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岡田可愛、昭和40年代の青春スターが代表作と振り返る4作品とは [懐かし映画・ドラマ]

岡田可愛、昭和40年代の青春スターが代表作と振り返る4作品とは

岡田可愛さん(おかだかわい、1948年10月19日~)の誕生日です。昭和40年代にテレビドラマ史のエポックとなる作品に出演した青春スターの歩みを振り返りますと、『青春とはなんだ』『サインはV』『大江戸捜査網』『おひかえあそばせ』といったドラマを思い出します。



岡田可愛については、これまでにも何度かこのブログで書きましたが、昭和40年代の青春学園ドラマ、時代劇、スポ根ドラマ、ホームコメディという、人気ジャンルのドラマの代表的な作品に出ています。

岡田可愛
DVD『おひかえあそばせ』より

その意味では、昭和のテレビドラマ史を振り返るのに、欠くべからざる女優といえます。

何しろ、昭和40年代の中頃は、映画は吉永小百合、テレビは岡田可愛がブロマイドの売り上げが1位だったんですよ。

サユリストか、カワイストか、なんて言われるほどでした。

岡田可愛
岡田可愛オフィシャルブログより

今からもう15年前になりますが、あることで、私と妻は、岡田可愛さんが社長をつとめるアパレル会社『キッズエンジェル』を訪ねたことがありました。

妻は人たらし(笑)で、岡田可愛さんから「私の妹みたい」と気に入られて、カワイオカダブランドの服をいただいてました。

岡田可愛

私はその際、“そういう約束はなかった”のですが、青春ドラマスターを前にして、その時代の話を聞かずに帰るわけにはいかないと思い、いろいろ話を伺ってしまいました。

一部を抜粋してご紹介します。

『青春とはなんだ』(1965年10月24日~1966年11月13日、東宝・テアトル・プロ/日本テレビ)


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青春とはなんだ
日本テレビより

岡田可愛 芸能界入りは、うちの姉が児童劇団のチラシを見て(私をそこに)入れたのがきっかけなんです。『青春とはなんだ』で私はデビューしてるんですけども

ーデビュー作なんですか、あのドラマは?

岡田可愛 そうなんですよ。

ー松井勝子ちゃん!

岡田可愛 よくご存じ!ポニーテールの勝子ちゃん!

ー堂々たる演技でしたよね。

岡田可愛 いえいえ。その当時、『青春とはなんだ』は大変な人気ドラマで、役者になりたいという人の登竜門でもあったんです。1時間完結のドラマで必ずゲストがいて、地井武男さんとか中尾彬さんとか、みんなゲストで出てきてるんですよ。それで、劇団関係の人と付き合う機会がものすごく多かったんですね。そういう人たちから、「芝居っていうのはなあ、こうなんだ、ああなんだ」なんて教えてもらってて、自分もドラマの中で、「よし、今度はこういう芝居してみよう」と思うんです。ところが監督に、「芝居なんかしなくていい。若さだけを出せばいい」なんて言われてガーン(笑)、て感じでやってたんですけど。青春シリーズはね、もうホント、若さだけ。
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これは岡田可愛さんの誤認、もしくは思うところあって「ないこと」にしているのかもしれませんが、岡田可愛のデビュー作は、子役時代の『キューポラのある街』(1962年、日活)です。

『青春とはなんだ』における岡田可愛さんの役は、石原慎太郎の原作ではあまり目立たない役だったのですが、ドラマではあまりに輝きすぎて、本来女生徒の中心とされていた、豊浦美子や土田早苗が割りを食って霞んでしましました

ウルトラセブンのアンヌ隊員も、ひし美ゆり子になったことで語り継がれる役となったし、豊浦美子は、どうも引き立て役の「ほしのもと」なのかもしれませんね。

『サインはV』『大江戸捜査網』『おひかえあそばせ』


岡田可愛 サインはV』もそう(若さだけ)でしたね。だからもう、私は芝居をしてきたというよりも、自分の若さをぶつけてきたという感じですよね。そういった意味では非常にラッキーだったというか。いずれにしても番組に恵まれました。




私が出たドラマは、「青春」シリーズも視聴率トップになったし、『サインはV』(1969年10月5日~1970年8月16日、東宝/TBS)もなったし、『大江戸捜査網』(1970年10月3日~1971年9月25日、日活/東京12チャンネル)も出て。あと日本テレビの隠れた人気ドラマなんですけど、『おひかえあそばせ』(1971年4月7日~1971年9月22日、ユニオン映画/日本テレビ)。




これ、なかなか人気番組でね。私を知っている人は、結構その番組を評価してくれます。石立鉄男さんとか、宮本信子さんとか出てて……4姉妹……5姉妹か。

ー6人です。

岡田可愛 えーとね。冨士眞奈美さんでしょ、宮本信子、嘉手納清美、私……、あ、6人だ。よくご存じ。私のオタクじゃないの。ひょっとしたら(笑)『おひかえあそばせ』はそんなに長くなかったんだけど。

ー13回

岡田可愛 13回でしたっけ? アレ。ねえ、あれも面白かったんだけどねえ。なんか途中で終わっちゃったみたいで。

ー野球のない時だけの放送でしたからね。

岡田可愛 そう、雨傘番組だったからねえ。だから回数は……。

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岡田可愛さんが振り返られている通り、青春学園ドラマ『青春とはなんだ』は、大河ドラマを視聴率で抜くほどの人気ドラマでした。

功労者の岡田可愛さんは、その後の『これが青春だ』『でっかい青春』『進め青春』まで、134話、全話出演しています。

台本では、出演しない回もあったそうですが、岡田可愛さんは出演料を高校の授業料にあてていたので、監督に頼んで無理に出番を作ってもらったそうです。

『大江戸捜査網』は、マイナー感の拭えない東京12ch(テレビ東京)の放送でしたが、岡田可愛の出演した杉良太郎チームが同作を人気ドラマにして、以後の里見浩太朗編、松方弘樹編にバトンを渡しました。

『おひかえあそばせ』というのは、これまたこのブログで何度もご紹介している、石立鉄男主演のドラマシリーズの第一弾です。

『おひかえあそばせ』が好評だったことで、こちらも以後7作品もシリーズとして続きました。

まあ、それらが人気ドラマになったのは、もちろん岡田可愛だけの功績というわけではありませんが、ご本人がいわれているように、元気と笑顔の出演者が活躍することで、高度経済成長時代らしい、パーッと明るく楽しいドラマになったのではないかと私は考えます。

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社長シリーズでは娘役に抜擢


やはり、その原点は、彼女が東宝テレビ部と契約していた女優であり、東宝映画にも出演して、明るく楽しく爽やかなキャラクターで仕事をしたからではないかとおもいます。

岡田可愛は、東宝映画の看板シリーズ、『社長○○』シリーズの後半、娘役を演じていました。

岡田可愛
社長えんま帖』より

浜美枝、中真千子など、東宝生え抜きのエリート女優がキャスティングされていた役に抜擢されたということは、彼女の評価がそれだけ高かったのでしょう。

岡田可愛にとってもいい経験になっただろうとおもいます。

岡田可愛が活躍したのは、主にテレビドラマですが、改めて映画の方もじっくり鑑賞したいと思いました。

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失敗なんて怖くない

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  • 作者: 岡田 可愛
  • 出版社/メーカー: ケイエスエス
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 単行本


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末尾ルコ(アルベール)

岡田可愛、昭和40年代の青春スターが代表作と振り返る4作品とは・・・最近『社長シリーズ』で娘役の岡田可愛を観ました。溌溂とした感じのキャラクターに見えました。ちょっとお話逸れますが、『これが青春だ』の真ん中に写っている人は竜雷太に似てると思ったら、竜雷太なのですね(笑)。しかしこの当時は若かったはずなのですよね。なんか見た目、老けてます(笑)。

>映画は吉永小百合、テレビは岡田可愛がブロマイドの売り上げが1位

へえ~、そうなのですか。そう言えばセーラー服を着ているモノクロの写真は少し吉永小百合に似ているような。しかしブロマイドって、よかったですよね。やはり好きな女優や歌手の写真って欲しくなるのですが、芸能誌の切り抜きだとペラペラしてますし、きっちり正方形や長方形の写真として誌面に載るわけではないですから、「ひとがた」に切り抜いたりして(笑)高級感に欠けました。わたしはマルベル堂でフランス女優イザベル・アジャニーのブロマイドを通販したことがありました。
それにしても『青春とはなんだ』って、極めて哲学的な命題ですよね。現代哲学者はこうしたテーマを扱わなくなりましたが、20世紀の前半くらいまではこうしたテーマで論考を重ねていた哲学者もけっこういたような。「青春」だけでなく、「人生とは」とか「愛とは」とか、常に語られ続けるべきだと思いますね。こうしたことをある程度正面から取り上げるのを「ダサい・臭い」と決めつけていてはいけないと思うのです。まあ確かにかつては、「ダサく・臭く」語る人もいましたから、その反動も出たのでしょうが。でもこうしたテーマは人間の根元であり、その他のいろいろなことは枝葉だとも言えると思うのです。

>スポーツ番組で知ったかぶって頓珍漢なことを言って

有働由美子は一時米国へ行ってましたが、わたしはそれ以前のこの人がとても嫌いだったのです。ぶっちゃけたお話、「あの外見で」とつい書きたくなるのですが、あれでもの凄いナルシスト臭が当時からぷんぷんしてました。いつもワザとらしい作り笑顔で、それだけでなく、やることなすことすべて意識過剰のワザとらしさが感じられました。「頓珍漢」な発言も、「自分なら許される」を通り越して、「天然で可愛いと思われる」くらいに考えていたのではないでしょうか。それで米国へ行ったので、(もうほとんど見かける心配はないだろう)とホッとしていたものですが、帰ってきました(笑)。ただ、『あさイチ』をやっている時は、たまに見かける程度でしたが、以前にはなかった自虐ネタが多くなり、いくらかましになった感はあったのですが、フリーになってまたヘンな方向へ行っている感があります。もう『news zero』にチャンネルを合わせる予定はないですけれど。

>どう見ても坊っちゃんを下敷きにした翻案ものなのです。

なるほどです。やはりあの歴史的傑作の影響は強かったのですね。「教頭が敵」とか、あるいはセコい性格とかいうのも定番となってます。ただ現実にもわたしの小学校の教頭はそのテの設定どおりにセコくてヒステリックな人物でした(笑)。
日常生活の中での「あだ名(ニックネーム)」というものは自然発生的に呼ばれ始めるのが普通だと思いますが、それをドラマの登場人物のために義務的に付けていたら、おもしろくないあだ名が増えてくるのも致し方なかった気がします。その点、昭和のレスラーにニックネームを付けていた人たちはえらかったですね。名作が多いです。

岡田准一がテレビ朝日で『白い巨塔』の主役をやるらしいですね。ちょいちょい触れさせていただいておりますが、最近は映画でたまに時代劇というと主演が「岡田准一」ということが多いです。岡田准一を過小評価するわけではないですが、ここまで過大評価されていると本当に辟易します。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-10-19 02:59) 

pn

大江戸捜査網にも土田早苗出てませんでしたっけ?どっちが先なんだろう。
by pn (2018-10-19 06:19) 

ヤマカゼ

やはりサインはVが印象つよいですね
by ヤマカゼ (2018-10-19 06:27) 

Rinko

岡田さんご本人とこうしてお話していることもすごいし、奥様の人たらしもステキですが・・・(≧▽≦)
一番すごい!と思ったのは、いっぷくさんの記憶力です!!

by Rinko (2018-10-19 07:42) 

えくりぷす

岡田可愛さんへのインタビュー、素晴らしいですね。
他の部分も是非読みたく思います。本として出版されればいいなぁ♪
by えくりぷす (2018-10-19 11:09) 

なかちゃん

岡田可愛さん、サインはVは憶えていますが、大江戸捜査網は梶芽衣子さんは憶えているんだけど、岡田可愛さんは憶えていないんです。何故でしょう(^^;

by なかちゃん (2018-10-19 14:25) 

ヨッシーパパ

私の中では、岡田可愛と言えば、サインはVと言うくらいです。
茶の間で家族揃って見ていましたね。
by ヨッシーパパ (2018-10-19 17:13) 

Take-Zee

こんばんは!
サインはV。
この人と亡くなったハンブンジャクさんによる
X攻撃を笑いながら見ました!

by Take-Zee (2018-10-19 17:57) 

ナベちはる

「サインはV」、その名前と内容は聞いたことあります。
by ナベちはる (2018-10-20 01:10) 

poko

岡田可愛といえばサインはVしか思い浮かばないです。
子供の頃に見てましたよ!
by poko (2018-10-20 10:32) 

うつ夫

第二の人生も順調ですね。
by うつ夫 (2018-10-21 01:36) 

そらへい

岡田可愛さん、おきゃんな明るい役どころが良かったですね。
by そらへい (2018-10-21 22:20) 

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