『パパはニュースキャスター』というドラマ(1987年、TBS)が8月2日13時から、TBSチャンネル2で全12話一挙放送されます。主演の田村正和は、タイトル通り突然3人の娘ができるニュースキャスター役。それまでシリアスなドラマで2枚目役だった田村正和が、「遊び」の入った伴一彦氏のコメディドラマに出演する3作目です。
TBSチャンネルより
田村正和というと、それまでは恋愛をモチーフとしたシリアスなドラマの2枚目や、父親譲りの時代劇ヒーローなど“格好いい役”ばかりを演じてきました。
しかし、近頃の木村拓哉ではありませんが、そういう役ばかりではいずれ限界が来ます。
野球でいえば、速球派投手がいかに上手に技巧派に転向するか。2枚目俳優にとって、30~40代前半ぐらいまでがいちばんむずかしい年齢かもしれません。
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田村正和の場合は、80年代の伴一彦氏脚本によるTBSのコミカルなドラマ3部作に出演したことで、「2枚目の男」から「2枚目半の父親」に上手にスライドできたのではないかと思います。
その第一弾は
『うちの子にかぎって…』(1984年、1985年)
“近頃の奔放な子どもたち”に振り回されながらも、田村正和演じる石橋先生は子どもたちの個性を大切に考えています。
あの田村正和が、区立小学校の先生役で、給食を子どもたちと一緒に食べているというのは意外性というか、当時なかなかインパクトがありました。
チェッカーズの『ティーンネイジ・ドリーマー』を主題歌に、子どもたちが思い思いの表情を作りながら1人ずつうつり、最後に田村正和が照れくさそうに登場するオープニングは、私がこれまで見た数多くのドラマの中でもトップ3に入るものだと思います。あれはチェッカーズの歌も良かったんでしょうねえ。
そして第二弾は
『子供が見てるでしょ!』(1985年)
田村正和はアメリカ帰りの独身外科医。ここまでは“今までの役”ですが、このドラマでは、3人の娘を持ち幼稚園を運営する妹夫婦が突然事故死したため、外科医と幼稚園の先生という2足のわらじを履くことになった上に、3人の子育てもすることになります。
幼稚園の先生に転職するのではなく、2足のわらじというところが興味深い。従来の2枚目役と、失敗もする父親役と、2つの役をその後演じ続ける田村正和自身に重なるものがあります。
私はこの作品で田村正和に憧れ、髪を伸ばして歩き方も真似して、ドラマで使われていたポケットベルを持ち、近所の買い物も車で出かけていました。
そして、3作目が今回の
『パパはニュースキャスター』
です。
人気ニュースキャスター・鏡龍太郎は、酔うと同じパターンで女性を口説く癖がありました。ある日、同じ「愛」という名前の3人の女の子が、鏡龍太郎のことを父親だと言って訪ねてきました。
証拠の手紙や女の子たちの証言にもリアリティがあり、4人は一緒に暮らすことに。
今なら“DNA鑑定しないのか”と突っ込まれるでしょうが、当時はそんなことで盛り上がるネット掲示板もなかったし、そういうことより、現実ではあり得ない設定でもドラマが楽しければいい、というおおらかさがありました。
3作を通じて言えるのは、これまで妙齢の女性との恋愛話ばかりだった田村正和が、子どもに対して愛情を注ぐ泥臭い役柄を演じていることです。
そして、『うちの子にかぎって…』は先生と児童、『子供が見てるでしょ!』は伯父と姪、そして今回は多少の留保付きでありながら、いよいよ父親として子どもたちと向き合います。
もうひとつ、同作の見どころは、主題歌を歌っているのは本田美奈子.であること。
いい歌だったですね。彼女の誕生日が7月31日。つまり明日なんです。
最近は、木村拓哉の『HERO』の視聴率が話題になっていますね。
そんな昔のものを繰り返すよりも、田村正和のように、少しずつ新しいステージに移る方が自然であるし将来にもつながると思うのですが、いかがでしょうか。
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