オンラインストレージサービスというネット上のサービスがあります。サーバースペースの一部を有償・無償で貸し出すものです。以前からファイルのやりとり、保管に利用されていましたが、最近はファイルをオンラインで加工・編集できるサービスが増えてきました。一昨日も書いた『知子の情報』の置き換えとして、そのうちのいくつかを検討してみました。
オンラインストレージサービスは、NドライブやKドライブといった大容量サービスが無償提供をやめる一方で、上位版に有償サービスを用意して、機能を強化させているサービスも目立ちます。
具体的には、アプリケーションソフトをいちいち使わなくても、ウェブ上でファイルの編集ができる機能です。とくに文書データについては、ワープロ並みの機能や、たくさんの文書データから目的のデータを探しだす検索機能も用意されているサービスが増えてきました。
一昨日、「
知子の情報 for Waffle Cell、64bit版がリリースされていた!」で書いたように、非定型のデータベースソフト『知子の情報』がバージョンアップしましたが、これまでのデータベース機能に加えて、別売りサーバーソフトとの連携で、データを自宅や会社のパソコンからでも、移動中にタブレットからでも読み書きできるように設計されています。
スマホやタブレットパソコンが普及したことで、クライアントサーバシステムによるデータ管理がいよいよ当たり前の時代になったということでしょうか。
なかなかこんにちのOSやハードウェア向けにバージョンアップされなかった『知子の情報』のユーザーの中には、置き換えソフトを検討したり、もうすでに別のソフトに移ってしまったりして人もいました。
モバイル時代に、置き換えソフトとして有力視されたのが、これから書くオンラインストレージサービスです。
置き換え候補だったサービス
もし、『知子の情報』のバージョンアップがなく、32ビットマシンのスペックに限界を感じたら、「置き換え」を考えなければならず、事実一時期は私も検討しました。
以下のサービスがそうです。簡単にまとめてみます。
なお、私が書いているのは、あくまでも『知子の情報』の置き換えとしてどうなのか、ということですから、他のサイトのレビューや解説とは少しニュアンスが違うかもしれません。
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Evernote
もし、知子の情報にかわって他のツールを使う場合、たぶん次善の策としてこれを選択せざるを得ないかな、と思ったのが『Evernote』というネット上のサービスです。
最近は、サーバーのスペースにファイルを保管したり、そこを介してファイルのやりとりを行ったりするストレージサービスがありますが、『Evernote』はそれをもう少し発展させて、個別のファイルの閲覧や編集や検索機能もつけて保管できるサービスです。
使い方にもよりますが、通常は登録すれば無料で使えます。
画面でおわかりのように、編集機能は太字や色付けなどの操作もできるので、「エディタ」ではなく「ワープロ」に近いですね。これはむしろ、エディタ機能のみの『知子の情報』よりも優れているといっていいかもしれません。
ただし、『知子の情報』には、たとえばエディタソフトでお馴染みの『秀丸エディタ』にあるようなマクロ機能を付け足すことができます。
それによって、当初メーカーが開発した機能をカバーし、かつ自分が求める機能を加えることができるのです。
エディタにつきものの、字数を計測するメモリが「知子の情報」にはついているので、書きながら「何文字書いたか」がわかるようになっています。
レイアウトを気にする文書ならワープロですが、ブログの記事を書くにはどちらが使いやすいかというと、やはり私は「知子の情報」に軍配をあげます。
MemoTDB
正真正銘のテグレットが開発した『知子の情報』の後継ソフトです。
使い方自体は『知子の情報』と同じ。
ただ、『知子の情報』は、今回こそクライアントソフトとしての機能を持ちましたが、もともとスタンドアローンのソフトからスタートしています。
一方、『MemoTDB』は、はじめから『Waffle Cell』というサーバーソフトのクライアントとして開発されました。
テグレット技術開発に問い合わせたところ、『知子の情報』と『MemoTDB』の違いについて、次のような回答を頂いています。
MemoTDBはクライアントサーバー型のソフトという設計思想の元、Waffle Cell上で使うことを念頭に開発されました。そのため単独での販売は行っておらず、あくまでWaffleCellを購入した方へのサービスという形で提供させていただいております。
細かい点として、「知子の情報」はShift_JISのみに対応していますが、MemoTDBはユニコードにも対応しているので、ドイツ語のウムラウト、中国語の繁体字などを入れることができます。
20年来『知子の情報』を使ってきた私も、それだけのためにユニックスのサーバーを構築することはできませんので、たとえばwindows対応のサーバーソフトでも動くようになったら検討するつもりです。
DropBox
典型的なストレージサービスです。
『知子の情報 for Waffle Cell』が出ていなければ、文書管理は『Evernote』で、そして画像や音楽データなどの大きなファイルは『DropBox』を使うことを考えたユーザーが多かったのではないかと思います。
以前、『NAVERまとめ』の運営会社が『Nドライブ』という大容量ストレージサービスを運営していましたが、『DropBox』はその小容量版という感じです。
テキストも、画像も、動画や音楽データも保存でき、その中身も確認できます。
しかし、『Evernote』のような編集機能は持っていないので、これ単独では『知子の情報』の代わりにはなりません。
ただ、ストレージサービスとしては安定しているので、私はWordPressで作ったブログの、バックアップデータの保存先としてここを使わせて頂いています。
Googleドライブ
Google管理下のファイル共有サービスです。ストレージとファイルの加工編集機能を用意しています。
フリーの容量は15GBで、それ以上使いたかったら有償となりますが、文書と静止画像データだけならしばらく無償で使える容量です。
文書編集は『Evernote』同様ワープロとしての使い方ができ、加えてアドオン機能も持っているのでかなり高機能ですね。さすがGoogleです。
もちろん、検索機能もついているので、すでに作ったファイルを放り込んでおいて、非定型データベースソフトとしての使い方も可能です。
ただ、『知子の情報』のように、細かい索引をつけることはできません。
最大の特徴は、Gmailと連携しているところです。クライアントソフトももちろん無償で提供されています。
私のように、MS-DOS時代からパソコンを使っていて、スタンドアローンに慣れてしまっている人は、個々のパソコンにインストールするソフトのほうが使いやすいかもしれません。
が、過去は綺麗に忘れられる順応性の高い人や、パソコンのキャリアが浅い人などは、このサービスを使えば、もう自分でアプリケーションソフトを使わなくても用が足せるのではないか、なんて気がします。
OneDrive
マイクロソフトが運営する、『Googleドライブ』や『Dropbox』の競合サービスです。
最新バージョンのOfficeを持っていない人とも、ファイルを共有して自由に共同作業を行えることがセールスポイント。
スライドショーやFacebookへの投稿なども、『Googleドライブ』にはない機能です。
ただ、『Googleドライブ』同様、検索機能は索引などはついていません。
無償ストレージの上限はこれまで7Gバイトだったが、『Googleドライブ』を意識しているのか、これを15Gバイトに引き上げると先日発表されました。
……ということで、私はやはり、データベースソフトとしてはどのサービスもまだ『知子の情報』にはかなわないかな、という気がしました。
上記のサービスはいずれも、他のサーバーにデータを置くわけですから、その都度アップロードやダウンロードする手間もかかりますし、万が一、そこのサーバーがダウンやメンテナンスだったら、データを取り出したいときに取り出せない、という不都合だってあり得ます。
『Evernote』の方が『知子の情報』の検索機能を超えている、という意見もあるようですが、あくまでも私自身の使い勝手として、です。
企業や学術機関のようなデータの共有化、一元管理化が求められる場合ならともかく、個人ユーザーがその人自身で使うデータですから、かりにスマホや移動用端末でデータを共有するとしても、まだ、メインマシンのスタンドアローンのソフトと、自分宛てメールや携帯用メモリなどで間に合うかな、という感じですね。
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