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福田赳夫、「変な天の声」への報復

大平内閣不信任案可決 1980,5,16
 
「社公合意」を、日本共産党から革新の大道にもとると批判されていた日本社会党は、自由民主党に対する対決姿勢を世論を納得させるためにもつけなければならなかった。

日本社会党の飛鳥田一雄委員長は、浜田幸一衆議院議員のラスベガス・カジノ疑惑など、一連の自由民主党のスキャンダルを理由として、衆議院に大平内閣不信任決議案を提出した。

この一石は、権力争いで常にもめ続ける自由民主党にとって弾薬となり、反主流派である自民党刷新連盟が活発化。党内抗争が再び激しくなった。

野党間では、民社党が不信任案提出に慎重な姿勢を取っていたが、結局は提出。

そしてこの日の衆議院予算委員会では、大平正芳率いる大平派に40日抗争で敗れた福田赳夫の福田派、三木武夫率いる三木派が欠席、そして各野党の賛成によって何と可決されてしまった。

内閣不信任決議案は賛成243票・反対187票で56票差で可決。内閣不信任決議可決は1953年以来27年ぶりだった。

福田赳夫は、変な天の声の報復に成功したわけだ。

中曽根康弘率いる中曽根派は土壇場で反主流派を離脱。本会議に出席して反対票を投じている。中曽根は中曽根の考えがあってのことだが、こうした行動を以て、中曽根は風見鶏などともいわれる。

戦後史上3回目という不信任案可決に対し大平正芳は、臨時閣議を開いて対応を決めた。

その前年に第35回総選挙を実施したばかりだが、今回は総辞職ではなく解散の道を選択。

19日に解散した。これを戦後史上、ハプニング解散という。

この選択は、参議院も任期切れが近づいていたことから、史上初めての衆参同日選挙となった。
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