新聞協会など多くの市民団体、労働団体も反対の論陣を張り、この日、ひとまず廃案に追い込んだ。しかし、自由民主党は後に改めて上程を狙ってきた。

ところで、この法律、各党派によって呼び方が違った。

自由民主党→スパイ防止法
日本社会党→国家秘密法
日本共産党→国家機密法

各党の立場や法案に対する考え方が出ていて興味深い。
ただ、やはり法案の狙いがリアルで具体的に示されているのは「機密」ではないだろうか。
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