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長谷川豊氏問題まとめで取り沙汰された障がい者「優遇」の誤り [発達障害]

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昨今ネットの話題を独占している長谷川豊氏の発言ですが、透析患者だけではなく、障がい者もターゲットになっていたと取り沙汰されています。長谷川豊氏問題まとめで取り沙汰された障がい者「優遇」の誤りについて述べてみましょう。





まとめ記事にまとめられた発言内容から引用しますと、

長谷川豊「君らがネットいじめしかできないのは君らの努力不足のせいだ」

・障害者は映画半額、公共交通機関利用料半額、タクシー初乗り無料、ディズニー横入りし放題(ガセ)
・1級障がい者は医療費をすべて無料で受けられる(ガセ)

私も障がい者の親になったので、ここは具体的な現実で反論できますが、

まず、障害者手帳は、身体、知能、精神などがあり、それぞれ等級(度数)によって福祉サービスの内容はまったく異なるので、そもそも「障害者は」という主語で一括りに出来るほど単純ではありません!

具体的な間違いを簡単にまとめます。

障害者は映画半額


映画館によって違う。(つまりそういうルールはない)

たとえば川崎のチネチッタ。

一般1800円が障害者手帳の本人と同伴者1名がそれぞれ1000円。

3D作品は一般2100円が1300円。

テアトル蒲田は1800円が本人と同伴者1名が1100円。

T・ジョイPRINCE品川(旧称・品川プリンスシネマ)は本人と同伴者1名が1800円が1000円。

3D作品は追加料金がかかるが、これは一律400円(3Dメガネ持参の場合300円)。

公共交通機関利用料半額


JRの場合、第1種心身障害者は介護人とも運賃が半額になるが、第2種心身障害者は割引が受けられるのが介護人のみで定期券購入の場合に限られる。

また、介護人なしで障害者が一人で電車を利用する場合は片道の営業キロ数によって割引かれない場合もある。

都内に在住する心身障害者は身体障害者手帳または愛の手帳があれば都営交通は無料乗車券が交付される。

したがって、すべての公共交通機関の運賃が半額になるわけではない。

タクシー初乗り無料


身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保険福祉手帳所持者は、手帳による本人確認で運賃の1割が割引

ディズニー横入りし放題


論外

1級障がい者は医療費をすべて無料で受けられる


結論から書くと、自治体によって違う。

たとえば東京都大田区の場合、心身障害者の医療費助成自体はある。

65歳未満で、身体障害者手帳1・2級(内部障害にあっては3級、また内部障害が4級であっても障害の重複により手帳3級と認定された人も含む)または愛の手帳1・2度の人。さらに国民健康保険および社会保険の加入者は医療費の助成を受けられる(ただし世帯所得額などにより助成の制限あり)

保険証を使って診療を受けた費用が助成されるが、住民税が課税されている人は1割負担および入院時の食事代を自己負担。非課税の人は入院時の食事代のみ自己負担。

このほか、特定の疾病を対象にした難病医療費の助成、精神障害の人が精神科等に通院している場合や、身体障害者の職業能力を増進させたり日常生活の便宜をはかるための医療など自立支援医療にかかる負担の助成などがある。

いずれにしても、すべての1級障がい者(そもそも何の障害1級なのかが明らかにされていないが)の医療費自己負担がゼロであるということではない。

付記


障害者「優遇」の書き方が、細かい話ばかりで結論を書いていませんでした。

1.まず長谷川豊氏の話は「割引」の額が違うだけてなく、そもそもそれらは本人の申請がなければ受けることすらできません。

そして障害者家庭でも、上記の「優遇」を知らない人はたくさんいます。

国や自治体は、積極的に福祉サービスを受けることを推奨していないからです。

知らないんならそのままにしておこうという、そのほうが金が浮くから、という姿勢です。

2.障害者が「半額」なのは、手帳を持っている障がい者は同行する介護人が必要ですから、介護人と合わせて1人とみなすためです。

状態によっては車を持っていても「障がい者タクシー」を利用しなければならないなど、障がい者は「優遇」されているから負担が少ないわけではないのです。

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まとめ


たとえば、我が長男も、いったんは要介護5、一級身障者の診断が出ましたが、「タクシー初乗り無料」ではありませんでした。

当時、東京北端の病院まで、身障者タクシーを使っていましたが、首都高の高速料金を含めて往復で25000円かかり、多い時には週に4回通院したので、それだけで10万円かかっていました。

こういう問題になると、先にリンクした掲示板でも「障がい者ってケチなの?」と、まるで障がい者家庭が金にがめついように茶化す人がいるのですが、タクシー代だけで週10万円の負担に悲鳴を上げることが「ケチ」と評価されるほど、我が国は豊かでおおらかな人揃いなのだなと、無一文の私には羨ましく思います。

私が発達障害の親御さんのおかしな発言を問題視するように、障がい者ならなんでも正しい、すべて言いなりになろう、などという考えをもつ必要はありません。

しかし、事実とかけ離れたデマは、ブログであろうが否定せねばなりません。

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