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「お名前を仰って下さい」「断る!」高次脳機能障がいとは…… [遷延性意識障害]

高次脳機能障がい

相模原障害者施設(津久井やまゆり園)事件から今日でちょうど1年ということで、メディアの報道やブログ記事ではいろいろ書かれています。もちろん、許しがたい事件であることに異論はありません。私は自分の家族の話から、その事件について書きます。



我が長男は、靴下がうまく履けませんでした。

片足は何とか履いてますが、右足のかかと部分が甲の部分に来ています。

高次脳機能障がい

左右、前後、表裏の区別が苦手なのです。

そこで、緑のマークをつけて、履く方の足と同じ側の手でマークをつまんで履くように指導して、ちゃんと履けるようになりました。

高次脳機能障がい

障がい者御用達のリュックも持っているのですが、背負い方がわかりません。

より正確に書くと、背負うのはわかりますが、右左の区別が困難です。

そこで、左手を通す側にマークを付けました。

高次脳機能障がい

このことで、右手でマークを持って、左腕を通すと上手に背負えるようになりました。

これだけ見ると、靴下も履けない重度の障がい者だと思うでしょう。

でも、これらは、軽度重度関係なく、高次脳機能障害者“お約束”の障がいなのです。

手の機能が壊れているわけではないので、靴下自体は履けるのです。

ただ、惜しむらくは反対に履いてしまうわけです。

『壊れた脳も学習する』(角川文庫)の著者である山田規畝子さん(整形外科医)は、小学校6年で脳出血、32歳で脳溢血、37歳で脳出血と3回倒れ、2度目に倒れた時に高次脳機能障害と診断されました。

『高次脳機能障害者の世界』3度カムバックした医師の暮らし方

3度目のカムバックで「化け物」といわれているそうですが、日常生活は健常者と全く同じというわけではありません。

たとえば、ズボン(下着と区別するためにパンツとは書きません)の前後がわからないそうです。

遠近感もわからない。

感情のコントロールが出来ないことがある。

体の左側が動かない。

トイレットペーパーが左側にあると、右半身に頼りわざわざ右手をのばすが届かないので困る。

知覚が弱くて、切ってもわからないので(痛みに鈍感)包丁は使えずハサミを使う。

物の形の意味がわからない。(パズルや図形の問題が苦手)

「洋式トイレの便座を上げたままにしておくだけで、私ならそれに気づかずそのまま座ってトイレにお尻がはまってしまうだろう」と息子さんにいわれた。 等々

つまり、身体機能が欠損したわけではないのに機能せず、生活の中にはヘルパーをつけることができる半介助、もしくは全介助の局面があるのだろうと思います。

遷延性意識障害(いわゆる植物人間)から生還した我が長男は、実は当初このすべてにあてはまり、一人で用をたすこともできませんでした。

しかし、大人と子供の違いだと思いますが、次第にできるようになっています。

電話もかけることも受けることもできませんでしたが、今はどちらもでき、日常生活に介護がいらなくなりました。

冒頭の靴下も、いずれマークをとってもできるようになる可能性は十分あります。

進学は、支援学校高等部ではなく、高等学校に進むことになりましたが、ただ、そのためには面接試験で、高次脳機能障害者のもうひとつの典型的な課題を克服しなければなりません。

試験管「お名前を仰ってください」
長男「断る!」


これ、コントではないのです。

拒絶というのは選択肢として支離滅裂ではありません。

でも、面接試験という場で、拒絶はまずいですよね(汗)

高次脳機能障害者は、冗談抜きでTPOの判断が苦手なことがあるのです。

みなさんのまわりにいる「面白い人」が、実は(本人も気づかない)高次脳機能障害者の可能性もあるんですよ。

ことほどさように、高次脳機能障害は、一見普通に暮らせるのに、振る舞いや表現が変なことがあるのです。

もしかしたら、そのことで迷惑や不快感を与えてしまうことがあるかもしれませんが、その理解と支援は、国のGDPが止まってしまうほど負担でもないはずですから、ただちに変人扱いするのではなく、障害の事情を汲んでいただければ幸甚です。

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障がい者は健常者とどう違うのか


やまゆり園の犯人は、障がい者が社会の役に立たない、という言い分を変えていないようですね。

でも、それはネットの書き込みを見ると決して珍しいものではないし、先日も書いたように、認知症を忌み嫌う人も、結局この植松某とどこかでつながっているメンタリティではないかと私は思うのです。

でも、ちょっと考えていただきたいのですが、社会は、障がい者を含めた弱者が発展の突破口になっているのではないでしょうか。

たとえば、バリアフリー法は、障がい者が存在しなかったらはたしてあっただろうか。

少なくとも妊婦と子供のためだけだったら、立法化はもっとおくれたのではないか、と思うのです。

そして、我が長男のように、高次脳機能障害を抱えながら健常の世界に戻らんとする人間もいます。

正直、この点では、障がい者コミュニティからも一部批判があります。

障がい者はおとなしく障がいと向き合って、障がい者としてどう生きていくか考えてろ、という意見です。

そんなもん、現実に障害があるんだからいつも考えてますよ。

ただ、偏見をやめない世間の人々に、そういう形で結果を出すことで、障がい者と健常者、というふうに線を引いて差別することの無意味さを知ってもらうことが出来るのではないか、その意味で、長男の回復は個人的な話を超えて公益性のあることではないか、という思いも正直あるのです。

高次脳機能障害者の世界〜私の思うリハビリや暮らしのこと[改訂第2版]

高次脳機能障害者の世界〜私の思うリハビリや暮らしのこと[改訂第2版]

  • 作者: 山田 規畝子
  • 出版社/メーカー: 協同医書出版社
  • 発売日: 2013/04/03
  • メディア: 単行本


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pn

うーん、弊社アルバイトはやはり普通の障がい者なんだろうか?普通の障がい者って表現も変ですが。
by pn (2017-07-26 21:26) 

kohtyan

記事を拝見して、よく理解できました。
やまゆり園の事件で、差別という事を考えさせられました。
人間世界には、差別があってはならない事を強く認識
しなければいけません。
by kohtyan (2017-07-26 21:52) 

nikki

変わった人は周りや本人が気が付かないだけで、
しょうがい者なのかもしれませんね。

しょうがい者と決めつけることもなかなかできないとは思いますが。
by nikki (2017-07-26 22:45) 

ワンモア

記事を何回も読ませていただきました。
昔は変人とか変わった人が、現代では障がい者と分類されてしまうのかもしれませんね。
障がいと健常者の線引きなど、色々と考えさせていただきました。
by ワンモア (2017-07-26 23:42) 

末尾ルコ(アルベール)

山田規畝子さんの例をお書きくださってらっしゃるので、高次脳機能障害の方々の日常生活がいかに大変かを実感を伴って、無数の困難さの中の一部ではあるのでしょうが、理解できた気がいたします。ありがとうございます。高次脳機能障害を持ってない者でも、ほんの少しでも身体や感覚に日常と異なる不調ができたら、毎日の生活を営む上でかなりの困難が生じるものです。それを考えたら、高次脳機能障害の毎日の生活がいかに苦労が多いものか、本当に大変なことだと思います。ご長男様の「TPOの判断」についても、こうしてお話しくださらなければなかなか想像がつかないようなことです。その意味でこうしたお記事を掲載してくださることが、どれでだけ大きな意義を持つか、いつも頭が下がる思いで拝読しております。

やまゆり園の犯人および、その思考と根でつながっているかなり多くのネット民たちの思考・・・人間存在のいろはさえ理解できてない浅ましい人たちが増えていることを、わたしも憂いています。こうした人たちから見て、「社会の迷惑」になっているから「生きていても仕方ない」とは、まさしくおぞましい思考が蔓延っています。「命の価値」や「命の重さ」を一部の人たちの浅はかな考えで決めるなどあってはならないことですし、「そこに存在するだけでも幸福を与えてくれる命もある」という真実をより多くの人が深く理解すべきですね。

>障がい者と健常者、というふうに線を引いて差別することの無意味さを知ってもらうことが出来るのではないか

このお考えに賛同いたします。こうしていつもお記事にしてくださることで、わたし自身も全く知らなかったことを教えていただいておりますし、きっと多くの方々にも伝わっていると確信しております。

『紅白』は母が好きなものでここ数年わたしも観るようになっていますが、ジャニーズと秋元康系の大氾濫という印象が強いです。『歌合戦』なのに歌が下手な人たちがメインだという・・・。山田姉妹とか演歌で凄い技術を持った人とか聴いてると、アイドルの歌はほとんど犯罪的に下手だと痛感します(笑)。しかしかつてのアイドル、例えば野口五郎や西城秀樹はけっこう上手かったですよね。美空ひばりなんかもアイドル的人気が凄かったのだと思いますが。
それはさて置き、確かに『思い出のメロディー』は現在のアイドルやJ POPが出てないのがスッキリしていい感じです。ある意味、昭和芸能史についてのリスペクトにもなりますし。
確かに「3人~」というのが日本は好きですね。男性の「御三家」もありましたし、日本のロック雑誌では、クイーン、エアロスミス、キッスを「ロック御三家」と勝手に読んでおりました(笑)。「ジャンケン娘」というのはスゴいネーミングですが。「美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみ」と大物が揃ってますね。「東芝3人娘」小川知子って、幸福の科学になっちゃったんですね。「新三人娘」の小柳ルミ子、南沙織、天地真理はメジャー感がありますね。天地真理はいろいろあった末、現在も芸能活動をやっているんですね。スター性があったし、歌もなかなかよかったと思うのですが。「花の中三トリオ」はもちろん超売れっ子でしたが、わたし自身は誰にも思い入れがありませんでした(笑)。やはり林寛子の方が・・・(比べる人はいませんが 笑)。「フレッシュ三人娘」の榊原郁恵・清水由貴子・高田みづえとなると、最早ネタとしか・・・(笑)。
森進一と森昌子は泥沼離婚だった印象を持ってたんですが、詳しいことは何も知りません(笑)。ずっと以前に徳光和夫が森昌子引退理由について、「どんなに頑張っても美空ひばりになれないと悟ったからじゃないか」という趣旨の発言をしていましたが、最近よく歌番組へ出ていまして、しかしその歌唱はそもそも美空ひばりと比較できるようなクオリティじゃなかったのではという印象です。ブランクが長かったからかもしれませんが、味わいとか艶とかに大きくかけているような気が・・・。
猪木と倍賞美津子も夫婦末期はなかなかのものでしたが、夫婦写真集出版とか、このあたりの意味不明行動にはついていけなかったです(笑)。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2017-07-26 23:56) 

yamatonosuke

たくさんの人が見てると思いますので公益性はあると思いますよ。
by yamatonosuke (2017-07-27 00:56) 

ナベちはる

障害の有無の境界線、とても難しいです…
by ナベちはる (2017-07-27 01:00) 

HIDEe

今どきは何々障害というのが、いろいろ有りすぎるような気がしてなりません。
友人達が、自分が、なんて考えながら生活するのは息苦しいですね。
健常者の基準で何よ、なんて思ったりはしますが。
しかしながら、社会でハンデが多い人は存在します。
そういう人をどう許容できるか、どう一緒に歩んでいけるかを考えるのが、重要な気がします。
by HIDEe (2017-07-27 05:31) 

kou

大変参考になりました。
我が職場の方ですが、とにかく人を笑わせるのが好きな職員がいます。しかし、それはユーモアの度を超して非情に不快なのですが、注意しても理解出来ていないようです。
職務上の国家資格は持っているのですが、何年経ってもキチンと仕事が覚えられません。
インフルエンザ接種も、WHOの陰謀だとか医師の9割は接種していないなどおかしな理由を付けて拒否します。
こんな彼なので、そろそろと思っていましたがもう少し接してみます。
by kou (2017-07-27 07:54) 

Rinko

妊婦のお腹の重さを体験できるウェアがあるように、障がいを持っている方(特に周りの人に分かりにくい障がいを持ってらっしゃる方)がどういう風に物を見て、感じて生活していらっしゃるかを体験できるものがあったらいいのに。と拝読していて思いました。
本来はそんな「体験」なんてしなくても、相手の身に立って想像力でカバーして欲しいところなんですが・・・。
by Rinko (2017-07-27 07:59) 

なかちゃん

ボクと同じ会に入っている人で、従業員の1/4を障がいを持つ人で雇用している社長がいます。
決して補助金目当てとかではなくて、障がい者の持ってる一面というか、能力が高まっている部分をものすごく買っているとのことです。
そして、障害者としてだけではなく、機械等を工夫して普通の仕事もしてもらい、健常者の労働者と同じ賃金を支払いたいと言って毎日自分で機械の改造をしている人なんです。もちろん危険のない範囲でですが(^^;
その人も『一度廃した機能は回復しないが、身体は学習する』と言っていますね(^^)

by なかちゃん (2017-07-27 09:04) 

johncomeback

役立たずの健常者は掃いて捨てるほど存在してます。
逆に障害者はその存在自体に意味があるように思われます。
by johncomeback (2017-07-27 09:10) 

tsun

姪が高機能自閉症です。
高校でトラブルを起こして退学、でも今は私なんか全然行くことも出来なかった大学に行ってます。
人の気持ちとお金の価値が分からないんです。
休まずに行っているようですが、やはり友達はいないようです。
by tsun (2017-07-27 10:17) 

チャー

事件からもう1年なんですね
健常者 ?世の中 迷惑な人や危険な人 が掃いて捨てるほどいますよね 心は全然健康出ないですね
by チャー (2017-07-27 10:35) 

makkun

身障者手帳(下肢身体障害4級)を持つ身の私とは
次元の違う話になりますが
「オレがオレが」と日々を過ごしていた健常の時、
歩くのも苦労する障害者となって
自分が「優しくなった」と感じるようになりました。
どんな障害でも好きでなった障害者ではないので
「なった人じゃないと分からない」と言う言葉の重みを
健常者の方達にも理解して貰えると嬉しいですね~
by makkun (2017-07-27 12:42) 

ヨッシーパパ

義務教育課では、ある程度の受け入れを行うようになって来ましたが、それを過ぎると、周囲の理解や認識に依存するところがあるようですね。
それでも、数十年前に比べると、少しずつは進歩はしているのでしょうね。
by ヨッシーパパ (2017-07-27 18:43) 

チナリ

こんばんは。

5年以上前に、記事に出てきたような障がいではなく、あくまでも精神的な障がいを持った方々と週に一度、午前中だけ掃除のお仕事をしていたことがあります。

お仕事に来ている方の中には失礼な言動がみられたり、軽いものではありましたがトラブルのような感じになってしまい、不運にも私が巻き込まれてしまったこともありました。

そのお仕事の責任者の方や関係者の方々は健常者だったのですが、お仕事に来ている方々にはなるべく健常者の方と同じように接していました。

自分と違うと偏見を持ってしまうこともあると思いますが、それでも一生懸命汗を流して働ける喜びを持って生きている方々がおられることをいろいろな方々に知ってほしいです。

障がいを持っているから役に立たない、障がいを持っているから生きている価値がないなどとは絶対にありません。

残念ながら私は人間関係を築くことが無理だったので、数年経ってお仕事のほうは辞めさせてもらいましたが、そのときに持った思いは今でもずっと心の中にあります。

記事の内容とは関係がなかったらゴメンナサイ。

by チナリ (2017-07-27 20:53) 

oem

コストと品質を重視し、小ロット輸入でも個人でも新商品の開発と商品の仕入れができます。対応できる分野も様々なので、何かありましたらお気軽にご連絡ください。
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by oem (2017-07-28 11:13) 

ミムラネェ

こんにちは
ただ健常者というだけで世の中の役に立っていると
言えるって・・・大したおごりです^^;
いっぷくさんの記事を読みながら 障がいのある方たちの
色んな苦手な事を知っていくたびに 私も世界も広がります(〃人〃)
by ミムラネェ (2017-07-28 12:36) 

レインボーゴブリンズ

日本はアメリカなどに比べて、障がい者に対する配慮に欠ける国であることを感じています。私が小学生の頃は、道徳という科目がありました。NHKの教育放送をみて、何かを学んだものです。ここ数年は、道徳という科目が無いと聞いたことがあります。最近の大人がすこし(というか、かなり)おかしい連中がいるのも、子供時代に道徳教育がなされていないためではないかと、思っています。子供の頃に身に付けるべき教えは、国語や算数だけではありません。人間関係を考える意味では、道徳こそが絶対に教育しなければならない科目だと、思います。
by レインボーゴブリンズ (2017-07-28 18:20) 

伊閣蝶

ネットで結構見かける「障碍者は社会の役に立たない」「障碍者の存在は余計なコストを生む」みたいなテキストに接すると、私は毎度非常な疑問を覚えます。
こうした発言をする「健常者」は、自分自身がいつなんどき何らかの事情(疾病や事故等)によって障碍者になるかもしれない、という可能性について考えたことがないのでしょうか。
また、丸裸で食料も持たない状況で手つかずの自然界に放り出された場合、健常者であろうが、恐らく命をつなぐことはかなり困難でしょう。
人間など自然界から見れば、個体としてはその程度に脆弱な存在なのです。
その人間が社会性(相互に助け合う仕組み)を身に着けたことによって曲がりなりにも厳しい自然界を生き抜いていくことができた。
障碍者に対する差別思考を持っている人は、一度、生身としての自分の能力をきちんと振り返ってみてほしいと思います。

by 伊閣蝶 (2017-07-29 10:51) 

リス太郎

大変、参考になりました。ありがとうございます。
by リス太郎 (2017-07-30 10:19) 

Christina

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