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障がい者に対する学校現場の医療的ケア要望はエゴなのか? [遷延性意識障害]

医療的ケア

たんの吸引や人工呼吸器など、医療的なケアが日常的に必要な、幼稚園の年中から高校生までの子どもとその家族あわせて11人が茨城県庁を訪れ、支援の充実を求めて大井川知事に要望書を提出したというNHKニュースがありました。



まとめ記事です。

脳性まひの男児の母親、医療的ケアが必要な子の支援要望

医療的ケア
NHKニュース画面より

医療的なケアが日常的に必要な子どもの親御さんらは、地域の小学校への入学を断られたとか、人工呼吸器の管理などのため、親が24時間付き添わざるをえないなどと現状を訴えました。

その上で、幼稚園や小中学校にも必要に応じて看護師を配置することや、家族が一時的に子どもを預けて休息を取れる福祉サービスの整備などを求める要望書を提出したそうです。

これは要するに、妊婦への支援や、産んだ後の子どものキッズルーム設置などを求めるのと同じような、社会の理解と支援を必要とする人々の要望です。

その立場の人が求めることは当然のことであるし、自治体にはぜひ対応をお願いしたいと思います。

が、例によって、Web掲示板のコメントでは、障害者叩きが始まりました。

相変わらずひどいですね。

たとえば、「幼稚園や小中学校にも必要に応じて看護師を配置すること」という要望に対して、

>なんで環境の方を変えようと思うかな? >エゴイストやわ

などという、為政者のメガホンを恥じないコメントもあります。

いいですか。

看護師を配置できれば、それは障碍のある生徒・児童だけでなく、他の生徒・児童のアクシデントにも早急に対応できるようになるのです。

学校側も、対応を誤ったら後々裁判沙汰になるかもしれないような事故でも、医療従事者が動くことで、適切に、迅速に処理できる可能性が高まるのです。

ですから、看護師専従が実現すれば、生徒・児童全体、そして学校にとってもいいことなのです。何も文句を言う筋合いはないのです。

もちろん、コストの掛かることですから、要望があったからと言って二つ返事で実現はできないでしょう。

しかし、まずそれを切実に求めている人が具体的に提案することで、社会的なニーズを喚起させ、国や自治体を動かす発展の突破口になるのです。

先のメガホンコメント者は、ずーっと時代が同じままの方がいいのでしょうか。

この30年だけ見ても、携帯電話⇒スマホが普及し、医療が進歩し、法律や条例なども人権面で改善されています。

「環境を変える」ことが嫌なら、もう生きていくことはできませんね。

私はこのブログで繰り返し繰り返し書いていますが、障がい者を含めた社会的弱者は、社会の弱いところを教えてくれ、その要望は社会発展の突破口にもなりうると思います。

私は中途障害児の親なので、健常者、障がい者、どちらに対しても是々非々で判断することができますが、たしかに、障がい者やその親御さんにもいろいろいます。

たとえば、身勝手な道理のない要求もないわけではありません。

そりゃそうでしょう。

人間ですから、無謬ではありません。

障がい者(の親)だから気持ちがきれいだ、いつも正しい、なんて思われたら逆に困ってしまうでしょう。

しかし、そういう場合でも、要求をそのまま受け入れるかどうかは別として、なぜそ道理のない要求をするのかを考えた時、そこに社会の矛盾や、障がい者に対する不当な圧迫を知ることができるかもしれません。

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ちなみに私は、長男が人工呼吸器の必要な遷延性意識障害だったので、カニューレをとって、たんの吸引ができます。

もし、自分がいる場所で、たんの吸引を必要とするお子さんがいたら、緊張はしますが、私で良ければお役に立ちたいと思います。

困っている時はお互い様、情けは人のためならず……

社会発展に寄与する冒頭のような要望はどんどん行ってほしいし、私は為政者の下僕になるつもりはないので、それが社会を動かすのは大いに結構なことだと思います。

これならわかる〈スッキリ図解〉障害者総合支援法 第2版 -
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そらへい

吸引が必要な姪は、看護婦さんが待機している
普通教室で授業が受けられています。
30年、20年前でも考えられなかった事でしょうね。
皆さんが、声を上がられて実現したのだと思います。
全国的に当たり前になっていくことを願ってます。
by そらへい (2017-12-15 20:34) 

いっぷく

そらへい さん、コメントありがとうございます。
上気して間違ったことを書いてしまいました。

痰の吸引は医療行為のため、親でもない第三者が善意で
勝手には行えないのでしたね。
気持ちはそうであるということでご理解の程を。
by いっぷく (2017-12-15 21:00) 

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