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参議院全国区に比例代表制

参議院全国区に比例代表制 1982,7,16

自由民主党は、参議院議員の全国区制度(1選挙で50名)が、「金がかかりすぎる」制度であるとして、それにかわる「拘束名簿式比例代表制」を導入する公職選挙法改正案を国会参議院に提出した。

有権者は政党名で投票し、票数からドント式といわれる計算で議席を配分するものである。

当選者の順位は各党が決める名簿の上位順だった。比例代表制は各党の得票数を公平に配分する優れた制度という評価はあったが、まず、それが参議院で実施されることに賛否両論があった。

また、同時に立候補時の供託金が倍になったり、比例代表立候補には様々な要件を満たす「政党」としての資格が必要になったりと、少政党や無所属など「少数者閉め出し」の制度になり、反民主主義であるとされた。

そのため、制度にはほとんどの野党、無所属会派などが反対したが、野党の中で最も大きい日本社会党だけは、ドント式が大政党に有利に働くことを計算して、必ずしも他の政党に歩調は合わせなかった。

拘束式では、立候補者名簿は順番が記載されている。1983年から1998 年まで行われていた方式である(全国1つのブロックで選挙を行った)。

有権者は政党に投票する。得票により政党の当選議席を決定。各党ともあらかじめ決めた名簿順位の上位のものから当選となる。

現在わが国で実施されているのは、非拘束式比例代表制である。政党および個人に投票する。得票により政党の当選議席を決定。各党内では個人の得票が上位の者から当選となる。

後者の方が柔軟性があるが、個人人気で得票が見込める、たとえばタレント候補などが個人名で得票しながら党の得票数にも貢献できる「一石二鳥」になることから、政治とは距離のありそうな著名人候補者の安直な擁立が後を絶たない。
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