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桜むつ子、『お嬢さん社長』など映画やドラマで活躍した名脇役 [懐かし映画・ドラマ]

桜むつ子、『お嬢さん社長』など映画やドラマで活躍した名脇役

桜むつ子さん(さくらむつこ、1921年2月15日~2005年1月23日)の命日です。軽演劇出身で、映画やドラマでは役名がないか、あっても劇中で呼ばれることはほとんどない端役も少なくなかったのですが、1950年代~2005年まで息長く仕事をしました。



ちょい役、端役などというと、役者としてちっぽけなイメージがありますが、そうではないのです。

セリフが一言、出演は1シーンでも、それが素人だと、そこで作品は壊れてしまいます。

また、連続ドラマなどの場合、普段は飲み屋の女将で原則1シーンしか登場しないのに、回によってはストーリーに変化をつけるために、出番が増えることもあります。

そういうときも、きちんと芝居がデキる人でないと困ります。

主演や助演でなくても、しっかりとストーリーを動かしてくれる役者は、映画やドラマでは不可欠ですが、その一人が桜むつ子だと思います。




ツイッターで検索すると、「軽演劇時代は花形女優だった」「小津安二郎映画の常連だった」「永井荷風のお気に入りだった」と出てきますね。

私はリアルタイムでは見ていませんが、戦前、そして戦後の10年間ぐらいは、桜むつ子は軽演劇や松竹映画で活躍しました。

ただ、やはり小津安二郎映画でも、序列としては5番手、6番手ぐらいで、たとえば原節子をワキに回して主演を、ということはありませんでした。

以前、初井言榮さんをご紹介したことがあります。

初井言榮、早熟でかつ大器晩成だった“冷徹で手厳しい姑役”女優

劇団青年座を結団した、新劇界では大重鎮でしたが、映画やドラマでは、晩年の数作をのぞくと、ストーリーを盛り上げるための脇役でした。

桜むつ子も、軽演劇の花形役者といわれながら、映画やドラマの多くは、飲み屋の女将さんや、近所のおばさん役がほとんどでした。

しかし、顔と名前が売れて演技も信頼できる役者が脇に回ってくれていることで、その映画やドラマの出来は格段に良くなるのです。

『お嬢さん社長』


『お嬢さん社長』を“お嬢”こと昭和の歌姫・美空ひばりが熱演

お嬢さん社長』(1954年、松竹)は、「お嬢」というタイトルの通り、美空ひばりの主演映画です。

といっても、事の順序は逆で、本作に出演してから、美空ひばりは『お嬢』と呼ばれるようになったともいわれています。

いずれにしても、1950年には映画『東京キッド』、前年に『リンゴ園の少女(主題歌は『リンゴ追分』)』が映画も歌も大ヒットして、映画会社も芸能界も、美空ひばりに食わせてもらう、という機運がいよいよ高まっていた時期だと思います。

桜むつ子は、美空ひばりが片思いする舞台監督(佐田啓二)の恋人(小園蓉子)の母親役です。

浅草裏お稲荷横丁という長屋の住人です。

60年以上前の映画ですが、ストーリーもテンポよくまとまっていて、中だるみもなく完成度の高い作品であると思います。

川島雄三監督です。

『6羽のかもめ』


桜むつ子
6羽のかもめ』(1974年10月5日~1975年3月29日、フジテレビ)は、分裂を繰り返し、6人になってしまった劇団員たちの話です。

倉本聰が、実際にあった話を原案としているとされ、テレビ業界の裏話のようなエピソードが次々出てきて、今なら面白かったかもしれません。

劇団のマネージャーのように、テレビ局や映画会社に売り込みを行う長老俳優役が加東大介でしたが、その夫人役が桜むつ子でした。

なんという名前かも明らかではなく、夫人の振る舞いがストーリーを動かすこともありませんでした。

しかし、主演の家庭の様子を描くのに、夫人の存在は不可欠ですから、大切な役でした。

もしこれが、名も知らぬ役者が、一応脚本通りに芝居をしているだけだったら、家庭生活についてのイメージが視聴者に確立せず、加東大介のキャラクターも鮮明にならなかったと思います。

その他、フランキー堺の代表作でもある『私は貝になりたい』でも、桜むつ子は夫人役をつとめています。

たぶん最近もそうだと思いますが、映画やドラマには、主演や助演以外に、1シーンしか出ない端役でも顔を知っている役者がいるとおもいます。

そういう役者も気にしながらキャスティングを見ると、さらに作品についての興趣は広がることでしょう

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末尾ルコ(アルベール)

桜むつ子、『お嬢さん社長』など映画やドラマで活躍した名脇役・・・お恥ずかしながらまたまた、出演作は多く鑑賞しているのですが、「桜むつ子」というお名前すら存じませんでした。それにしてもいつもながら、こうした俳優たちを取り上げてくださるのは本当に素晴らしいです。どれだけ作品鑑賞が深まるか計り知れませんし、同じような思いの方々、とても多くいらっしゃると思います。何よりも、素晴らしい実績を持っているにもかかわらず、メディアが滅多に取り上げることのない俳優たちをこうして取り上げてくださることは、俳優の方々にとっても最高の贈り物となっているのではと思うのです。凄いです。
桜むつ子のプロフィールを見てみると、90年代からも、『シコふんじゃった。』『幻の光』『がんばっていきまっしょい』『十五才 学校IV』『スウィングガールズ』と、一線級の監督作品に出演しておりますね。やはり桜むつ子の実績や存在感に敬意を持つ監督が多かったのでしょうね。

>「小津安二郎映画の常連だった」「永井荷風のお気に入りだった」

なにせ、この2つのエピソードだけでも、(うわっ!凄い人だ!!)ということになります。

『お嬢さん社長』・・・美空ひばりの生前に、萬屋錦之助、松方弘樹の三人で対談する番組があったのですが、ひばりが錦之助を「錦兄(きんにい)」と呼び、松方がひばりを「お嬢」と呼んでいたのを耳にして、超大物同士のくしたやり取りをとても好ましく感じ、すごく印象に残っています。「お嬢」という呼び名はこの映画からなのですね。しかも川島雄三監督!この作品もご覧になってらっしゃるのですね。素晴らしいです。実は美空ひばり出演の映画はまともに観たことないのです。(歌謡映画ってどうなの?)というイメージがあったのですが、それも昔のお話(笑)。美空ひばり出演作も、今後ぜひ観てみたいものです。

>家庭生活についてのイメージが視聴者に確立せず、加東大介のキャラクターも鮮明にならなかった

そうでしょうね。「加藤大介」という実力あるスター俳優の妻役ですから、かなりの格のある女優でなければ務まりません。こうして考えていくと、本当に作品の隅々まで観る愉しみが大きく増してきます。

わたしも少し「がっつり」について調べてみましたが、「高知などで使用頻度が高い」とも言われておりますね。確かに昨今、高知ではやたらと「がっつり」と、特に若い女性が言います。しかし少なくとも20年くらい前まではまったく耳にしませんでした。だから何らかの影響で急激に広まったのは間違いないと思います。
わたしは語感とか、使われ方とかで自分が使うか否かをほぼナチュラルに決定していきますが、そして自分の選択が万人に適用できるとも思っておりません(笑)し、それぞれの判断でいいと思うのですが、少なくとも「選択しつつ」言葉を使ってほしいと考えております。ただ単に世の中で使われている言葉を無批判に垂れ流している人たちって、ほぼ間違いなく話の内容も頭痛ものなんですね。「レジェンド」が流行ればどこでもかしこでも「レジェンド」とか、「半端ない」などもそうですよね。無批判、無神経というのがすごく嫌なのです。それと、「共通の流行り言葉を使う閉鎖空間」のヌルい雰囲気もどうもいけません。   RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-01-23 03:22) 

pn

加東大介の奥さん役なのに名前が分からないってーのも凄い気が、主役の奥さんですよね?(^_^;)
by pn (2019-01-23 08:14) 

えくりぷす

桜むつ子さん、全く知りませんでしたが、そんな役者さんがいるからこそ良い映画が出来るわけですね。
見たら『スイングガールズ』なんかにも出ているんですね。再見して確かめないと( ^ω^)・・・
by えくりぷす (2019-01-23 09:47) 

Take-Zee

こんにちは!
懐かしい女優さんです。
お若いときは可愛い顔されていたんですね!

by Take-Zee (2019-01-23 15:07) 

kou

お顔は分かってましたが、名前は知りませんでした。
まさに名脇役ですね!
by kou (2019-01-23 19:03) 

なかちゃん

残念ながらお名前も存じ上げません。
でも、主演でも助演でもなく、それでもしっかりと作品に絡んで演技の確かな女優さん、一度観てみたいですね。

by なかちゃん (2019-01-23 19:51) 

ナベちはる

主役だけでなくて脇役がいてこそ成立する作品、良いものになっているのですね。
by ナベちはる (2019-01-24 00:29) 

犬眉母

ドラマや映画では、よく見る方でしたね。
色々出られていたのですね。
by 犬眉母 (2019-01-24 02:29) 

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