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障がい者にとっても「エスカレーター片側空け問題」 [発達障害]

みんなで手すりにつかまろう

障がい者にとって切実ですが、そうでなくてもみんなが変えていかなければならない問題として、「エスカレーター片側空け問題」が取り沙汰されています。エスカレーターは急ぐ人のために片側を空けるべき? そんな都市部の暗黙の「マナー」を変えていきませんか。(画像は「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーン、2017年夏版のポスターイメージ」より)



ライブドアニュースで、エスカレーターの右側を「急ぎ用」に空けることを問題視しています。

エスカレーター、片側空けはNG? 安全、配慮、輸送効率… 両側に立ったほうがよい理由
http://news.livedoor.com/article/detail/13960317/

これは、今年7月5日に、朝日新聞で

エスカレーター立ち止まる勇気を 都理学療法士協会訴え
朝日新聞:2017年7月5日15時01分

という記事が出ましたが、その続報的なフォロー記事と思われます。

順番にご紹介すると、まず、7月の朝日新聞の記事では、

たとえば脊髄腫瘍(せきずいしゅよう)の手術で、首から下にまひがある女性は、エスカレーターでは右側に立った方が安定するのに、「迷惑をかけるから」と無理して左側に寄っていた話を紹介。

こうした声を聞き、東京都理学療法士協会が「気兼ねなく右側に止まって乗れる雰囲気を作ろう」と動き出し、「止まって乗りたい人もいる。立ち止まる勇気を広げよう」と訴えています。




そして、今回のライブドアニュースでは、

日本エレベーター協会(東京都港区)による、「エスカレーター、片側空けはNG」の理由を具体的に記載しています。




一部抜粋します。

右側に乗らざるを得ない場合がある


先程の朝日新聞の記事で、脊髄腫瘍の手術で首から下にまひがある女性の話が出ていましたが、障がい者の場合、左手で手すりをもつことが困難なことがあるのです。

「骨折されている方や障がい者はもちろん、半身麻痺や脳卒中、脊髄や頸椎の疾患、パーキンソン病の方など、半身が不自由なため、エスカレーターの右側に立ち止まって乗りたいという人がいることを知っていただくためです。東京では右側を空ける習慣がありますが、こうした方が右側に立っていると舌打ちされることもあります。そのため遠慮して不安定ながら左側に立ち、その横を人が歩くときに不安な思いをされています。」

私の長男が6年前の受傷以来、脳卒中の後遺症のような、いつも左腕をたたむ癖があり、エスカレーターも右手で手すりをもちたいために、右側に乗っていました。

右側に乗っていました

「そっちはだめだよ」といっても、左に寄せると、手をつないでも怖がりました。

そこで、池上本門寺の96段を、手すりを使わず健常者なみの速度で登りきる練習をストップウォッチを使って毎週行ったところ、今はおかげさまで手すりが必要なくなりましたが、それでもやはり、私から見るとバランスが悪いように見えます。

一般に脳障害の後遺症として、体のバランスが悪くなることがあるので、手すりは必要なのです。

エスカレーターは歩く構造ではないのでキケン


片側を「急ぐ人が歩く」用にするのはそもそもキケンであるという理由です。

「危険防止の観点からです。エスカレーターを歩く行為は、人にぶつかったり、ステップを踏み外したり、荷物を落としてそれがほかの人に当たったりと、危険を伴います。そもそもエスカレーターは、歩くことを前提とした構造ではないので、わたしたちも交通事業者と協力してキャンペーンを行う以前から、「歩かないでください」という呼びかけをしています。 」

日本エレベーター協会の5年ごとの調査によると、2013~2014年のエスカレーターの事故は1475件で、2008~2009年の1.2倍だそうです。

エスカレーターに同時に乗れる人数が減ってしまう


もうひとつは、輸送効率の理由です。

「はい。安全面だけでなく、両側に立っていただくことで、エスカレーターの輸送効率も向上します。エスカレーターを歩けば、その人にとっては到達時間の短縮になりますが、エスカレーターに同時に乗れる人数は減ってしまうからです。たとえば、朝ラッシュ時の駅に到着した電車から降りてきた人を一気にさばくうえでは、両側に立っていただくほうが効率がよいのです。 」

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まとめ


いつも、障がい者にとって不便であると書くと、障がい者を「税金の無駄遣い」だのハチノアタマだのと邪魔者扱いする声が上がるのですが、以上見てきたように、エスカレーターの片側空けは決して障がい者「だけ」の問題ではありません。

日本エレベーター協会と交通事業者などによる「手すりにつかまろう」キャンペーンは、毎年夏休みに合わせて行われているそうですが、さらに期間を拡大したいところ。

「手すりにつかまろう」キャンペーン

エレベーターを設置している駅やビルなどが、「このエスカレーターの右側は“急ぎ用”ではありません」という警告の立て看板を設置したり、ポスターなどを使ったりして周知徹底をはかること。何より利用者一人ひとりの勇気も必要なのだろうと思います。

エスカレーターでは、いつもどうされていますか。

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藤並 香衣

エスカレーターの片側開けについては
僕も過去に自分のところに記事にしたことがあります
片側だけに負荷がかかるのは機械にとっても良くない
「お連れの幼児は手をつないでステップの中央に・・」
とアナウンスが流れているところもあります
幼い子供を安全に乗せるには大人が手をつないで
隣にのってあげる必要があるのです
これから高齢化社会になると補助を必要とするのは
自分かもしれないですもんね
基本的には階段と併設して
急ぐ人は階段を利用するのを常識にしていくべきですね
by 藤並 香衣 (2017-12-02 23:05) 

森田惠子

今日は「若い失語症者のつどい」に参加したのですが、失語症の方の多くが右片麻痺なのです。
なので、右側に手すりがあっても掴まれないのです。
杖を使っている人は、掴まる時に杖が邪魔になることもある。
バリアフリーは難しい問題ですね。
by 森田惠子 (2017-12-02 23:07) 

末尾ルコ(アルベール)

障がい者にとっても「エスカレーター片側空け問題」・・・これは確かにおっしゃる通りですね。実は高知にいると、エスカレーターを使う機会はあまりないのですが(笑)、例えば母は腰痛と右足痛がかなり酷くてゆっくりとしか歩けず、時に足元がおぼつかなくなりますし、エスカレーターへ乗ること自体を怖がります。そこへバタバタと急ぎ足で通ろうとする人がいたら、とてもじゃないけれど、エスカレーターなどに乗ってられないということになります。エスカレーターには安全に乗るという習慣、大賛成です。それと、エスカレーターを含め、都市部の駅構内では、「急いでない人間など、人間ではない」という雰囲気が漂っておりますが、この状態も、足腰に痛みを抱える母を同伴していると、実に困ったものだと感じます。世の中には、「急いで歩けない人」も存在することを頭に置いていただきたいものです。

ドリー戦は、猪木がオレンジっぽいタイツを着用している方が初戦で、黒のタイツが2試合目かと思いますが、遠藤幸吉の解説は確かに凄まじいですね(笑)。プロレス開設の範疇を軽々と超えて、そして「日本語になってない」さえも超越し、「新たな日本語」の感さえも呈しています(笑)。これは、解説だけで毎週見たくなりますね。こういう人がゴールデンタイムの大人気番組で毎週語っていた昭和の野太い風潮は頼もしい限りです。
確かにドリーVS猪木は、「細かな技術を披露しあう」という繊細なやり取りが延々と続き、現在の感覚からは地味な印象も大いに受けますが、当時のファンにいかに新鮮に映ったのかも想像できます。それと、猪木というレスラーについて日本のファンは溢れるばかりの情報を持っているわけですが、ドリーが全盛期にどのような意識で試合をしていたかは、今だからこそとても興味を引きます。
そう言えば、ドン荒川が亡くなりましたね。なかなか前座の試合というものは観る機会がなかったし、わたしもどうしてもスターレスラー中心の興味となっていましたから、今後は動画などを通して前座の試合もチェックできたらなと考えています。
村松友視はボブ・バックランドについても「退屈だ」と意味のことを書いていたのが印象的でした。馬場VSロビンソンで馬場が勝った時は、父が大満足でした(笑)。猪木VSロビンソンの頃はまだ新日の放送をやってなくて、わたしはもちろんオープン選手権に夢中でしたが、『週刊ファイト』が「ロビンソン新日登場」を大ニュースとして扱っていたのをよく覚えています。

わたしには弟がおりますが、若い一時期にちょっと微妙な感情のもつれになった以外は、幸い仲よくやっています。子どもの頃から比較的目立つ言動の多いわたしと性格などは対照的で、地道にコツコツやるタイプであるところが、ちょうど兄弟のバランスが取れているのかもしれません。弟は介護関係の仕事をもう長いことやっておりまして、教員免許も取っていたのでそちらへ進む道もあったのですが、「どうしても合わない」ということで、現在の仕事になっています。仕事はよくできるし、極めて真面目な勤務態度なのですが、なにせ仕事量はどんどん増える、昇給は微々たるものと、本当に大変な職場です。
わたしも件の「母の末妹家族」とは絶縁したいくらいだったのですが(笑)、母もかなり嫌っていながら、「けれど姉妹だから」と、「関わりを断つ」というまでの気持ちにはならないようです。そう言えば、亡父は一人っ子で、実は妹がいたそうなのですが、その子は幼い時分に病気で亡くなっているということをふと思い出しました。そのような家庭環境は父の人格形成の大きな影響を与えていたことは間違いないと思います。
いとこ関係は、けっこう多くおりますが、だいたいわたしよりも10歳くらい年下が中心で、ただわたしは20歳くらいの人たちともけっこう楽しく話ができるのですが、いとこたちは高学歴で家庭も持っている人がほとんどなのに揃いも揃って幼稚な精神で、同じ目線で会話はまったくできないです。「絶縁」と言えば、父方の親戚とはもともと付き合いが薄かったのですが、父が亡くなってからは意図したわけでもないのに結果的に「絶縁」になっていります(笑)。あちらの親戚も医者とかの多い世間的には「ご立派」なのでしょうが、田舎の風習がかなり染み込んでいた印象で、深く関わってなくてよかったというのが正直な気持ちです。
ちなみにわたしはずっと「高知市」で、母方が「土佐市」、父方が「南国市方面」(←没交渉だけに、やや記憶が曖昧 笑)なのですが、高知県自体田舎なのですが、それでも高知市と「そのほかの地域」では、住民の意識にかなりの違いがあります。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2017-12-02 23:24) 

lequiche

駅にエスカレーターを設置したとき、一部のJR駅では
ホームの階段を上り下りのエスカレーターだけにして
階段を無くしてしまった工事をした個所があります。
これは非常にアタマの悪い改悪工事と言わざるをえません。
必ずエスカレーターと同じ部分に階段を併設して、
急ぐ人は階段を利用する、
エスカレーターでは駆け上がったり駆け下りたりしない、
(基本的にステップから動かない)
というルールにするのが正常な考え方ですし
本来の利用法なのではないかと思います。
by lequiche (2017-12-03 00:23) 

nikki

エスカレーター確かに急ぐときもあるのですが、障害者のためというよりは、輸送効率を最近考えるようになりましたね。
記事でも指摘されてますが、片側を空けると、乗れるまでに時間がかかります。
このあたりも訴求していけばいいのかな。
by nikki (2017-12-03 00:53) 

ナベちはる

片側ばかりに偏ると人間の重さでやられてしまわないかなと、ショッピングセンター等でエスカレーターに乗るたびに思います。
by ナベちはる (2017-12-03 01:27) 

ハマコウ

右側の手すりにしかつかまることができない方も身近にいます。小さな子供とは気兼ねなく手をつないでいたいですね。
急ぐ方は階段を利用すればいいと思います。
by ハマコウ (2017-12-03 05:54) 

Take-Zee

こんにちは!
停止してしまったエスカレーターを歩かされると
ステップを踏み外してしまいそうです。

by Take-Zee (2017-12-03 08:31) 

pn

他人に隣に居られるといささか気持ち悪いけど2列は賛成ですね。
そもそも楽して上りたいからエスカレーター使うのにわざわざせまっ苦しい所を駆け上がる、もしくは下る行為そのものが理解出来ないです。
現代人はそんだけ時間が無いって事なのかもしれないけどたまにジジババに平気でぶつかって行く人居るからおっかなくて。あれ下りで転げ落ちたりでもしたら大惨事ですよね。
by pn (2017-12-03 08:41) 

チャー

エスカレーター いつのまにかルールが出来ていますね
ここで 思い切って 片側寄り 止めるのも良いですね
健康のためにも 急いでいる方は 階段で
狭い日本 そんなに急いで何処へ行く ではないですが、もう少し余裕を持って行動する事も大切かと思います 時間にイライラしない!
急いでいるときは 一声かければ 融通を効かせるのが日本人ですし
余裕のある気持ちも必要だと思います


by チャー (2017-12-03 08:59) 

タンタン

おはようございます。
私も乗換え等で急いでる時は、片側を開けて欲しいと思う事がありますけど、エスカレーターは障がい者やお年寄りに譲り、健常者は本当に急ぐなら階段を使った方が良いのでしょうね。
by タンタン (2017-12-03 09:01) 

kou

自分の場合は出来るだけ階段を使っています。
エスカレーターでの歩行は危険ですからね。参考までですが、こちらの地域では片側空けのルールはないように思います。急ぐ人は必然的に階段を使用しているように思います。
by kou (2017-12-03 09:26) 

JUNJUN

微妙な問題ですね。
私は「急いで行きたい」派です。
エスカレーターとは別に階段があるときは、階段を駆け上がっていきますが、ないときは、片側を通れるようにあけておいてほしいなとは思います。
別に左右どちらでもいいですが・・・。
by JUNJUN (2017-12-03 12:22) 

JUNKO

私も同感です。一人乗りにすべきだと思っていましたが、横に介護が必要な方もいらっしゃることを思うとポスターのようにするのが良いと思います。急ぐ方は階段をお好きな速さでのぼってほしいです。
by JUNKO (2017-12-03 12:44) 

newton

鉄道会社が積極的にエスカレーターのところで、ラッシュ時などに歩行禁止を呼びかけていただきたいと思います。一人しか乗れないエレベーターでも、後ろから追い抜いていく人がいますが、非常に危険だと思います。

by newton (2017-12-03 13:23) 

johncomeback

片側空けっていつから暗黙のルールになったんでしょうね?
仙台でも左に寄ってるのが普通で右側に立ち止まるのは
勇気が要りますね。駅員やビルの管理者が積極的に
2列で静止を呼び掛けて欲しいです。
by johncomeback (2017-12-03 15:08) 

kiki

エスカレーターを作っている会社では、エスカレーター上を
歩くようには作られていないと言ってました。

by kiki (2017-12-03 16:35) 

ヨッシーパパ

1列よりも2列の方が、単純に早く進めますね。
急ぐ人は、階段を使いましょう。
by ヨッシーパパ (2017-12-03 18:16) 

プー太の父

私も東京にたまぁに行くので、片側を
開けるクセが身についてしまいましたが
こちらではそんな習慣がなかったので
最初はどうしてエスカレーターで片側を
開けなければならないんだと不思議に思いました。
やっぱりあれは歩道じゃなくて乗り物ですよね。
急いで歩きたければ階段を登れと言いたいです。
by プー太の父 (2017-12-03 18:57) 

たじまーる

エスカレーターの乗り方は考えさせられました。
健常者、障害者、急いでいる人、ゆっくりでいい人
いろんな人が使ってますから
みんなが安心して気持ちよく使える
エスカレーターにしていきたいものですね。
by たじまーる (2017-12-03 19:33) 

renbajinharuhi

エスカレーターを作っている会社はエスカレーターは歩く設計になっていないし、事故のもとと述べています。

そもそも片側開けは急ぐ人が「どけよ」と言葉の暴力で始まり、喧嘩をしたくない人がどいたのが、いつの間にか決まりみたいになったのです。
片側を開けておかないと非難されるまさに多数決の暴力といえます。
エスカレーターは歩行禁止のルールを作るべきで、そうしないと「どけ」という言葉の暴力がまかり通り続けるでしょう。

by renbajinharuhi (2017-12-03 21:14) 

そらへい

いつも田舎暮らしの妻ですが
昨日、久し振りに大阪へいっしょに行ったら
エスカレーターで片側をやっていたので
まだこんなことしているの、ええやンと怒ってました。
急ぐ人は隣の階段を上がったらいいねん
と。
エスカレーターは動くもの
急停止すると本当に怖いです。

by そらへい (2017-12-04 21:19) 

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