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吉本興業、またしても「暴力団に寛容な会社」と逆転敗訴 [芸能]

吉本興業が、またしても暴力団がらみの裁判で自らの訴えが通りませんでした。昨日付、週刊誌の報道をめぐる裁判で一審は勝訴しながら、高裁で逆転敗訴したことが報じられています。

「またしても」と書いたのは、6月5日に、やはり『週刊現代』の記事で吉本興業が「所属漫才師」と暴力団との関係を利用してトラブルを解決したと書かれたことについての裁判で、東京地裁は吉本興業の暴力団利用を事実上認定したばかりだからです。
週刊現代2011年10月15日号
紳助さん巡る週刊現代記事、吉本興業が逆転敗訴
読売新聞 7月4日(木)20時1分配信
 元タレントの島田紳助さん(57)と吉本興業が、暴力団と親しいかのように報じた「週刊現代」の記事で名誉を傷つけられたとして発行元の講談社側に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(鈴木健太裁判長)は4日、同社に対して吉本興業に110万円支払うよう命じた1審判決を取り消し、原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。
 原告側は上告する方針。
 同誌は2011年10月15日号の記事で、島田さんと暴力団幹部との交際を指摘し、吉本興業もそれを知りながら島田さんとの契約を続けたと報じた。
 昨年10月の1審・東京地裁判決は、同社に対する名誉毀損(きそん)のみ認めたが、高裁判決は「吉本興業は、島田さんら多くの所属タレントと暴力団幹部との交際を指摘され続けても事実を調査せず、暴力団との関係に寛容だとの印象を自ら強めた」と指摘。記事の違法性を否定した。
 週刊現代編集部の話「本誌の主張がすべて認められた完全勝訴だ」
 吉本興業の話「高裁判決は当社に落ち度があるかのように評しており、極めて不当な内容だ」
読売新聞

吉本興業は上告する見込みと報じられていますが、わが国の司法は事実上2審制です。吉本興業が上告しても、受理されず門前払いを食ってしまう可能性もあります。

最高裁は、憲法判断の誤りや判決文の手続き上の誤りなど限られた理由について扱うので、通常は高裁の判決が“結論”となるのです。

ですから、この事件はおそらくこれで決着でしょう。

週刊現代の記事に違法性はなかった。したがって、「黒い交際」を続けるタレントと契約し続けた吉本興業を責める同誌に、負うべき法的責任は存在しない、ということです。

島田紳助についていえば、ナンバー4といわれる若頭補佐との付き合いが原因で引退しましたが、実は補佐どころか、それより座布団が多い(位が上という意味)若頭との写真が、後に写真誌にすっぱ抜かれています。

島田紳助の引退会見の時の話では、そういう写真があれば腹を切ることになっていましたが、彼が腹を切ったという話はいまだに聞こえてきません。

彼はあの会見でも出まかせを言って視聴者をさらに裏切っているのです。

今回の週刊現代の記事に、細かい事実関係に何か意に沿わない文言があったとして、今更その関連で名誉棄損裁判なんてよくもできたものだと思います。

そこでかりに勝訴したとしても、「黒い交際」はさらに隠していたことがあった、つまり会見で嘘をついていたという点で信頼を失っているのですから、もはや意味の小さな訴訟と言わざるをえません。

吉本興業が上告したいのは、「暴力団との関係を知りながら吉本興業が契約し続けた」ことにあるそうで、要するに、「うちは知らん。島田紳助が勝手に付き合っていたこと」という言い分らしい。

しかし、冒頭に書いた、東京地裁が吉本興業の暴力団利用を事実上認定していることから、司法は吉本興業について、「暴力団との関係に寛容な会社」というイメージがあるのかもしれません。

たしかに島田紳助のケースに限って言えば、中田カウスのケースと違って、いずれにしても会社ぐるみの問題とはいえないかもしれません。

ただ、そうであっても、自分たちが「黒い交際」を続けていた人物(島田紳助)と「契約し続けた」責任はいったいどう考えるんだという反問は解決しません。

だいたい、島田紳助がやったことだから島田紳助の責任で完結する、という吉本興業の主張自体、反社会的勢力の論理と似ているような気がします。

たとえば、具体的な名前は出しませんが、反社会的勢力の幹部であっても、懲役どころか逮捕歴すらない“素性のきれいな”人も過去にはいました。

でも、だからといって世間はそうは見ないでしょう。

下部団体の誰かが実行し、実行者だけに懲役に行ってもらって上は安泰という、ピラミッド社会の仕組み(はその社会に限らないことですが)を知っているからです。

もちろん、そのケースと今回のケースは違いますが、ただ、昨今はそうした仕組みにメスが入れられ、暴力団に対して、ちょっとやり過ぎではないかとも思えるほど厳しい「使用者責任」を求められています。

使用者責任。つまり、本当に上部団体が知らなくても、その団体の若い衆や下部団体の不始末の責任を上部団体の幹部がとらされることです。

法の下の平等を言うのなら、そしてコンプライアンス重視の現代社会なら、

そうした社会の人間と付き合いのあるタレントと契約し、タレントがその社会の人を何らかの形で利用したとする報道があるのに放置していたのなら、ジャーナリズムから吉本興業の社会的責任を問う声が上がるのは当然だろうと私は思います。

むしろ、そうした追及や論考には及び腰で、島田紳助がどこにいるとか、復帰するかどうか、などといった報道にとどめてきた他のヘタレマスコミの方が問題でしょう。

週刊現代 2011年10月15日号

週刊現代 2011年10月15日号

  • 作者: 株式会社 講談社
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2011
  • メディア: 雑誌


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