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坂田利夫が使用者責任を認定された日、楽しんご騒動さもありなん? [芸能]

坂田利夫。コメディNo.1を解散して以来、現在も“ピン”で仕事をしています。その坂田利夫が、弟子の事故で「使用者責任」を認定されたのは12年前の9月25日でした。起こした事故もさることながら、その後の週刊誌における坂田利夫の放言が判決の決め手になったこの事件を、吉本興業はどう考えるべきでしょうか

事件の発端は、坂田利夫自身ではなくその弟子でした。

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2000年9月、大阪市内で飲食店を経営する男性が、原付バイクで片道2車線を走行中、ウインカーを出さずにUターンしようとした坂田利夫の弟子が運転する乗用車に衝突。

このとき、坂田利夫は後部座席に乗車していましたが、師匠は弟子の使用者であるからと、飲食店経営者は、民法715条(使用者の責任)に該当するとして、治療費やバイクの修理費などの損害賠償請求で坂田利夫を訴えました。

それに対して坂田利夫のコメントとして、週刊誌に「ぼくが有名人やから、大金がとれると思い、訴えたんだろう」との発言が掲載。

これが被害者側の態度を硬化させ、裁判にも影響をもたらしました。

大阪地裁で行われた第一回口頭弁論(坂本倫城裁判官)で、飲食店経営者側は和解について「全く考えていない」と徹底抗戦を宣言。

さらに、事故状況、弟子が飲食店経営者に脅迫めいた電話をかけたとされることなど、「坂田がどこまで知っているのか明らかにしてほしい」と主張して坂田利夫を責め立てました。

こうなると、坂田利夫側も和解の意思を示さず、「車の所有者は坂田ではない」から、使用者責任に該当しないなどと主張。

2001年9月25日の判決で、坂本裁判官は坂田利夫の使用者責任を認め、坂田利夫らに計約100万円の賠償を命じました。

実はこの賠償額。当初の76万円から若干ですが増えています。

増額の理由は、坂田利夫の週刊誌におけるコメントに対する慰謝料といわれています。

裁判で坂田利夫は、「そんな発言はしてない」と否定したものの、週刊誌側からそのときの取材メモなどを突きつけられて墓穴を掘りました(『日刊ゲンダイ』2001年9月29日付)

民法715条(使用者の責任)は、使用者の業務中になされた加害運転者の運行は、使用者が運転者と共に賠償責任を負うことを決めています。この場合の「使用者」とは、会社の社長と運転手といったような雇用契約でなくとも、事故発生時に個別具体的な使用関係にあればよいとされています。

つまり「坂田利夫の弟子」が坂田利夫の業務中に運転したのなら、坂田利夫が「使用者」にあたると法的には解釈できるのです。

それなのに、誠意ある態度を取らないから、裁判官に賠償金を“盛られる”恥の上塗りとなりました。

むしろ素直に認め、“師匠として弟子ならば当然責任は自分がとる”と宣言しておけば、逆に潔い師匠という評価を獲得できただろうに、吉本と坂田利夫は明らかに判断を誤りました。

これは、決して昔話ではありません。

吉本興業の判断を誤った居直りは最近も続いています。

昨年の「河本準一の母が生活保護不正受給騒動」については、河本準一の不用意な居直り発言が問題を大きくしてしまった面は否めません。

今年7月には、島田紳助に対する週刊現代の記事で、吉本興業が逆転敗訴しました。

そもそも「黒い交際」を続けるタレントと契約し続けた、という本質部分での事実が争うようなものではないのに、わざわざ裁判まで行うことについては、吉本興業にも言い分はあるかもしれませんが、第三者から見れば傲慢な印象を抱かざるを得ませんでした。

そして最近では、楽しんごが包丁で元付き人を追い回す動画が物議をかもした件で、吉本興業は「演技の練習で撮影しただけ」などと言い張っています。

どのような理由や約束事であろうが、包丁を振り回すこと自体がいかに異様であるか、吉本は理解できていないようです。

これら事件・騒動における吉本興業。出来事だけでなくその対応についても、受け手側がどう見るか、という思慮がいつも欠落しているんですね。

今のテレビ界は、吉本を含めたいくつかの事務所に牛耳られているといわれますが、かつてのナベプロ帝国のように、何かのきっかけでそんなものは引っくり返ってしまうかもしれません。

現代のコンプライアンス社会では、傲慢さや甘い戦略が通用しない、ということを見ておくべきではないでしょうか。

吉本興業の正体

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  • 作者: 増田 晶文
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2007/04/07
  • メディア: 単行本


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