『あらゆる不調は首で治る』(松井孝嘉監修、マガジンハウスムック)という人気のムックを読みました。松井孝嘉氏といえば“首こり博士”として最近メディアでよく聞く名前です。首のストレッチと温めなどによって、首のコリを治して健康を維持しよう、もしくは取り戻そうという主張が昨今注目されています。今日は同書がどのような内容か簡単にご紹介します。
松井孝嘉氏によると、現代人で健康な首の持ち主は10%。パソコンに向かうなど慢性的なうつむき姿勢で、首の前湾角度が失われる首の筋肉の異常、いわゆるストレートネック(頚筋症候群)という状態に陥っている人が多いといいます。
『あらゆる不調は首で治る』より
それによって、交感神経と副交感神経とで成り立っている自律神経のうち、副交感神経の働きが阻止され、交感神経とのバランスがくずれてしまうとか。
それが、めまい、自律神経失調症、頭痛など「首こりによって起こる3大症状」に陥り、冷え性、生理不順、肌トラブル、イライラ、疲労感、不安感、意欲低下、のぼせ、便秘、気分の落ち込みなどの不定愁訴につながるそうです。
さらに進行すると、新型うつ、パニック障害、更年期障害(難治性)、慢性疲労症候群、ドライアイ、血圧不安定症、不眠症、多汗症などの病気に進むので、ストレートネックを防いで自律神経のバランスを整えることが、健康を維持する、もしくは健康を取り戻すことにつながる、といいます。
「首こりが原因の3大症状は、頭痛、めまい、自律神経失調。はかにも肩がこる、下痢・便秘を繰り返すといった症状が多く、病院で診察を受けても免罪符のように、“ストレスが原因”で片づけられてしまっています。
でも、首こりは筋肉の異常で自律神経のバランスをくずしているだけなので、ストレスはまったく関係ありません。首こりは治ります。首の筋肉をほぐし、副交感神経を働かせて、健康な体を手に入れましょう」(『あらゆる不調は首で治る』より)
一言しておくと、医療関係なのにムックのタイトルの「治る」という表現はどうなんでしょうか。具体的な病名を主語にしないで、「あらゆる不調」と抽象的に書いているからいいのかな。
それはともかく、では“首こり博士”はどうやってストレートネック(
首こり)に対処するかというと、首に負担をかけないことだといいます。
具体的には、うつむき姿勢にならないよう気をつけたり、十分な睡眠時間を確保したり、首を温めたり、ストレッチしたり、生活の中でリラックスできる時間を作ったりすることを説いています。
同書の後半は、具体的な首のコリ(頚筋症候群)をほぐす運動を、実際に女性のモデルを使って解説。
そして、タイアップなのか、首に良い健康器具がいくつか紹介され、さらには首こり緩和のための食事にも言及しています。
具体的な内容は『あらゆる不調は首で治る』をご覧ください。
たしかに首のこり(ストレートネック)が、肉体だけでなく精神的にもなんとなく憂鬱になって、気持よく過ごせないということはあります。
万病が「治る」かどうかはともかくとして、首は脳と体の各部位をつなぐ血管や神経が通っているところです。その通り道をスムーズにすることで、首こりを解決できるなら何よりです。
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首のコンディショニングにはこんな方法もある
松井孝嘉氏の書籍については、2年近く前にこのブログで、『首を温めると体調がよくなる』(アスコム)という書籍をご紹介したことがあります。
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首を温めると体調がよくなる、実践しつつあります
そのときは、首こり(頚筋症候群)解消策の一つである首を温めることについて、実際に私が同書に従ってタオルと使い捨てカイロを使ってその道具を作ってみました。
タオルの中に使い捨てカイロを入れて包み、
それを首の後ろに来るように巻くのです。
松井孝嘉氏は同書で、首こりを防ぐ5箇条をまとめています。
1 姿勢……同じ姿勢を長時間つづけない
2 冷え……首を冷やさない
3 緊張……ストレスを与えない
4 疲労……疲労をためない
5 外傷……頭や首への外傷を避ける
タオル整体と指圧代用球
それから、これらは松井孝嘉氏とは直接関係ありませんが、首こり対策につながるものとして、このブログで過去に取り上げたものを改めてご紹介します。
ひとつは、タオル整体です。
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タオル整体、第7頸椎にあててタオルを引っ張ると……
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タオル整体、誰にでもできてお金もかからないセルフ整体
複数のタオルを結んで長くし、たすきをかけるようにして姿勢を引き締め、結び目で第7頚椎を刺激するものです。
もうひとつは、指圧代用球を使う方法です。
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中山式快癒器、指圧代用に2球4球式使ってみました
記事では、中山式快癒器を肩から首にかけて、ないしは腰にあてて実感を確認しました。球は固定されているので、自分でツボに合わせなければなりませんが、ハマるといい感じですね、これは。
いずれにしても、『あらゆる不調は首で治る』の内容にしろ、首カイロやタオル整体や中山式快癒器にしろ、自分自身がその気になれば、それほど負担も苦痛もなく継続的にできることばかりです。
首こりを自覚された方は、コリが小さいうちに、こうした試みに取り組まれてはいかがでしょうか。
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