家政婦は見た!エリート家庭のあら探し結婚スキャンダルの秘密 [懐かし映画・ドラマ]
『家政婦は見た!エリート家庭のあら探し 結婚スキャンダルの秘密』(1985年、大映テレビ/テレビ朝日)を観ました。「家政婦は見た!」シリーズの第3作目です。前作が、『エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…』というタイトルでした。エリート家庭の脆さ、怪しさなどを暴くというこのシリーズのテーマを鮮明にした一作です。(画像は劇中より)
ネタバレ御免のあらすじ
石崎秋子(市原悦子)は、代議士の氏家壮介(鈴木瑞穂)の秘書である仙波昭夫(前田吟)宅で働くことになりました。
昭夫(前田吟)は、氏家(鈴木瑞穂)も認める後継者で、夫人の房子(松原智恵子)との関係も傍目には良好。夫妻には高校生の娘・弓子(菊地陽子)と、生まれたばかりの赤ん坊がいます。
自宅は事務所とつながっており、事務所長(山谷初男)らが常駐。選挙が近いと、後援会長(小松方正)がお金を持ってきます。
それだけでなく、女性のトップ屋記者・邦枝マキ(長谷直美)が、事務所も自宅もフリーパスで出入り。
マキ(長谷直美)は、昭夫(前田吟)に体を張って取り入り、また昭夫(前田吟)もそれを受け入れることで、お互い情報を交換し合う関係です。
そんなマキ(長谷直美)でも、わからないことがひとつありました。
赤ん坊は夫妻の子どもではなく、氏家(鈴木瑞穂)の“ご落胤”だから、その証拠を探してくれたら相当の礼をすると秋子(市原悦子)にいうのです。
しかし、マキ(長谷直美)の推理はハズレで、赤ん坊は正真正銘の2人の子どもで、“ご落胤”は上の娘の弓子(菊地陽子)の方でした。
昭夫(前田吟)は、房子(松原智恵子)を「お腹にいる子どもごと引き受ける」ことを条件に、氏家(鈴木瑞穂)の後継者になる約束を交わしていたのです。
そして、マキ(長谷直美)がそれほどスキャンダルにも熱心なのは、氏家(鈴木瑞穂)の夫人・宮子(初井言榮)が、後援会長(小松方正)を通じて彼女に調査を依頼したものでした。
宮子(初井言榮)は、昭夫(前田吟)のスキャンダルを見つけ、後継者の約束を無効にして、自分の息子を後継者にしたかったのです。
秋子(市原悦子)は、マキ(長谷直美)に対して、赤ん坊は氏家(鈴木瑞穂)の“ご落胤”であるという嘘をついて事態を混乱させますが……。
なぜ代議士秘書がエリートなのかがわかる
本作は、放送当時、視聴率が29.1%。前作の30.9%にはわずかに及びませんでしたが、ドル箱シリーズとしての評価を固める結果を出しました。
ただ、タイトルで使われる「エリート」の定義が定かではありません。
前作の『エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…』の場合、財務省主計局のキャリア官僚の家庭が舞台だったので、何となくわかります。
今回は、代議士秘書の家庭が舞台です。
代議士ではなく、その秘書です。
エリートというより、縁の下の力持ちというイメージが強いのですが、秘書もいろいろいて、長年支えてきた後継者の秘書は、代議士並みに集金力があるようです。
というより、優秀な秘書の集金力があってこその代議士なんでしょうね。
本作が放送された頃は、リクルート事件で、疑惑の代議士が「秘書が……」という言い訳をしていたので、それが企画に反映されているのではないかと思います。
そして、本作は、80年代のアイドル黄金期を思い出す、懐かしく悲しいアイドル、菊地陽子が出演しています。
Google検索画面より
堀越学園の同期生では、本田美奈子や岡田有希子が亡くなっていますが、それよりも前に、菊地陽子は本田美奈子と同じ病気で亡くなっています。
「死ぬときはがんで死にたい」なんて、とくに医師がよく言います。
即死ではないので、人生の幕引きをじっくり考えられるかららしいのですが、まだ将来ある若い人が、長い闘病の末に亡くなるがんは壮絶で悲しいだけです。
私も、血縁や姻戚に同系統の病気になった人がいて、亡くなった人もいます。
ですから、私はたとえ100歳で無治療であっても、決してなりたい病気とは思いませんし、彼女の病気を、家族や近親者としても含めて経験した者は、よくある「がんになってありがとう」のような合理性を感じない“ボジティブシンキング”など、口が裂けても言えないと思います。
それはともかくとして、彼女のファンなら、今更かもしれませんが、本作をご覧なれば、80年代の追憶が余韻として残ることでしょう。
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