エンタープライズ入港阻止闘争

64年8月に政府が原子力潜水艦入港を正式に認めて以来、その寄港は恒常的に行われた。原子力空母エンタープライズの佐世保港入港（1月19日）もそのひとつである。

地元佐世保では社共の統一集会が、民主社会党・同盟ブロックの集会がこの日を含めてそれぞれ2度行われた。30の都道府県で51ヶ所の反対集会も行われた。公明党も、この時初めて大衆行動を行った（17日、1万8千名参加）。16日には社・公・共の書記長が対談し、政府にアメリカの原子力空母寄港反対を申し入れた。17～21日には「新左翼」系学生約800名が、警官隊約1400名が計4回に渡って衝突した。

しかし、こうした衝突も何のそのと、一方で政府は「アメリカ原子力空母の寄港は今後も同意」すると閣議で確認（18日）し、増田甲子七防衛庁長官は19日の衆議院内閣委員会で「原子力空母の寄港は事前協議の対象外」と答弁。

この後も寄港があるたびに国会ではこうした「食い違い」が繰り返されたが、それぞれ地元では国民の反対運動が開かれ、神戸市のようにそれが市長選挙の争点（神戸方式）になるところもでてきた。

こうしたことから社・公・共の3党は、「日本の非核武装と核兵器禁止の決議」を共同提出。民社党も単独で同様の趣旨の決議案を提出した。すると政府・自由民主党は、「相打ち」を狙って

• 非核3原則
• 核兵器廃絶の努力
• 核の平和利用
• 米の核抑止力への依存

という「核政策に関する抑止案」を提出。

お互いが譲らないまま審議未了となった。そして5月8日の参議院本会議で佐藤栄作は「自分の在任中は、非核武装宣言は行わない」とまで明言した。こうして、今日まで真の「非核決議」は国会レベルで採択されていない。

タグ：エンタープライズ入港阻止闘争 佐藤栄作 自由民主党

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by Christiane (2018-12-16 16:46)