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天の声にも変な声がある

自民党総裁予備選 1978,11,26

自由民主党は、派閥解消を目指して党員・党友投票による自民党総裁予備選、そして本選と行って総裁を決めることにした。

現職の総裁である福田赳夫にはここで、大平正芳という対抗馬が登場した。大平正芳は田中派と連携して大掛かりな集票作戦を展開。現職有利といわれたたたかいで福田赳夫に圧勝した。

福田赳夫は「予備選で負けた者は国会議員による本選挙出馬を辞退すべき」と主張していたこともあったため、この意外な結末に翌日の本選出馬を取りやめ。あっさり大平正芳新総裁が誕生した。正式決定は12月1日の臨時党大会で。福田内閣は6日に総辞職した。

例の、「天の声にも変な声がある」という、戦後史上に残る語録が出たのはこの時だ。

「変な声」だろうが従うところは、淡々とした感じもするが、田中派が乗っている以上、かりに本選で勝てるようなことがあったとしても、その後の党・国会運営を考えると、いずれにしても降りた方が良いと考えたのだろう。

70年代~80年代にかけての三角大福中の総理・総裁争いは、戦後史的には実に面白い。あの頃は政治家も理念があり、そこに人間くさい執念や怨念などが絡んだ。そのすさまじい抗争の迫力は、現在出ている当時の読み物からも十分感じられる。

ただ、福田赳夫の本選辞退には、こうした大平派の田中派との連携にみられるように、派閥活動での物量・金権の闘いが、既に予備選の段階で限界まで行われていたことを示しているともいえ、「金権・派閥力学」の前近代的な体質という批判もせざるを得ない。
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y2arai

ご訪問&nice有り難うございました。
by y2arai (2010-11-02 14:49) 

ナツパパ

これはわたしも知っていますよ。
名文句、というべきでしょうね。
by ナツパパ (2010-11-02 19:54) 

mine

niceありがとうございました。
あまり私は詳しくないのですが、勉強させて頂きます。
by mine (2010-11-02 20:10) 

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