衆議院予算委員会の質問妨害 3,14
自由民主党は、売上税法案がピンチになると予算委員会を単独開催し、各党の総括質問も終わらないまま公聴会の日程を決めるなど、議会のルールを無視した事態が続いた。
一方野党の方も、14日には日本社会党の上田哲が関係資料のないことを理由に質問を突然止め、社公民は審議拒否をとった。
一見、売上税問題での空転だったが、その後に続く日本共産党の金子満広書記局長の発言機会を妨害する意図は否定できなかった。
なぜ、同じ野党の側でそのようなことになったか。
日本共産党が軍事費について批判的立場から質問するからだった。
「社公合意」「新宣言」以来、自由民主党との連立も否定しなくなった日本社会党は、軍事費の問題を国会質問で取り上げなくなっていた。
そのため、日本共産党がその問題を取り上げることで、日本共産党だけに反自民の立場を独占され、かつ自分たちの右転落を批判されることを避けようとたためと予想される。
日本社会党は、日本共産党の抗議に対して、「質問したいなら軍事問題には触れるな」と、他党の質問内容に干渉した。80年以降、国会は「日本共産党を除く」国会運営が目だつが、その象徴ともいうべきできごとだった。
こんにち、こうしたヘゲモニー主義の日本社会党は凋落し、公明党はかつての与党へ、民社党は消滅し、政治状況はかわった。
その後、国会ではときには日本共産党がイニシアチブをとることすらある「野党共闘」もあったが、同党は軍事費の問題を「ひとまず措いた」立場から共闘していたようである。
人によっては、一時は民主党との「野党共闘」を売り物にした同党の「右傾化」を批判する向きもあったが、一方で、反自民に支えられた東京・国立の女性市長、民主・共産・社民推薦による徳島知事、さらに共産・自由両党ほか支持でたたかった東京・調布市長など、自民主体のオール与党首長体制を崩す結果も出したことは事実である。
党利党略の野合か、実りある共闘かについては、より本質に立ち入った分析と議論が必要であろう。
2011-01-26 01:00
nice!(92)
コメント(0)
トラックバック(0)
共通テーマ:学問
コメント 0