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白井義男、日本初のボクシングチャンピオンになった日を振り返る [スポーツ]

白井義男

白井義男、という名前をご存知ですか。今日は、ボクシングの白井義男が、後楽園球場特設リングで、宿敵ダド・マリノに判定勝ちし、日本人として初めて、ボクシングの世界チャンピオン(フライ級)になった日(1952年)です。(画像はGoogle検索画面より)



戦後、敗戦にうちひしがれた日本国民に、夢と希望を与えてくれたプロスポーツヒーローというと、街頭テレビの力道山がしばしばとりあげられますが、力道山がシャープ兄弟に空手チョップをふるった前年に、白井義男はチャンピオンになっています。

力道山の方は、残念ながら私は、直接話をすることは出来ませんでした。

ただ、もう一方の雄である白井義男については、1989年に本人と話をし、白井義男に深い関心を持っていた村松友視氏と寺内大吉氏からも話を聞く、大変光栄な経験をさせていただきました。

『週刊SPA!』という雑誌が今もありますが、その前身である『週刊サンケイ』という雑誌が、ちょうど創刊した時に、白井義男がチャンピオンになっています。

そこで、『週刊SPA!』にバトンタッチする『週刊サンケイ』最終号では、過去に同誌が報じた出来事や人物を改めて振り返る特集を組み、巻頭記事に登場したのが白井義男だったのです。

白井義男
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w67009648 より

つまり、それを書いたのが私でした。

私は週刊誌の記者ではなかったのですが、ある編プロに頼まれて書いたところ、有名人の方々が取材に好意的だったこともあり、望外の出来に仕上がりました。

ちなみに、同号で巻末の記事を書いたのが、女優・松原智恵子の夫である黒木純一郎氏(が代表を務める会社)でした。

あいつと私.jpg
チャンネルnecoより

松原智恵子の『あいつと私』で思い出す「もりそばの『借り』」

黒木さんは新進気鋭のジャーナリストとしてメディアに名前が出ていたし、私も知り合いだったから、

「えー、黒木さんに勝った―っ」と、それはちょっと嬉しかったですね。

私の人生の、ほんの一瞬のハイライト(笑)

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かわしながら攻撃する新しいタイプのボクシング


村松友視さんは、白井義男についてこう話をしてくれました。

とにかくボクシングのチャンピオンというと、まず強いということがイメージとしてありますね。白井選手も強かったわけですが、彼の場合には、それに加えて“優しさ”という要素もあったのです。ライバルのダド・マリノと試合後に健闘をたたえて抱き合ったり、バンテージに四つ葉のクローバーをはさんだりしたというエピソードや、カーン博士という師匠との師弟愛など、その温かさが非常に魅力的なボクサーだったのです

ピストン堀口など、それまでの我が国のボクシングヒーローというのは、とにかく攻めて攻めて攻めまくる直線的なボクシングをよしとされていました。

が、白井義男は、相手に攻めさせるけれども、それをなんとかかわしながら自分が攻撃をするという、非常に深いボクシングだったそうです。

白井義男さん本人からも直接うかがっています。

これはあとになって分かった話なんですがね、実はその時、女房はトレーニングパンツの中に、お守りを縫いつけておいたらしいんですよ。私の母親と相談して、私に内緒でやったことなんですけどね。隠れた親切は美しいっていうけど、これには泣かされたなあ」 

その後、白井義男は5回目の防衛戦でパスカル・ペレスに敗れ、リターンマッチでも雪辱できずに引退します。

そのきっかけを教えてくれたのは、寺内大吉さんでした。

試合が終わり帰宅して、夫婦でお茶を飲んでいる時、突然白井選手が、"あれ? 今日は試合じゃないか、お茶なんか飲んでいられん!"と奥さんに言ったというんですな。それで奥さんは、"もう試合は終わったのよ"と悲しそうに言ったわけです。白井選手は、奥さんの悲しそうな顔を見て、引退を決意したと言っていましたね
今日現在、日本のジムに所属する世界チャンピオンは11人だそうです。
http://www.h3.dion.ne.jp/~toomo/html/chanpion.html

正直なところ、私はその11人の試合を見ていないのでわかりませんが、白井義男のように、いつまても語り継がれるようなファイトをしていただきたいですね。

ザ・チャンピオン (この道シリーズ)

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  • 作者: 白井 義男
  • 出版社/メーカー: 東京新聞出版局
  • 発売日: 1987/04
  • メディア: 単行本


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