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『キテレツ大百科』『ドラえもん』『モジャ公』の三択ならば? [懐かし映画・ドラマ]

キテレツ大百科

『キテレツ大百科』(1988年3月27日~1996年6月9日、フジテレビ)について書きます。現在、アニマックスでは、『キテレツ大百科』のHDリマスター版が放送中です。藤子・F・不二雄原作といえば、『ドラえもん』があまりにも有名ですが、藤子・F・不二雄の作品は、主人公の設定が似ているようでいて微妙に違い、それが作品のテイストを変えているようです。(トップ画像はアニマックスサイトより)



私の長男が、『キテレツ大百科』にハマっています。

キテレツ大百科
Google検索画面より

DVD全42巻は何度も観て、半分ぐらいはストーリーやセリフも覚えているようです。

藤子・F・不二雄の作品というと、

少年が主人公
SF的なモチーフ
友達とのエピソードでストーリーが進行


という共通のパターンがありますが、たとえば、『キテレツ大百科』『ドラえもん』『モジャ公』という代表的な3作を比べると、似ているところもありますが、微妙に違うところもあります。

ストーリーと設定


『ドラえもん』は、野比のび太が、未来から来たドラえもんに、未来で使うツールを出してもらって問題を解決するストーリーです。

『モジャ公』は、天野空夫が、居候するモジャラ公爵(モジャ公)と、ロボットのドンモの3人で、宇宙のいろいろな星の旅をする話です。

モジャ公
Google検索画面より

『キテレツ大百科』は、木手英一が、先祖のキテレツ斎が遺した発明録『奇天烈大百科』の発明品を復元することで、コロ助という意思や会話力を持ったからくり人形を作り、さらに生活のお悩みを解決します。

3つの作品とも、一人っ子の少年が、過去や未来、もしくは異星の生き物と友だちになって、現代社会にないツールを使ってお悩みを解決する話です。

藤子・F・不二雄作品は、初期の『オバケのQ太郎』や『パーマン』の主人公には兄弟がいたのですが、70年代以降の作品は、『エスパー魔美』もそうですが、一人っ子が兄弟のような相棒を得るという設定で、祖父母も同居していません。

これはもちろん核家族化の反映ですが、それとともに、高度経済成長の一方で、受験や立身出世など競争社会が激しさをましたことによる、子どもの孤独感や疎外感を藤子・F・不二雄は描きたかったのかもしれません。

同時期にヒットした、一部モチーフが類似といえる作品に、吉沢やすみ作『ど根性ガエル』がありますが、主人公のひろし少年も、母子家庭の一人息子でしたから、すでにそういう設定に感情移入する子どもが増えていたということなんでしょうね。

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友人関係は……


友人関係は、ガキ大将と、母親が「ざます」と話す金持ちの息子と、主人公が密かに思う女の子がいずれの作品も必ず登場します。

ただ、その関係が作品によって微妙に違います。

『ドラえもん』ののび太とジャイアンは、テレビでは友達としての面が強調されていますが、原作では明確にいじめっ子といじめられっ子の関係です。スネオはジャイアンの子分に近い存在です。

『モジャ公』の空夫とピテカンは、いじめるというより、ピテカンが何かと邪魔をする迷惑な存在で、ピテカンにはもみ手ニコ助という子分がいます。

『キテレツ大百科』の英一とブタゴリラは友達です。ブタゴリラはいじめっ子というより、勉強が苦手だけど気のいい少年で、ただし、金持ちの息子・トンガリに対しては、友人関係を前提としながらもいじめっ子といじめられっ子の関係にあります。

この関係の違いは、主人公のキャラクターの違いにあるのだと思います。

英一のような発明家や、空夫のような快活な子どもはいじめられっこにはならず、のび太のような、気が弱くて取り柄がなく、依頼心の強い子どもはいじめられるのです。

もっとも、これは一昔もふた昔も前にありがちなパターンで、現代は、優等生だったり、人間的な魅力があったりすると、逆にそれがいじめの口実になることもあるらしいですけどね。

それはともかく、いずれの作品のファンであるかの違いも、ここにあるのかもしれません。

のび太(典型的ないじめられっ子)
英一(発明という特技を持っている子)
空夫(探究心旺盛な普通の子)


私は、やはり空夫派かな。

少なくとも、のび太だけはイヤだな(笑)

以前、藤子不二雄(A)の『魔太郎がくる!!』と比較しましたが、国民的な存在まで持ち上げられている藤子・F・不二雄氏の『ドラえもん』ののび太は、せっかくの未来の利器をしばしば悪用してトラブルを起こします。

『魔太郎がくる!!』、『ドラえもん』ののび太とどちらが罪深い?

小学校5年生の英一が、簡単にタイムマシンを作ってしまうのは、さすがに荒唐無稽で親近感が湧きにくいのではないかと思うのですが、原作が全3巻なのに、TVアニメは8年放送されました。

特殊な技能・才能のある子どもは、やはりいつの時代もヒーローなのでしょうか。

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  • 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ
  • メディア: DVD


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