『告白平成プロレス10大事件最後の真実』人生は自分で答えを出す [スポーツ]
『告白 平成プロレス10大事件 最後の真実』(宝島社)を読みました。今日誕生日の長州カ(ちょうしゅうりき、1951年12月3日~)も含めて、1人の寄稿、18人のプロレスラーおよびプロレス関係者のインタビューが掲載されています。
本書『告白 平成プロレス10大事件 最後の真実』は、タイトル通り、平成に入ってプロレス界で起こった大きな出来事について、関係者がインタビュー形式で証言するものです。
プロローグにターザン山本が寄稿。
インタビューは、長州力、宮戸優光、安生洋二、鈴木健、前田日明、永島勝司、橋本かずみ(橋本真也元妻)、高島宗一郎(元実況アナ)、ジェラルド・ゴルドー、川田利明、渕正信、ミスター高橋、水道橋博士、上井文彦、田中ケロ、秋山準、齋藤彰俊などが登場しています。
何について語っているかは、ファンならご存知だと思います。
Amazonのレビューの中には、こういう声もあります。
「改めて当事者に話を聞いてみました。そしたら一つ二つ、珍しい話も聞けました」的な本という印象です。 金や人間関係などスキャンダラスな領域にも触れているので、目新しい文章もちらほらありますが、 「告白」というタイトルや「10大事件 最後の真実」というほどセンセーショナルな作りの本ではありません
つまり、「期待はずれ」というニュアンスなんですが、私は「そうかな~?」と思います。
この書籍は、一人の著者が、取材を積み重ねて論考を進め、なにか結論を出しているものではありません。
過去の出来事を、そのプロセスや後日談について、関係者1~2人の懐古、UWF分裂については、前田日明でも高田延彦でも藤原喜明でもない3人の「思い出し座談会」で述べているに過ぎません。
「事件・出来事」として新たな事実、というほどのものが出でくるわけがないのは当然のことです。
それよりも、読者自身が一人一人の話をじっくり読み、そのささいな表現や「一つ二つ、珍しい話」から、読む者自身が新たな真実にアプローチするための本なのです。
要するに、レスラーのインタビューにまるごと教わるのではなく、自分の頭で考えなさい、という本です。
では、私は何を考えたのか、ということですが、最後の齋藤彰俊のインタビューが印象に残ったのでご紹介いたします。
自分の人生は自分で答えを出して自分で進まなければならない
齋藤彰俊は、空手や水泳などを経験して、プロレスデビューが1990年。
その後、新日本プロレスのリングに上がり、21世紀に入ると、プロレスリング・ノアに戦いの場を移します。
そして、2009年6月13日、広島県立総合体育館グリーンアリーナ(小アリーナ)で行われたGHCタッグ王座選手権。
バックドロップをかけた相手の三沢光晴が、意識不明・心肺停止状態に陥って「頸髄離断」で死亡しました。
死因は「頸髄離断」といいながら、三沢光晴の首の骨に骨折はなかったそうです。
つまり、バックドロップで「離断」したというより、それまでの戦いで少しずつダメージが蓄積していたと見たほうがいいでしょう。
90年代の「四天王プロレス」と、直近の三沢光晴のトレーニング不足としかいいようのないコンデイションこそが、その遠因だったと見たほうが良いと思います。
ですから、齋藤彰俊の立場からすれば、「なんで自分のときに……」という“間の悪さ”は内心で感じて当然だと思います。
しかし、現実に自分の一撃後、三沢光晴は亡くなった。
齋藤彰俊は、プロレスをやめるか、自分の人生そのものをやめるか、悩んだそうです。
「でも、昔のように、なんの屈託もなく無邪気に笑ったりすることは、もうなくなりました」
「(三沢光晴の死亡以前に)もし戻れるなら、戻りたいですよ」
「でも、時間を戻すことはできないのだから、前に進むしかないんですよね」
齋藤彰俊によると、三沢光晴は、自分がリングで亡くなった場合を考えて、対戦相手に手紙を書いていたそうです。
この三沢光晴の言葉は強烈。そしてこの齋藤彰俊のインタビューは興味深いものがある。『KAMINOGE』vol,42。 pic.twitter.com/H8VRCNz4Wf
— ターザン山本! (@tarzany) 2015年5月26日
そこには、「(何を考えどう生きるべきか)答えは自分で見つけるしかない」と書かれていたといいます。
具体的には何も教えてくれてはいませんが、そのような立場にある人には至言です。
不運だろうが、不可抗力だろうが、いくら言い分があっても起こってしまった現実は消えない。
では、それをどう乗り越えていけばいいのか。
ひっきょう自分の人生は、自分で答えを出して自分で進まなければならないものなのです。
第三者が干渉するものでもないし、また第三者に依存するものでもありません。
これは、齋藤彰俊のようなケースでなくても、たとえ誰であっても、人生のあらゆる局面でいえることなのです。
人生の選択は自分が決めるもの
たとえば、最近もよく言われるじゃないですか。
最近の若い男は草食系で、かつ結婚の決断できないから、女は結婚できなくなったとか。
http://konkatsuwasshoi.web.fc2.com/
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この粂美奈子とかいう人の考察がもし本当なら、いったい、その女性はいつになったら「星の王子さま」待ちの人生観を卒業できるのか、といいたいです。
女性に対する、母性保護などは当然ですが、自分が結婚するかどうかは個々の人生の問題です。
人生ですから何らかの不本意な「ほしのもと」の制約はあるとしても、自分をとりまく現実は自分で何らかの結論を出して進むしかないのです。
人生をそういう覚悟で生きてますか。
告白 平成プロレス10大事件 最後の真実
『告白平成プロレス10大事件最後の真実』人生は自分で答えを出す・・・この本は未読ですけれど、わたしもプロレスラーのインタヴューを読むのは大好物で、同じ試合についてレスラーによってまったく違う話になるのもしばしばで、そこがおもしろいところですよね。しかも同じレスラーでもインタヴュー時期によって、違うことを言う場合もしばしばだという(笑)。この本はわたしとしては、宮戸優光、安生洋二、鈴木健、前田日明と並んでいるだけでも価値ありと思います。宮戸、安生と前田の言い分がまったく違うのはいつものことですが、宮戸と安生の間も微妙に違う話になったりしますよね。なにせこの顔ぶれはUWF時代からきな臭い上に、安生、米田襲撃・失神事件もありますから、興味は尽きません。
>自分の頭で考えなさい
そうなんです。レスラーの談話は興味深いのですが、ほとんどがポジショントークになってしまいますし、感情にまかせてついホラ話になったり、意図的に嘘を言ったりする場合もあると想定せねばなりません。結局いつも読み手の想像力や思考力に委ねられるおもしろさがありますね。以前も何度かブログ記事などで書きましたが、内藤哲也が「想像するのがファンにとって一番贅沢な時間」なんてことを言ってますけれど、今のプロレスって、常に「説明し尽くして」、想像力の入る余地はほとんどないです。それは昨今のテレビドラマなんかもそうで、登場人物が台詞で全部説明したり、ナレーションで説明したりと、そのくらいしないと今の視聴者は理解できない人が多いというところだと思うのですが、自ずと作品レベルは幼稚になります。プロレスも同様で、技の難易度や危険度は格段に上がっているけれど、「作品」として捉えた場合、「幼稚」な感は否めません。
>ひっきょう自分の人生は、自分で答えを出して自分で進まなければならないものなのです。
そうなのです。今現在のわたしも、つくづくその気分なのです(笑)。
>粂美奈子とかいう人の考察
リンクしてくださっている文章読ませていただきました。粂美奈子という人は知りませんでしたが、「男が悪い」という結論ありきで世の中のことすべて見ている人なのでしょうね。わたし、フェミニズム関連の書籍もけっこう読んでますが、フェミニズムが歴史的に果たした役割は大きかったけれど、ラジカルなフェミニズム理論などはちょっとカルト宗教まがいの理論が炸裂している印象です。
>事実上そこの会社をメインとして働くということでしょうか。
東宝芸能所属の長澤まさみが概ねそんな形でやってますね。出演映画を見ると、ほとんどが東宝です。そこで東宝芸能の現有女優をチェックしてみましたら、「スター女優」と言えるのは長澤まさみくらいです。浜辺美波は長澤まさみに次ぐスターとして育てたいのだと想像します。
>演技指導とか教育ができない
本当にそうですよね。芸能事務所である程度はやる場合もあるのでしょうが、映画監督や俳優たちの談話などから類推すると、「まったくの新人を監督が現場で仕込みつつ撮影する」場合もあるようです。 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2018-12-03 03:31)
いっぷくさんいつも色んな事に精通していますね。
平成プロレス10大事件は知りませんが、前田日明、高田延彦は知ってます。
by ヤマカゼ (2018-12-03 06:22)
うん、男女問わず決断は自分で下さないと。
by pn (2018-12-03 07:25)
プロレスは女性にたいへん人気のようですね。
時代が変わったですね、力道山、ジヤイアント馬場の
頃はテレビにかじりついていましたが。
by kohtyan (2018-12-03 09:52)
「答えは自分で見つけるしかない」
齋藤彰俊の話はすごく深い話ですね。
by ピストン (2018-12-03 10:57)
こんにちは。
三沢さんが試合中の事故によって亡くなったと知ったのは、当時、亡くなってすぐに配信されたのを読んだネットのニュースででした。
その後、齋藤彰俊さんが試合後に三沢さんの写真だったかにリング上で土下座をして「社長、すみませんでした」と泣いて謝っていたという記事を、ネットのニュースで、写真付きで書かれたあったのを読んで、私も涙が溢れてしまい、その記事を思い出すと今でも涙が出てきます。
事故とはいえ相手選手が亡くなってしまったことに加え、当時は三沢さんの心ないファンからの嫌がらせがあったと聞いたことがあります。
もしかすると、もうプロレス界を去ってしまうのではないかと思ったこともありましたが、覚悟を決めてプロレスラーとして戻ってきたことに対しては賛否あったことと思います。
私はNOAHの会場で、齋藤彰俊さんに優しく接していただいた思い出があったので、戻ってきてくれたことで今まで以上に応援したいとそのときに思いました。
>齋藤彰俊によると、三沢光晴は、自分がリングで亡くなった場合を考えて、対戦相手に手紙を書いていたそうです。
もしもこの手紙がなかったら、齋藤彰俊さんはどうなっていたのかと思うと同時に、やはり相手の技を受けて立たなければならないプロレスの怖さを、選手自身が持っていないといけないのだと思わされました。
特に危険な技が増えてきていて、ピンポイントで頭部のみを攻撃する試合が目立つ現在のプロレス界では、そういった攻撃は一発で反則負けにしなければならないと思いますね。
by チナリ (2018-12-03 11:51)
そうですよね。
自分の人生、自分で答えを出して歩くしかないですね。
自分で納得のいく人生を歩いていけたらと思います。
自分に与えられた時間、大切に生きていきたいです。
by アールグレイ (2018-12-03 17:39)
こんばんは!
暖かい師走ですね・・
まだ年の瀬という感じがしません。
by Take-Zee (2018-12-03 18:02)
>自分の人生は自分で答えを出して自分で進まなければならない
おっしゃる通りですね。
人生は自分で作っていくものなので、あれこれ決めるのも自分ですね。
by ナベちはる (2018-12-04 00:38)