完全復讐マニュアル最強大全【合本】（三才ブックス）：戦後史の激動：So-netブログ

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完全復讐マニュアル最強大全【合本】（三才ブックス）　[生活] [編集]

完全復讐マニュアル最強大全【合本】（三才ブックス）は、会社・学校・友人・恋人・隣人などに対する復讐例を紹介しています。本書は、『月刊ラジオライフ』2013年11月号の第1特集『完全復讐マニュアル』と、2020年5月号第1特集『完全復讐マニュアル令和版』を合本して、Kindle版としてリリースされました。

人間というのは、自分も他者もずるい存在です。

だから、真剣に付き合えば付き合うほど、裏切られたり、齟齬が生じたりするものです。

もちろん、それは「お互い様」です。

逆に言えば、他者に恨みつらみを感じない人は、あまり真面目に人付き合いしない人ではないか、という疑いすら抱いてしまうのです。

本書のリードにもこう書かれています。

社会とは理不尽なものである。軽い冗談から攻撃＝イジメの対象とされたり、自分に非がなくとも謝罪を要求されたり、得意先からムチャな要求をされたり…。そんな目に遭っても、怒りや不満をグッと押し殺し、耐え忍ぶのが恒。社会とはそういうものだ…。しかし、それがもう限界だというのなら、復讐しかない。暴を以て暴に易う。自分が味わった苦痛を、それ以上にして味合わせてやる。自分の心を救うために

そこで、つい本書を読んでしまったわけですが……。

結論として、読んでよかったと思いました。

それは、タイトル通りに「最強」の復讐方法がわかったからではありません。

そういうことがバカバカしいと気がつくからです。

なんだかなあの「復讐」ばかり

内容ですが、まあ、はっきりいって犯罪か不法行為です（笑）

かりに刑事的に罰せられなかったとしても、民事で訴えられるかもしれないものばかりで、少なくともまともな溜飲の下げ方とはいえません。

しかし、嫌なことをサれた。だから仕返しをする、という単純な行為は、こんなものかもしれません。

たとえば、「裏切った恋人の戸籍を汚す」という項目は、勝手に婚姻届を出して結婚歴をつけてやれ、と書かれています。

いやいや、それはだめでしょう（笑）

婚姻届で、他人の署名押印部分を勝手に偽造したことは有印私文書偽造罪になり、役所に提出したことで偽造有印私文書行使罪（刑法159条）となります。3か月以上5年以下の懲役刑ですよ。

今は戸籍もデジタル処理ですから、間違った戸籍の書き換えをさせたことは、電磁的公正証書原本不実記載罪にもあたります。10年以下の懲役、または100万円以下の罰金刑です（刑法161条の2第2項）。

前科がついても、という覚悟でやりますか。

しかし、現代の戸籍はデジタル作成ですから、その虚偽婚姻記載は削除されておしまい。

記録に残らないのですから、「汚す」ことはできません。

しかも、それは相手が危険を察知して、事前に『婚姻届不受理申出』を行っておけば、そもそもその行為自体が成立しません。

その他、たとえば、会社に報復するなら、エアコンの室外機にコークボンドを入れて使い物にならなくしろとありますけど、子供のイタズラじゃないんだから。バレたら後から弁償させられるだけでしょう。

会社の上司のPCに、「ドライブ内のすべてのデータを削除」するコマンドを入れろとか、ジョークソフトを入れろとか書かれていますが、業務に差し支えたら、「復讐」したその社員にとっても得策ではないかもしれません。

だって、そのことで社内の業務が止まったりやり直しになったりして、課内は共同責任で、残業の日々とかね。

「学校への復讐」としては、ダメ教師たちのいる職員室に永久FAX攻撃をしろと書かれています。

「永久」って、いつまでやるつもりかわかりませんが、威力業務妨害で3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

いじめっ子に対しては、いじめたクラスメイトを名指しして遺書を書き、自殺の名所に行って見つかれば騒ぎになると書かれています。

要するに、「狂言自殺」で復讐しろと言っているのです。

これをやったら、捜査の人をたくさん動員します。社会に迷惑をかけることで、少なくともネット民の餌食になるでしょう。本来はいじめの被害者のはずが、名誉毀損や、「遺書」の内容次第では脅迫罪に問われるかもしれません。

まずは、学校、教育委員会などに相談し、法的なアドバイスが必要な場合は、弁護士にもたずねるのがオーソドックスなやり方でしょう。

……ということで、なんだかなあの「復讐」オンパレードです。

ちょっとは期待したので（笑）、がっかり。

でもまあ、「復讐」なんて考えるもんじゃないよな、という結論を得ることはできましたね。

相手を見返すことで活路を見出すしか無い

結論としては、『人を呪わば穴二つ』ということではないかと思います。

『人を呪わば穴二つ』とは、他人を呪い殺そうと墓穴を掘る者は、自分の墓穴も掘らなければならなくなる、という意味です。

仏教の教えによれば、私たちの運命は自分の行いによって生み出されるとされ、これを「因果の道理」と呼びます。

善い行いをすれば幸せな運命が、悪い行いをすれば苦しい運命が生じるとされています。

つまり、復讐という「悪い行い」に向かったら、さらなる苦しみを生むということです。

法句経には次のような教えがあります：

怨みに、怨みをもってせば、ついにもって休息を得べからず。忍を行ずれば怨みをやむことを得ん。これを如来の法と名づく。

「返し」は連鎖され終わりがないから、忍耐によってのみ、報復の連鎖を断ち切ることができると説かれているのです。

そこで、仏教では、復讐の代わりに忍耐や慈悲の心を持てとされ、それ自体が「六波羅蜜」という修行のひとつに数えられています。

復讐したいエネルギーは、自己実現を達成することに向けて、結果を出して相手を見返すしかないんですよね。

人生、辛いことあるよね。

でも、そんなものだと思って生きていこう。

逆にそんな気になれた書籍です。

そういう意味で、ご一読をお勧めします（笑）

みなさんは、これまでの人生で、人を恨んだり、復讐したいと思ったりしたことはありますか。