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湿潤療法、やけどの手当て、本当の話 [生活]

湿潤療法という、皮膚のケガに対する手当て方法が昨今議論になっています。簡単に述べると、擦過傷(擦り傷)ややけど(熱傷、火傷)褥瘡(じょくそう)などについて、消毒して乾燥させるこれまでの手当てとは正反対に、消毒せず乾かさない方法のことをいいます。先月、少し大きなヤケドをした妻が湿潤療法を選択しました。

湿潤療法とは何か


湿潤療法は、すでに多くのサイトで取り上げられていますが、皮膚のケガについて、水道水で洗い、消毒液は使わず、乾燥させず、ガーゼのような吸水性のあるものは使わず、回復を待つことです。

水道水

これまでは、ケガというと、患部は、消毒して、通気性のある絆創膏や包帯を使うのが常識的な手当てでした。

絆創膏や包帯

つまり、これまでとは全く正反対ということになります。

なぜ、湿潤療法なのか。

湿潤療法の施術者や支持者、体験者などが標榜している点を簡単にまとめるとおおよそこのような内容です。

痛みが少ない


キズロを常に湿らせた状態におくことで、乾燥による神経への刺激が少なくなり、痛みが和らぐといいます。

早くきれいに治る


うるおいを保つことで、細胞の働きがスムーズになり、皮膚の再生が早くなるといいます。

また、かさぶたを作らずに、なめらかな皮膚が再生されるので、傷あとがきれいに治るそうです。

患者が湿潤療法を選ぶ最大の理由がここにあるようです。

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消毒液を使用しない


消毒液を使うと傷を治す細胞のはたらきを弱めてしまうため使用しないそうです。

包帯を使わない


ガーゼを当てると乾燥して、やはり傷を治す細胞が死んでしまうからだそうです。

家庭で使われている食品用ラップフィルムを包帯のように巻くので、ラップ療法とも呼ばれます。

湿潤療法を巡る議論


湿潤療法ことラップ療法は、病院にかかれない貧乏人の治療法とするサイトもあります。

たとえば、特定非営利活動法人・創傷治癒センターというサイトによると、土浦協同病院皮膚科の盛山吉弘氏が、日本皮膚科学会の学会誌にて「ラップ療法の功罪」について、こう述べていると書かれています。
“ラップ療法”は、人手もなく、経済的にも苦しい、病院以外の施設や在宅などで、いかに安価で効率よく、創傷(褥瘡)を治すかという善意のもとで、開発され広まった治療法であるが、様々なトラブルを惹起してきた。http://www.woundhealing-center.jp/whatsnew/110406.html

が、実際には皮膚科クリニックで、湿潤療法を採用しているところもあります。

ですから、医師の裁量で健康保険で行われる治療法であり、民間療法として捨て置くのは正確な認識ではないということです。

といっても、一部に言われるような「パラダイム・チェンジ(医学的真理の交代)」というのは早計だと思いますし、結果として湿潤療法に則った手当てをして、より深刻な事態に陥っている場合もあるようです。

つまり、湿潤療法によるリスク、もしくは家庭で処理するにはむずかしいケガもあるということだと思います。

たとえば、傷口が深い場合は、神経まで切断している可能性や、感染症の問題などが考えられます。

湿潤療法の適応としては、やはりやけどではないかと思います。

出血する傷ではなく、跡が残らないようにしたい。

そんな期待から湿潤療法を選択するのではないでしょうか。

湿潤療法によるヤケド治療体験


ということで、前置きが長くなってしまいましたが、私の妻が1月24日に顔面、喉元、左腕に熱湯をかけるヤケドをしてしまいました。

やけど

ことに左腕のヤケドは跡が残りそうな状態だったのですが、妻は「論より証拠」で、自ら湿潤療法を標榜する皮膚科クリニックを選択しました。

そして、ちょうど1ヵ月たちました。

だんだん治ってきた

だいぶ消えてきましたが、きれいになるまで1年ぐらいかかるそうです。

実際にはラップも短期間使いましたが、後半は市販の救急パッドを使っていました。

日進医療器の『リーダー ハイドロ救急パッド』といいます。

リーダー ハイドロ救急パッド

もちろん、医師の指示によるものですが、処方箋ではなく、薬局での購入でした。

混合診療みたいなものですね。

もう2000字を突破してしまいましたので、また別の機会に、この1ヶ月の経過を記事にしたいと思います。

この記事の続きは

湿潤療法、やけどの経過、本当の話です

リーダー ハイドロ救急パッド ワンタッチタイプ 80mm×100mmサイズ No.80 3枚入

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  • 出版社/メーカー: 日進医療器
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品


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