『図解!あなたもいままでの10倍速く本が読める』という書籍を読みました。神田昌典氏が監修、フォトリーディング公認インストラクターズ著となっています。フォレスト出版から出ています。新刊ではありませんが、今も売れているそうです。
神田昌典氏といえば、ネットビジネスの教材には必ず出てくる名前です。
それに、速読法というと、なにか特殊な能力が書かれているのではないか、という期待感もあるのかもしれません。
もとより、本当に速読ができれば、時間の短縮になりますから、生活に役立つ特技になります。
そんなところから、今も売れているのでしょう。
本書『
図解!あなたもいままでの10倍速く本が読める』は、Amazonだけでなく、個人ブログでもレビューがたくさん書かれていますが、読んでみると意見は様々。
そこで、私も参入します。
精神集中と暗示でページを「スキャン」
フォトリーディングの「フォト」とは、写真の「フォト」。
すなわち、書籍のページを、写真を撮るように瞬間に脳に取り込むというメソッドです。
「速読」というより「速スキャン」というイメージです。
手法は、準備・予習・フォトリーディング・復習・活性化という、5つのパートによって構成されています。
詳細は本書をご覧いただくとして、簡単に内容をご紹介します。
準備
読む目的をはっきりさせます。
そして、「ミカン集中法」という精神集中を行います。
目をつぶって、後頭部斜め上15cmぐらいのところにみかんがあると想像するそうです。
予習
目次を1分間ざっと眺め、目的に沿った価値があるか検討します。
この段階で、必要な情報と不要な情報を事前に脳が振り分けるそうです。
フォトリーディング
アファーメーションを行い、リズム良くページをめくるそうです。
時間にして、1ページを1秒。
活性化
フォトリーディングで蓄積された情報を分類して「パターン認識」を行うそうです。
高速リーディング
これだけは「スキャン」ではなく読みます。
小説などより文書の内容を理解したい場合は、最初の文章から止まらずにひたすら読み続けるそうです。
わからないことがあっても、読み続ければ、必ず後でその部分を解決してくれる部分が出てくるそうです。
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まとめ
……ということなんですが、とにかく今までの常識に囚われず、言われた手順と内容を信じて愚直に実行することだそうです。
潜在意識をフル活用する読書法のため、疑うと効果が薄くなってしまうそうです。
一種の暗示や自己催眠のようなものですね。
最後の「高速リーディング」だけが、「速読」らしいメソッドですが、まあこれは今更本書に教えられなくても、誰でもやっていることですね。
役に立つと思えた点
本書は、漠然と本を読み始めるのではなく、読む際の目的・問題意識を高めることによる情報の取捨選択を促しています。
何を知りたいから、何を明確にしたいから読むのかは、読む前にすでに自分の中で明らかにしておくということです。
つまり、漠然と読み始めると、書籍が「主」、自分が「従」になってしまいますが、何のために読むのかがはっきりすることで、主体的に読めるということです。
それによって、自分にとって必要なことと、そうでないことの区別が早く明確につく、というわけです。
「速読」でなく通常の読書でも、とくにノウハウものなど実用書の書籍を読む際には、心がけておきたいことですね。
疑問点
フォトリーディングの「技術の習得」は、非常に困難であり、そもそも効率が悪いように思えます。
ステップをすべて実行していれば、どうしても時間がかかります。1ページを1秒なんて私には無理です。
というより、やはり文章は「読む」ことで頭に入るもので、「見る」というのは根本的に違うような気がしてなりません。
たとえば、数式が入る数学の専門書や、単語の拾い読みでは理解が困難な論理学・哲学の書籍は、ほぼ無理だろうと思います。
何よりこの方法は、頭に入ると信じることが大切らしいので、私のように“北向き”で懐疑的になっしまうとそもそもダメみたいです。
一瞬見せて、文字や言葉を覚えさせる「フラッシュ」という手法は、育児の学習にあります。
私は、あれも懐疑的なのですが、「フラッシュ」は、あくまでも単語であったり固有名詞であったりするので、「こういうやり方もあるのかな」という気はします。
ただ、文章となると、日本語は主語と述語が離れたり、比喩を使ったりと、その表現方法は非常に複雑なので、どうなのかなあと思いますね。
成果があった方はいらっしゃいますか。
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