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まんが芸能界最強不良列伝(アンソロジー著、コアマガジン) [芸能]

まんが芸能界最強不良列伝(アンソロジー著、コアマガジン)

まんが芸能界最強不良列伝(アンソロジー著、コアマガジン)は、武勇伝やブラックなイメージが話題の芸能人について紹介した漫画です。羽賀研二や横浜銀蝿など、たんなる「不良」のレッテルを超えた深い描き方が興味深い話ばかりです。



『まんが芸能界最強不良列伝』は、コアコミックスというレーベルのついた漫画によるムックシリーズです。

本書は2023年9月21日現在、AmazonUnlimitedの読み放題リストに含まれています。

なお、今回は文中は原則敬称略とさせていただきます。

「ほしのもと」が人生を翻弄


芸能界やプロスポーツ界などで、悪そうな人、過去にトラブルを起こした人などについて、その生い立ちや出来事を振り返った漫画です。

ネタバレになりますが、誰について書かれているか、ご紹介します。

松田優作、長渕剛、清原和博、清水宏次朗、押尾学、横浜銀蝿、羽賀研二、ガッツ石松、魔娑斗、KID、小次郎、高谷裕之、尾崎豊、勝新太郎、北島三郎、田代まさし、ジョニー大倉、蛭子能収。

「不良」というタイトルですが、その実態は、黒幕という意味での「悪」だったり、奇行だったり、非常識だったり、本人はクレバーだったけれど不良のカリスマだったり、と、かなり広い意味でくくられています。

内容は、これまで芸能マスコミが報じているとおりでしたが、救いようのない悪い奴、というスキャンダラス描き方ではなく、その生き様の背景や、その人の功績などもきちんと描かれています。そこがいいですね。


たとえば羽賀研二の巻などは、「人生はいかにほしのもとが大事か」というのが改めてわかりました。

本誌によると、アメリカ軍人の子である羽賀研二は、極貧の上にいじめられ、しかも家に帰ると母親は見知らぬ米兵と重なっていた……という幼少期を過ごしています。

それが、嘘をつくこともいとわない金への執着と二枚舌、女性を信用しないアイデンティティにつながっているといいます。

では、羽賀研二は母親を怨んでいるのかというとさにあらず、むしろより執着しています。

たとえば、一緒にブレイクした野々村真とは普通に友達付き合いがあったらしく、羽賀研二にしては意外ですが自宅まで招いており、そこには、「母ありて我あり」という自筆文字による紙が貼ってあったそうです。

そして、「ボクは母子家庭で苦労したからねえ。真もお母さんを大切にしなよ」とアドバイスしています。

さらに、結婚相手も、母親の介護をしてくれたという理由で選んでいます。(のちに離婚)

本誌は、「その心の奥底の闇には天使と悪魔のどちらが潜んでいるのだろうか?」と結んでいます。

いや、どっちも本当の羽賀研二だと、私は思います。

人間なんて、善人・悪人と単純なレッテルは貼れません。

仏教的にいえば、すべては因縁であり、善人(悪人)の部分があればこそ真逆の面も持ち合わせているということです。

たとえば、優しい人は、優しさゆえ、反面優柔不断だったりずるかったりするでしょ?

それを、仏教では因縁といいます。

暴走族から自力でメジャーデビューへ



横浜銀蠅といえば、メンバーには嵐と翔という実の兄弟がいます。

2人はグループ名通り、横浜の戸塚出身。

本誌によると、ヤクザや肉体労働者も外国人であふれ、喧嘩やカツアゲがはびこる街だそうです。

あ、本誌がそう書いているので、私の意見ではありませんよ。

そこで、兄弟は喧嘩に負けて返ると、軍隊上がりの厳格な父親は「またケンカに負けたのか。この意気地なしめっ!!」と、さらに殴られたそうです。

そこで兄弟は、まずケンカに強くなることだと悟り、ケンカは先手必勝。

まず、机やあたりのものをひっくり返すことで、相手が戦意喪失することを覚えたそうです。

高校に入ると、暴走族を結成。

チーム力で相手をねじ伏せることも学んだそうです。

継続は力なりで、次第に人数が増え、50人を超える大所帯になったチームは横浜銀蝿と名乗るようになりました。

しかし、1978年。暴走族対策の法律(道交法の「共同危険行為の禁止規定」)が制定され、兄弟は暴走族からバンドに転向することとします。

その時の名前が、THE CRAZY RIDER 横浜銀蝿 ROLLING SPECIAL

見様見真似で初めたバンドながら、暴走族の動員力で、伝説となった「横浜新道800台集会」に。

横浜銀蝿はメジャーデビューしましたが、スタッフや芸能人との小競り合いが日常茶飯だったそうです。

本誌に描かれているのは、ジャニーズタレントと反りが合わなかったこと。

近藤真彦と思しきタレントとは、番組司会者の堺正章が仲裁に入るまで殴り合う寸前だったとか。

弟分の嶋大輔と杉本哲太は、シブがき隊と揉めたことも描かれています。

そして、ラッツ&スターとの不仲説にも言及しています。

もっともそっちは誤解で、本当は良い付き合いをしているそうです。

シャネルズの謹慎中に、横浜銀蝿がデビューしているので、彼らの人気を横取りしたように思われたのではないか、とのことです。

まあ、コント55号とザ・ドリフターズとか、桜田淳子と山口百恵とか、不仲説が誤解だったということはめずらしいことではないですね。

その方が芸能ゴシップ的には面白いでしょうし。

真相は、キャラ的にかぶるからお互い表向きは距離を置くというとだったのでしょう。

いずれにしても、高校時代に暴走族ではあったのでしょうが、生き方としては決して「悪」ではないと思います。

事務所の強力な看板で出できたタレントではなく、自力でノシあがってメジャーデビューした横浜銀蝿はすばらしいことですよ。

そんな横浜銀蝿も、もう再結成はかないません。昨年、嵐ヨシユキさんが肺炎で亡くなったからです。

嵐さんは、以前も脳梗塞を罹患したことがあり、晩年は病気と付き合いながらの活動だったようです。

ということで、本書は「不良」の特集ですが、羽賀研二にしろ、横浜銀蝿にしろ、「不良」のレッテルだけでは語りきれない深い描き方をしていて、いずれも興味深い話ばかりです。

おすすめの1冊です。

まんが芸能界最強不良列伝 (コアコミックス) - アンソロジー
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赤面症

蛭子能収さんは「不良」ではなく「非常識」かな?
by 赤面症 (2023-09-21 01:04) 

よしあき・ギャラリー

本文だけでも十分楽しめました。^^
by よしあき・ギャラリー (2023-09-21 06:18) 

pn

まあ犯罪者だよね(笑)
by pn (2023-09-21 06:24) 

Take-Zee

おはようございます!
ようやく涼しくなりました!!

by Take-Zee (2023-09-21 08:45) 

kohtyan

勝新太郎、横浜銀蝿、清原和博らは、不良列伝に
ぴったりです。
by kohtyan (2023-09-21 08:59) 

コーヒーカップ

個人的にこういう悪を武勇伝などとして
それを良しとする風潮には断固として反対です。
こういう輩の為に傷つく人が沢山いるのです。
by コーヒーカップ (2023-09-21 11:19) 

いっぷく

>まあ犯罪者だよね(笑)
わたしたちだって、いつ間違いを犯す「犯罪者」に転落するかわからないんですよ。

このブログでは何十回も書いていますが、犯罪者を犯罪者と責め立てるのはジャーナリズムで、文芸作品は、なぜその人がそうなったかを描ききることで、人間とはなんだろうということを追求するものです。
「こいつは悪いやつだ、許せん」
だから何?
それは法律に照らして裁判することで、不倫だのサツ人だのといったものは、「そんなものは社会的に許されない」と紋切型の否定をしたらそこで終わってしまいます。
事の善悪は法律に照らせばアタリマエのことで、ではなぜそれでもヤッてしまうのかを描くのが文芸作品の役割ということです。
by いっぷく (2023-09-21 14:05) 

yokomi

面白そうな本(^_^)v つい、ポチッとするかも(^_^;)
by yokomi (2023-09-21 14:51) 

お散歩爺

一応映画や芝居に音楽で活躍した人達のようですね。
by お散歩爺 (2023-09-21 17:28) 

micky

面白く読みました。育ち方でいろいろおきてくるのですね。赤面症さんのコメントに賛成票。
by micky (2023-09-21 21:02) 

tai-yama

北島三郎さんはこのメンツの中では意外かも。
最強、渡瀬恒彦さんは出てこないのかな?
by tai-yama (2023-09-21 23:54) 

pn

うん俺も犯罪者だからf^_^;
by pn (2023-09-23 06:25) 

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