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「政治とカネ」の責任は? [戦後史]

全閣僚、初の資産公開 1984,1,24

戦後史は、疑獄の繰り返しでもあった。

「ロッキード事件」「ダグラス・グラマン事件」と汚職事件が相次ぎ、国会内外で政治倫理の確立を求める声が上がった。

中曽根康弘首相はそれに対して、「資産の公開」という方法を実行した。政治家の土地や建物や現金、有価証券、貸付金に借入金、その他自動車などの持ち物を公開するというのである。

戦後史上、そのような試みはなかったから、その点では画期的に見えた。

しかし、実際には本人名義のものに限っていたり、時価ではなく固定資産税標準価格での「公開」だったりしたので、それほどの説得力はなかった。

以降、政治家の金銭スキャンダルになると必ず出てくる「秘書」や「政治団体」は、この公開に関係していない。

たんに政治家個人の資産するだけでは、政治資金の「入」や「出」の透明性を証明するものにはなり得ない。

現実に、資産順位で上位にくるのは、資産を隠し慣れしていない(?)新人タレント出身議員や、親の莫大な遺産を相続したケースが多い。

彼らに一定の資産があることを疑うものではないが、政治活動と直接関係のない資産の公開だけでごまかされているのではないか、という疑問もなくはない。

たとえば、鳩山由紀夫前首相の母親からの「子ども手当」は、古館伊知郎なるキャスターによると、ゼネコンからの献金ではないから大した問題ではないそうだが、政治資金は「入」だけでなく「出」も見なければならないという視点が、このキャスターには欠落している。

蓮舫なるタレント出身の大臣が、事務所としてつかってはならないところを事務所として登録したり、豪邸を会社名義にして「資産隠し」をしたりしていることは、一部週刊誌以外は、一切スルーである。

その一方で、合法的に政治資金報告書に記載されていて、これまでも例があったにもかかわらず、「小沢一郎」というだけで「出」まで悪意に報じる現象もある。

「政治とカネ」は、政治家自身にあるのは当然としても、次元は違うがマスコミや大衆の民度も責任の一端があるのではないか。
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