カラス飼っちゃいました (犬飼ヒロ著、ぶんか社) は、子どもの頃から生き物好きな著者が、嫌われ野鳥のカラスを飼ってしまった話です。犬の散歩時に遭遇したカラスのヒナは野生には戻れないと獣医から宣告。以来、面白困った飼育の日々が始まります。
『カラス飼っちゃいました』は、犬飼ヒロさんが、ぶんか社から上梓した漫画です。
本当にあった笑える話、というシリーズ名がついています。
この記事は、Kindle版をもとにご紹介しています。
このマンガはうっかりカラスに手を出すとどうなるのか……
カラズがペットでない理由を克明に綴った記録です。
というまえがきから始まっています。
作者は、幼少の頃から生き物が好きで、お小遣いを貰うとしょっちゅう生き物を買い、金魚、亀、ザリガニ、そして押し入れでセキセイインコを飼うなどしていたそうです。
それが、嫌われ野鳥のカラスを飼うことにつながるわけです。
本書によると、九官鳥のようにモノマネをしたり、人になついたりするカラスの「かぁ子りん」との生活を通じて、知られざるカラスの生態を学べるコミックエッセイです。
本書はKindleUnlimitedの読み放題リストに含まれています。
賢くて社交的な鳥
カラスは、コウモリ目・カラス科に属する鳥類で、世界中に約40種が分布しています。
カラスは、ペットとして飼われることは一般的ではありません。
我が国では、カラスとしては最も数の多いハシブトガラスにしろ、ハシボソガラスにしろ、
カラスは、ハトやスズメ同様、「鳥獣保護管理法」の対象です。
ですから、野生のカラスを持ち帰って飼育することは、法律上はできないことになっています。
カラスに限りませんが、そもそも野生で暮らしているほとんどの動物は、「鳥獣保護法」によって保護されています。
許可なく攻撃したり捕獲したりすると、違法行為となってしまうのです。
では、どうして作者が飼うことになったのか。
野鳥の一時保護は認められることがありますが、いったん保護してから、実は鳥の身体が病気や怪我のため、もう野生に帰れないとわかることがあります。
その場合、そこで捨ててしまうことができずに、結局保護者が飼い主になってしまうのです。
作者もそうでした。
犬の散歩をしているときに、犬が傷ついて飛べなくなっているカラスのヒナを発見。
ある飼い猫に噛みつかれたのですが、飼主は「気持ち悪いから、あなた持っていって頂戴」と自分勝手なことを言ったそうです。
カラスを診てくれる病院で待つこと10時間。
羽も肝臓もやられていたカラスのヒナは、もう野生には戻れないと宣告されてしまいました。
しかし、オウムと同じで、カラスの寿命は30年と長い。
飼うとなると、人生のかなりの時間を費やすことになります。
しかも、野鳥ですから飼うことを前提としていないので、マニュアルはありませんしね。
引き取ったら、覚悟がいりそうです。
作者は、保護したカラスに、かぁ子と名付けました。
ただし、カラスはオスでした。
なぜオスとわかるかというと、メスの鳥は人間の「異性」に懐くと発情して、卵を生んでしまうのですが、かぁ子は何年経っても卵を産まないので、オスだそうです。
いろいろなエピソードや気付きは、本書で詳しくご覧いただくとして、著者はカラスの他、犬、猫、ハムスターなどを室内飼いして動物園化している上に、作者自身は出産もしています。
私はカラスを飼ったことはないのでわかりませんが、赤ちゃんのためにはどうなんだろうと思いますよ。
おっぱいの甘い匂いと、新鮮な柔らかいお肉の赤子は、とくにカラスのようなお肉大好きの野鳥に対してどうなのか。
大人なら、つつかれても「痛い」ですみますけど、赤ちゃんのほっぺをあの鋭角的なクチバシで……
専門的なことはわかりませんが、脂粉アレルギーの心配もあります。
小さいときから牛乳を飲ませると、牛乳アレルギーになる、というではありませんか。
あれと同じことってないんですかね。
感染症の心配もあります。
野鳥は、空飛ぶネズミといわれますよね。
人鳥の「種の壁」が、はたして生まれたばかりの赤ちゃんでも確立されているのか心配です。
まあ、マンガにはそういったことは全く描かれていませんけどね。
何もなく無事育ったということでしょうか。
野鳥を保護することの良し悪し
なお、一般的にカラスは長寿ですが、かぁ子は30年は生きなかったようです。
あとがきには、かぁ子への惜別の辞が書かれています。
感謝の気持が綴られていますから、作者にとってもかぁ子にとっても、よい時間を過ごせたということではないでしょうか。
私は、カラスの保護飼育をしてみたい!とは思えませんでしたが(大変そうなので)、最近では、スズメ、鳩、雛鳥、ツバメ、そしてカラスなど、野鳥の保護⇒飼育を行う動画がYouTubeにアップされることが増えてきました。
ただ、動物愛護はいいのですが、動画によっては、野鳥をペット化してしまうことが、その野鳥にとっていいことなのか考えさせられることもあるので、競い合って動画にアップして、流行してしまうことはちょっと気になります。
みなさんがどうお考えになるか、ぜひご一読をおすすめします。
以上、カラス飼っちゃいました (犬飼ヒロ著、ぶんか社) は、子どもの頃から生き物好きな著者が、嫌われ野鳥のカラスを飼った話、でした。
カラス飼っちゃいました (本当にあった笑える話) - 犬養ヒロ
カラスはクチバシが長く鋭角的で怖そう
by 赤面症 (2023-09-08 01:05)
そのうち人間が馬鹿にされそうな気がします。^^;
by よしあき・ギャラリー (2023-09-08 05:15)
野鳥を撮ってますが、傷ついているからと言って
手を加えてはいけないと基本的に思います。
by コーヒーカップ (2023-09-08 06:09)
つばめくらいの大きさなら良いけどカラスとなるとなぁ(^◇^;)
by pn (2023-09-08 06:13)
おはようございます!
野生のヒナは拾うものではないですね!
まず、育ちません。
数年前、巣から落下していたツバメのヒナ。
元の巣に戻しても親鳥は人の匂いのついた
子どもは育てないようです (*-*)!
by Take-Zee (2023-09-08 10:10)