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『加山雄三のブラックジャック春一番』秋吉久美子、五十嵐めぐみ [懐かし映画・ドラマ]

春一番

『加山雄三のブラックジャック』をまた観てしまいました。今回は第2話『春一番』です。原作では第167話。本作は同じ脚本家(ジェームス三木)によって、宍戸錠主演で1度映画化されています。秋吉久美子や五十嵐めぐみなど、当時の人気女優が出演しています。(断りない画像は劇中より)



坂東次郎(加山雄三)は、ブラックジャックのもうひとつの顔に過ぎないため、自身が開いている神武画廊に普段はあまり来ません。

留守を預かっているのは、唯一の従業員のケイコ(秋吉久美子)です。

そのケイコが、坂東次郎に、親友・千秋(五十嵐めぐみ)の手術を、ブラックジャックに執刀してくれるよう頼みます。

千秋は、テニスコートで、コーチの強打した球が顔面を直撃。

眼球が破裂して、視神経が全て切断されていました。

春一番2

ブラックジャックの角膜移植手術等によって、千秋は視力を取り戻します。

が、それ以来、時々瞳の前を、物理的には存在していない、いつも同じ顔の若い男性が横切るようになりました。

倉持警部(藤岡琢也)が調べたところ、眼球提供者は館依子(田中麻里)といい、弁護士の妻だったのですが、相模湖で殺害されたといいます。

千秋は、若い男性のことが気になる日々を過ごしていましたが、その男性と偶然出会います。

男性は、ピアニストの風間史郎(中条きよし)といいました。

千秋は、なぜか実物とは初対面であるはずの風間史郎にどんどんのめり込んでいきます。

風間史郎も、そんな彼女に気を許し、聞かれるままに自分の過去を話します。

パリで愛し合った風間史郎の恋人は、仲を裂かれて別の男と結婚。

しかし、人妻になっても関係は終わらず、2人は相模湖のボートの上で心中を提案。

しかし、風間史郎は彼女を絞殺しただけで、自分はなぜか生き残りました。

風間史郎の恋人とは、千秋の眼球提供者である依子だったのです。

それを風間史郎が、千秋(五十嵐めぐみ)に話したのは、やはり相模湖のボートの上。

依子と、依子に眼をもらった千秋が重なり、史郎はまたしても彼女の首に手をかけます。

が、かつてはボートの若大将……、いや、坂東次郎と倉持警部が間一髪のところで駆けつけ、

春一番3

史郎は逮捕される前に今度こそ舌を噛み切って事切れました。

依子が千秋の体を借りて史郎をあの世にお迎えした、ということでしょうか。

以来、千秋の瞳に男はあらわれなくなりましたが、そのかわり、手術代100万円を出したコーチ(星正人)が、正式に千秋に求愛して、めでたしめでたし。

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秋吉久美子は原作には出てこないが存在感があった


本作は、ブラックジャックを宍戸錠、千秋を片平なぎさが演じて、『瞳の中の訪問者』(1977年、東宝)というタイトルで映画化されたそうです。

「そうです」と書いたように、私はまだ観ていません。

大林宣彦監督が、「失敗作」と述べているらしいので、そんなにデキはよくないのかもしれません。

それでも、またテレビドラマ化したということは、ジェームス三木はこのストーリーが好きだったんでしょうね。

今回は、全13話中の第2話。

まだ視聴者には、レギュラーメンバーの紹介の段階です。

そこで、ケイコという、原作にない人物が、ブラックジャックに千秋をつないだというところがミソです。

坂東次郎がいつも画廊を留守にしているのに、金品も持ち去らず、欠勤もせずにつとめているケイコは、考えてみると大変良く出来た従業員です。

秋吉久美子が演じているというのがまたいいですね。

秋吉久美子
Google検索画面より

彼女は、いわゆるプッツン系に属しているように一見思われますが、かつては「(子どもは)卵で産みたい」なんて名言を残した、なかなか聡明な女性なのです。

原作のように、ブラックジャックの活躍だけではなく、ブラックジャック(坂東次郎)を支えている人がいる、ということを見せておくことで、キャラクターに対する感情移入もしやすくなるわけです。

千秋役の五十嵐めぐみは、実生活で夫と死別したり、子が発達障害だったりと、いろいろ大変な人生を歩んでいます。

五十嵐めぐみ
Google検索画面より

ポーラテレビ小説の『さかなちゃん』に抜擢されながら、過去にヌード歴がある「お色気系」だったと週刊誌の餌食になったこともありましたが、同じぐらいの時期に、NHK連続テレビ小説の『雲のじゅうたん』に抜擢された浅茅陽子も、やはり過去のヌード歴を暴露されていました。

編成が、過去を調べなかったというよりも、たとえ局の看板ドラマとはいえ、ヌード歴がマイナスになる、という考え方をこの頃からしなくなったのでしょう。

五十嵐めぐみは、朝の帯ドラヒロインの資質を変えたという意味で、テレビ史に名を残す人になったのかもしれません。

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